タイトル未定2026/02/14 16:26
巨大ロボット襲来
とある大きな街の廃墟が横たわる巨大な穴の付近で、一人の男性がうつ伏せに倒れ、意識を失っているところを発見された。
男性は病院へ運ばれ、警察は事件の真相解明のための捜査を開始した。警察が男性に何が起きたのかを尋ねた。
「天を衝くばかりの巨大ロボットがミサイルを発射し、街全体を空へと舞い上がらせ、隕石孔のような穴へと落としたんだ。」
彼は、二万人いた街の住民の中で唯一の生存者だった。そのため警察には、彼以外の証人も証拠も何一つ残されていなかった。
警察に新たな通報があった。別の男性が、天を衝く巨大ロボットが別の街にミサイルを撃ち込み、街を空へと浮かび上がらせ、穴の中の廃墟と化して落下させたと訴えた。
さらに別の人物が警察に通報した。天を衝く巨大ロボットがミサイルで街を爆破し、空へと吹き飛ばした後、巨大な穴ができたという。その穴は、もし巨人が実在するなら、その巨人の遺体を五千体は埋葬できるほどの大きさだという。
そしてまた別の者が警察に言う。天を衝く一体の巨大ロボットがミサイルで街を粉々に破壊した。街は空に飛散し、その後地面に落下。地面は陥没して巨大な穴となった。破壊されたのは四つ目の街だ。
次に五人目が警察に告げる。例の天を衝く巨大ロボットがミサイルで街を空へと吹き飛ばし、巨大な穴を創り出した。五つ目の街が壊滅した。
どうやら警察は、この後さらに五回、いや四回ほど、同じような情報を受け取ることになるようだ。ある人物が警察に、あの天を衝く巨大ロボットがミサイルで街を吹き飛ばし、巨大な穴を創り出した。六つ目の街が壊滅した、と通報したのだ。
爆破された街の生存者なのか、単なる目撃者なのかはともかく、この人物も警察にこう伝えた。天を衝くロボットがミサイルで街を空へ吹き飛ばし、巨大な穴の中に街を沈めさせた。これで七つ目だ。
これまでと同様に、ミサイル攻撃された街の生存者であれ、たまたま通りかかって目撃しただけであれ、この人物もまた、先に続く者たちと同じ行動を取った。彼は警察に対し、八つ目の街が、天を衝くロボットによってミサイルで空へと吹き飛ばされ、空から落下した街の廃墟が沈む巨大な穴だけが残された、と語った。
とある人物が警察に通報した。天を衝くロボットがミサイルで街を空へと舞い上がらせ、巨大な穴だけを残した。これで九つ目の街だ。
警察もさぞ混乱していることだろう。同じような話をする者が九人も現れ、なおも十人目が同じ話をしに来たのだから。例によって、十人目は言う。天を衝くロボットがミサイルで街を空へと吹き飛ばし、ただ巨大な穴だけを残した、と。
その時、空から地上へと、銀色の巨大ロボットが舞い降りた。その姿は、蒸気機関の機構が鮮明に露出した騎士の鎧を彷彿とさせた。ロボットの高さは、電波塔の二倍はあろうかというものだった。
ロボットの指の部分が開き、内部に搭載されたミサイルと発射機構が露わになった。
巨大ロボットはミサイルを発射し、それは街の地下深くへと突き刺さった。次の瞬間、耳をつんざくような雷鳴が轟き、ビル、家々、道路、木々、鉄柵、街灯、塔、電柱、水道管、給水タンク、地面――ありとあらゆるものが爆発し、雲をも突き破らんばかりに吹き飛んだ。爆発による火災が地域一帯を包み込み、見渡す限りの巨大な穴が残された。やがて、大気圏に舞い上がっていた全てのものが、その巨大な穴へと落下した。計り知れないほどの衝撃によって、穴はさらに深く陥没し、その大きさは途方もなく増大した。そして、全ては終焉を迎えた。




