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第87話 ドームライブ

ワールドアイドルオリンピックが閉幕し、熱気も冷めてきた年始。


各アイドルたちはそれぞれの仕事をこなし、それぞれの目標へと進んでいった。


そしてSBY48も例外ではない…


「今日のレッスンはここまで!お疲れ様でした!」


「お疲れ様でした!」


「ここのところレッスンが厳しいですね…」


「二月に東京ドームでライブをするんだもの。ずっとワールドアイドルオリンピックで忙しかったからって言い訳してたらファンに失礼だもの」


「結衣は相変わらずストイックだなー」


「でもおかげで体力もついてきたよね」


「ははっ!間違いねぇや!」


「それに…加奈子先輩と話し合って決めたこともありマス…」


「そうですね…」


あかりたちはミューズナイツとして加奈子の引退を見守るだけでなく、そのメンバーの一人が抜けるという現実もある。


そんな中で合間を取って九人で話し合い、当日の東京ドームライブでミューズナイツとして出た後にファンに向けての発表をすると決めた。


あかりたちは正直に言って解散はしたくないと思ったが、加奈子の意志を尊重した上で解散を受け入れた。


ミューズナイツは、この九人じゃないとミューズナイツとはいえないという結論に至ったのだ。


一月はライブ出演メンバーは全員仕事を少なめにして、ドームライブに向けてのレッスンに集中する。


下旬にもなるとレッスンもハードになっていき、たまにレッスン中にリタイアする子も出てくる。


同時に二月は総選挙でもあるので、研修生や他の系列グループにとっては逆転のチャンスでもある。


何故ならSBY48のレギュラーメンバーは、テレビやラジオを少なめにしている分、表舞台に出る事が減ったのだから。


そしてついに二月のドームライブ当日になり、開演の時間を待つ。


「やっぱり緊張するね…」


「ファンしかいないともなるとあの時とはまた違う緊張があるよ…」


「もう、今更緊張なんてしなくてもいいじゃないですか」


「そういう萌仁香だって脚が震えてマスネ」


「言わないでくださいよ!隠してたのに!」


「いや見え見えじゃねぇか」


「うー…!」


「ほらほら、もうすぐ開演だから喉を大切にね?リラックスも大事だけど、リラックスしすぎて故障なんて笑えないからね」


「は、はい!」


「大丈夫…大丈夫…大丈夫…!」


「加奈子先輩…!」


「やっぱり加奈子先輩でも緊張するんだね…」


「そうみたいね…」


「かなこせーんぱいっ!いつもの笑顔とリーダーシップが隠れちゃってますよ?」


「日菜子…」


「やっぱり解散の発表するのが怖かったりします?だとしたら当然ですよ。これだけ短い期間で解散するんですから…。私も正直言って、もっと先輩とグループしたかったです。けど…これだけは確信できるんです。遠い将来、このみんなでもう一度集まって、何かを成し遂げるって気がするんです。だから加奈子先輩はファンのみんなを信じましょう。そして…最高のありがとうと、またねを込めて伝えましょう!」


「日菜子…ありがとう。おかげで目が覚めたよ。私らしくみんなの前では堂々としてようと思ったけど、不安もやっぱりあったみたい。今はみんなが背中を押してくれる。だから…たまには後輩たちにも頼っちゃおうっと」


「先輩…」


「さぁ集まって!もうすぐ開演だから48人で円陣組むよ!S!B!Y!」


「48!」


ドームライブが開演されて48人のメンバーはそれぞれのポジションに着く。


ポップアップだったり舞台袖からの入場だったり、客席からの登場だったりなど様々な登場でファンを驚かせた。


SBY48は銀メダルながらもアジア圏では絶対の人気を誇っているので、熱狂的な外国人ファンも多くいる。


最初はワールドアイドルオリンピックでも発表した新曲を披露し、会場のボルテージをアップさせる。


グループでライブした後は、それぞれの個人グループでのパフォーマンスになりミューズナイツは一番最後になる。


あかりが研修生時代にお世話になった先輩たちは個人グループで活躍し、あかりの成長を誰よりもそばで見てきたのか自分たちもさらにトップアイドルへと近づいていた。


次のグループも個性的なオタクユニットや、学校の同級生ユニットなどバラエティ豊かなパフォーマンスになり、ミューズナイツにも負けないくらいの人気ぷりが伺えた。


そしてついに…ミューズナイツの番が来た。


「ミューズナイツ!レッツミュージック!」


「Fu-------!」


ミューズナイツの登場は掛け声と同時に天井からの登場で、ワイヤーに吊るされながら降りていく登場になる。


客席が九色のサイリウムで染められ、美しい騎士団員たちの団結が見られた。


MCに入り、いつものコール&レスポンスを終えると、加奈子は深呼吸をして重大発表をする。


「あのっ!みんなに絶対知らせないといけない事があるんだ!」


「おーっ…?」


「えっと…その…」


「先輩、私たちがついてます。だからもし批判的な事を言われたら私たちに任せてください」


「あかり…ありがとう。みんなは私がアイドルを引退するって事はもうわかっているよね?もちろんアイドルで培った経験を無駄にしないし、もっと自分を高めていこうと思う。もちろんミューズナイツでの思い出も忘れない。でもアイドル引退とはつまり…ミューズナイツでいられなくなるって事なんだ。それに伴い、ここにいる最高の仲間たちと話し合って決めたんだ。よかったら聞いてくれるかな?」


「いえーーーーーい!」


「加奈子ちゃんがんばれー!」


「泣かないでー!」


「えっとね…秋山加奈子の引退に伴い、ミューズナイツは…今日でおしまいにします!」


「……。」


「ミューズナイツは私が始めたワガママから始まったけど、プロデューサーやこのメンバーじゃない仲間たちからささやかれてきたんだけど、やっぱり私達も感じてた。ミューズナイツはこの九人じゃないとダメなんだって思ったんだ。だから私が抜けたら、いくらこの子たちが人気アイドルでも、結局人気も落ちるしイメージが湧かないまま自然消滅してしまうんじゃないかって考えじゃって…。だからいっそのこと活動休止という形で一度おしまいにして、もし私の代わりになる子が出てきたら活動を再開しようって話し合いで決めました。だから…こんなに短い期間だったけど、応援してくれて…ありがとうございました!」


「……。」


「あのっ!その事でショックだったとしても…加奈子先輩の事を嫌いにならないでくださいね!加奈子先輩はずっとミューズナイツの事を憂いてきて、将来の事も一人で考え込んだこともあったの!そのミューズナイツの事を誰よりも想っている加奈子先輩がここまで悩んで決めた事だから…受け入れてほしいとは言わないけど、加奈子先輩の事を嫌いにならずに応援してください!」


「あかり…」


「そっか…加奈子ー!今までありがとうー!」


「短かったけどお疲れ様ー!」


「活動再開を待ってるわねー!」


「みんな…本当にありがとう!それじゃあミューズナイツ最後の曲!いくよー!せーの…」


「ミューズナイツ!レッツミュージック!」


「「HEY!HEY!HEY!」」


ファンのみんなと一つになってコール&レスポンスを成功させてミューズナイツは活動休止への有終の美を飾る。


活動休止と入ったけれど、加奈子のような逸材はそう簡単には見つからないし、引退したともなれば加奈子の代わりはいない。


ましてや人気アイドル同士なので再度集まるのは難しいので実質解散という事になる。


それでもファンのみんなだけでなくあかりたちも、もう一度活動を再開する事を込めてあえて活動休止という風に発表した。


ミューズナイツとしての有終の美を終えて、最後のSBY48としてのパフォーマンスで締めくくり、加奈子にとって最高の思い出となった。


「ありがとう!それでパパから重大発表があるんだ!ミューズナイツは…SBY48の永久欠番に任命します!私たちミューズナイツは…永久に不滅です!」


こうしてミューズナイツは永久欠番になり、もう今後新たなメンバーを入れる事はなくなった。


それからもライブは続き、最後までSBY48としてアンコールを終えてカーテンコールをし、ライブも無事に終えた。


ちなみに…後日行われた総選挙の結果はあかりが一位で、話題の加奈子は二位となり、ライバルのUMD48の白石美帆は三位となった。


つづく!

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