タイトル未定2026/02/14 16:24
宇宙の恐怖
ダークエネルギーとは、正体が不明なエネルギーのことである。宇宙定数、もしくは一定のエネルギー密度であるという説がある。ダークマターとは、仮説上の物質であり、あらゆる電磁波スペクトルでは観測できないが、宇宙の物質の大部分を占めるとされる。ダークマターは、光やいかなる電磁波も放出も吸収もせず、相互作用も非常に弱いと考えられている。通常の物質には、固体、液体、気体、プラズマの四つの状態がある。物質は、クォークとレプトンという二種類の素粒子から構成されている。宇宙にある通常の物質の大半は、実は観測できない。なぜなら、銀河や銀河団の中で観測できる恒星やガスは、宇宙の質量エネルギー密度を構成する通常の物質のうち、10パーセントにも満たないからである。通常の物質と、それらの間に働く力は、素粒子のレベルで説明することができる。しかし、その基本的な構造が何なのか、あるいはより小さな素粒子から構成されているのかどうかは、誰も知らない。素粒子は、量子力学によって最もよく説明される。光子は、光やその他の電磁波の量子であり、電磁気力を媒介する。光子の静止質量はゼロである。
これは決して学術論文などではないが、まあ、そんなところだ。実は卒業論文の執筆中で、テーマに宇宙を選んだ。この論文には、これまでの物理学の理論では説明できない事柄を説明する、新しい理論を打ち立てようと考えている。物理学というのは、実に複雑だ。相対性理論だけでなく、ひも理論、量子理論、その他の理論もある。さらに、三次元の空間と一次元の時間が組み合わさって時空という概念が生まれる。自分の理論を練るために、夜中、木が一本も生えていない見渡す限りの草原に寝転んで、夜空を見上げた。星々で満たされたあの夜空が好きだ。天の川や銀河を見るのが好きだ。オーロラにも憧れるが、まだ見に行く機会はない。僕の頭は常にフル回転している。実際、僕の脳は休むことを知らないんだ。そう言っていいのかどうかは分からないけど、脳が考えることをやめたことはない、と言っても間違いではないと思う。そして今、あらゆる理論を、何の追加説明も必要とせずに整合させられる、新たな理論を考えている。まだ考えなければならないことは他にもある。我々が観測できる宇宙は限られた範囲に過ぎない。宇宙が有限なのか無限なのか、誰にも分からない。観測可能な生命の存在を可能にする条件が、非常に狭い範囲の値に限定されているという話もある。もしその値が少しでも違えば生命は存在し得ないというが、それが真実かどうかも分からない。
もしこれらの真実を探求し、説明することができれば、全てを説明し得る理論を構築できるかもしれない。星々で満たされた空を見上げていた時、全ては正常に見えた。当然、これで理論がひらめくはずだった。だが、その時、異常な出来事が起こった。相対性理論によれば、異なる状態にある二人の観測者(例えば、一方は静止、他方は運動)は、同じ出来事を異なって認識する。つまり、今、静止しているはずの僕は、静止した観測者が見るはずの夜空を見ているはずだ。ところが、どういうわけか僕は、同じ出来事の異なる二つのバージョンを同時に見ることができているように思えた。相対性理論からすれば、あり得ないことだ。相対性理論は主に、光と重力場に関する理論であり、時間を観測の基準点とする。だから、異なる時間には異なる出来事が見えるはずだ。しかし、全ての時間が僕という一点に集約されているかのようだ。僕は、同じ出来事の全ての異なるバージョンを、同時に一度に見ることができているのだ。空に、そして地上にも、奇妙な光が見えた。空には、奇妙な黒い物体も見えた。そして、全ての天体が互いに遠ざかっていった。しかし、それは単に空の空間が広がっているという意味ではない。それらの空間の中に、無数の天体が次々と現れているのだ。何もないのに、何かが僕にぶつかるのを感じた。何も見えない。科学的に見えないものと言えば、ダークエネルギーかダークマターだろう。この二つは見えず、観測もはっきりとはできない。奇妙な光線が僕に襲いかかり、しばらくの間、僕を押し、引きずり、引っ張った。光子の質量はゼロで、遠距離でも基本的な相互作用はできるが、光子にこんなことができるとは思えない。その後、空に無数の奇妙な小さな点が見えた。そして、空に奇妙な生命体が現れ、僕はすぐにでも逃げ出して隠れたい気分になった。器官らしいものはなく、触手しかない生命体だ。そして僕は気づいた。その触手生物は、宇宙全体のあらゆる性質を操ることができ、僕に今まで見えなかったもの、未発見のもの(タキオンや、あらゆる物理学理論で仮定されているもの)を見せ、時間、さらには時空全体、そしてクォークやレプトンまでも見せているのだ。
その触手生物は、どうやら僕が思っていた以上の能力を持っているらしい。空は異常に歪み始め、星々は爆発し、溶融し、そして再融合しているかのようだ。触手生物から奇妙な光線が放たれた。その光線の光子の性質は、物理学理論で説明される光子よりもはるかに強力だ。理論上、光子の性質は顕微鏡レベルで観測できるはずだが、今、僕は肉眼で光子の全ての性質を見ている。その生物は、固体、液体、気体、プラズマの四つの状態全てにおいて、奇妙な物体を自身から放出した。エネルギーは創造も破壊もできず、元から存在するものだ。しかし、その触手生物はエネルギーを創造でき、ダークエネルギーを創造でき、クォークとレプトンを創造し、通常の物質を創造し、光子、あらゆる種類の電磁波を創造できるのだ。それは、巨視的な力から素粒子レベルで説明される力に至るまでの全ての力を操り、歪め、創造し、破壊することができる。光子、電磁波、エネルギー、ダークエネルギー、通常の物質、クォーク、レプトンを操り、創造し、破壊できるのだ。あの怪物は、自身からダークエネルギー、ダークマター、電磁波を放出することができる。空間を拡大・縮小し、操ることができる。時間を遡り、未来へ行き、時間の流れを遅くしたり速くしたり、時間を逆行させることもできる。それは時空全体を掌握し、重力、核力、電磁気力を操る。木々はまるで竹のように成長が速く、平均的な高さを超えている気がする。水道の水は、毎日いつもより勢いよく出ている気がする。誰も道を掃いていないのだろうか? 以前より落ち葉が道路に溜まっている気がする。土壌がおかしい、草木がおかしい、ペットではない動物たちもおかしくなってきているようだ。異常だと思わないか? そして、非常に強い風が吹き始め、全てが揺れ動いた。光はまるでダイヤモンドの反射のように奇妙で、全てが明るく輝いているのに、同時に暗く曇っている。「影」が「異常に黒く」、肉眼で見ても明らかに普通ではないことが分かる。まるでその波動の周期がマラソンよりも長いかのようだ。そこにいる人々の時計は、誰一人として合っていないようだ。そして、空間が無限に膨張しているように感じる。家に走って戻ろうと決心したが、先ほど言ったように、空間が無限に膨張しているように感じるのだ。この暗闇の中を走ることは、まるで決して逃れられない何かから逃げているかのようだ。自分自身から逃げるように、宇宙から逃げるように。周囲の歪みはますます激しくなり、地面は不均一になり、木々は不釣り合いな形になり、山、水面、落ち葉、地面は非対称な形状になり始めた。走れば走るほど、道は長くなっていくように感じる。振り返って空を見上げると、あの触手生物はまだ空にいた。走っても、道はさらに長くなる。触手の怪物はまだ同じ場所にいる。僕も触手の怪物も、まるで同じ場所に留まっているかのようだ。
僕は一台の車まで走った。車に乗り込み、どこまでも遠くへ車を走らせた。目に入るのは、ただ夜空だけだった。
見上げる空は、広大な星の海の真ん中にいるかのようで、同時に、あの触手の怪物の能力によってもたらされた出来事が起こっていた。
僕にはコンパスがなく、地図もなく、電話もなく、ラジオもない。
誰も呼べない。
車をまっすぐに走らせ、スピードを上げた。
左手首に腕時計をしているのを思い出した。時計を見る。午後十時ちょうどだ。
見えるのはただ星の海だけで、人っ子一人いない。
暗い。時計の文字盤さえほとんど見えないほど暗い。
どこへ向かえばいいのか分からない。電話も通じない。誰も呼べない。
体長約一メートル、高さ五十センチメートルの巨大なゴキブリの大群が、まるでラッシュアワーのアヌサワリー・チャイサマーラーの渋滞の列のように、少なくとも僕が幼稚園の頃に見たあのひどい渋滞のように、まっすぐに僕に向かって走ってきた。
僕は車でそれらの巨大なゴキブリを轢いた。
轢かれてぺしゃんこになったそれらのゴキブリは、触角を動かしており、まだ死んでいないようだった。触角が激しく痙攣している。
それらの巨大なゴキブリの群れは、今や内臓を地面にぶちまけている。
僕は車でそれら巨大ゴキブリを轢き続けた。また轢く。また轢く。ゴキブリたちの内臓は粉々に飛び散った。
今や地面には、それらのゴキブリたちのバラバラになった臓器だけが残っている。
君は、触角だけを残して全ての頭部を噛み切ることにした。触角は激しく動いている。
まだ何千もの群れが、まるでこれらのゴキブリが千の分身を持っているかのように、絶えず真っ直ぐに走ってくる。
轢くたびに、奴らの内臓が飛び散る。
そして奴らの臓器は、まるで茶色い泥で汚れた画用紙のように、地面を染めていく。
どうすればいいのか分からない。
空には月明かりはなく、ただ星々だけが空を埋め尽くしている。
突然、車が何かに激しくぶつかったような衝撃があった。
大きな茶色い足の長いクモの群れだ。体は子供よりも大きく、足の長さは身長百八十センチの人間と同じくらいだ。
周りを見回すと、巨大クモの群れだけでなく、巨大なムカデもいる。もし百メートルの道路があれば、それらの巨大ムカデの長さもまさにその百メートル分だ。百メートルの巨大ムカデ。
車のスピードをさらに上げた。車でそれらの巨大クモやムカデを轢きながら、巨大ゴキブリの軍団を駆け抜けた時よりも速く、彼らを突き進んだ。
煙が辺り一面に立ち込めてきた。木々が見えない。星が見えない。何も見えない。ただ煙だけが見える。
煙のせいで方向が分からず、どこへも行けない。
臭い。目が沁みる。喉が痛む。ここにはいられない。
しばらくすると、煙が薄れ始め、やがて完全に消えた。
全ての木々が見える。それらは元の形を保っているが、全て真っ黒な炭と化していた。
全ての木々は、元の形を保ったまま、完全に炭になっている。
大きな木々は全て、そびえ立つ黒い炭と化した。
地面の草さえも黒く変色し、枯れ果てている。
今、誰もいない。一人の人間もいない。
橋のかかった川へと車を走らせた。川の水は腐敗していた。ここには、川の両岸に沿って家々が立ち並んでいる。
車で橋を渡り始める。
すると、目の前の川岸の家々が、一軒、また一軒と、次々に腐った川へと崩れ落ちていくのが見えた。
振り返る。
後ろの川岸の家々も、同じように一軒ずつ腐った川へと崩れ落ちていく。
川の両岸の家々は、そこにいた人々もろとも、全て腐った川へと崩れ落ちてしまった。
腐った川の中の人々は岸に泳ぎ着こうとするが、上がれない。彼らは皆、何かに水中へ引きずり込まれるかのように、そして全員が完全に水没した。
僕は腐った川を見つめる。
車で橋を渡り、対岸へ行こうと決心する。
何かを感じる。
振り返る。
後ろの木の橋が、腐った川へと崩れ落ちている。
車を最高速度で飛ばす。
車で橋を渡り切り、対岸にたどり着く。もう一度振り返る。
橋は徐々に腐った川へと崩れ落ち、ついには完全に全てが川の中へ消えた。
車を走らせ続ける。ついに、巨大なゴミの山を伴う広大なゴミ捨て場を通り過ぎる。車で通り過ぎる。
爆発音が聞こえる。
振り返ると、ゴミの山から炎が上がっている。
炎がゴミの山を焼く。人々の一群がゴミの山の中にいる。彼らは歩いて出ようとするが、どんどんゴミの山に沈んでいく。
今や彼らの頭だけがゴミの山から出ている。彼らは助けを呼ぼうとするが、頭さえもゴミの山に完全に沈み込んでしまう。
そして、上のゴミの山が崩れ落ち、彼らをさらに押しつぶした。
僕は道路にいる。道の両側はゴミであふれている。
突然、稲妻が走る。時計を見ると、午後十時半だ。
空を見上げる。空にいた怪物の触手が激しく震えている。
そして、地面、山々、木々、葉っぱ、草、星々、そして空が歪み始める。やがて宇宙全体が歪み、奇妙な閃光が走り、そして全てが爆発し、崩壊した。
終わり




