表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/100

第75話 影の騎士ボリュムニア

第三形態のルシファーナに苦しんだ結衣たちだったが、加奈子が復活の援護をしルシファーナに大ダメージを負わせることに成功する。


第三の目は完全に潰され、もう悪夢を強引に見せる事は出来なくなった。


加奈子は着地して一息つくと、結衣たちは嬉しそうに駆け寄る。


「加奈子先輩!おかえりなさい!」


「うん、ただいま」


「もう!本当に心配したんですからね!」


「もう大丈夫なんですか…?」


「うん、もう大丈夫だよ。それよりもあかりはあの第三の目にやられた感じかな?」


「そうなんですよ!あの目を潰さなかったらアタシらの誰かがどうなったことか…」


「でも回復するの早かったデスネ。何かあったのデスカ?」


「話せば長くなるけれど…」


加奈子はなぜこんなにも早く復活できたのか、いきさつを結衣たちに話す。


そこには初代ミューズナイツの残りの一人であるボリュムニアが絡んでいたのだ。


~回想~


加奈子がまだ重傷を負って動けず病院にいたあの時…加奈子は突然意識を失うかのように深い眠りについた。


でも不思議と死への不安はなく、どこか懐かしい雰囲気で身体も軽くまるで浮いているかのようだった。


するとそこにはまだ中世ヨーロッパ風で古い建物が並んでいる町に着き、まだ新築されたユメミール城が後ろにあった。


そう…そこは夢の国だったのだ。


「ここって確か…三年前に私が試練を突破したときと同じだ…」


加奈子はあまりの懐かしさに思い出に浸ったと同時に、苦しかった試練の事を思い出した。


そしてあの時の感覚を思い出すべく街を散策し、もう一度ボリュムニアに会えるのではないかと淡い期待を寄せた。


しばらく歩いていると、花畑で小鳥と戯れている美しい女性が立っていた。


「あの姿は…まさかボリュムニアさん?小鳥と遊んでて邪魔したらマズいかな…」


「ララララ~…♪」


「やっぱりボリュムニアさんの歌声は美しいな…。まるで聴く人の心を穏やかにすると同時に燃え上がる感じがするよ…」


「ふぅ…。そこにいるのはわかっているよ加奈子。しばらく会わないうちにたくましくなったね」


「お久しぶりです。もうあれから三年でしたっけ?アクムーン帝国は私たちの手で討伐しましたよ」


「うん、わかってるよ。でもまさか私たちでさえ封印するのに苦戦したルシファーナが復活するとは思わなかったけど」


「それは…」


「あなたは仲間を庇って重傷を負い、魂が霊界とリンクしてしまった。その結果ここに来てしまったんだよ。でも安心して、あなたは死なないから」


「はい、わかりました。それで…後輩たちは今どうしてますか?」


「ルシファーナを連携で苦しめているけど、まだ真の姿を隠している感じだね。私たちミューズナイツが戦った時はもっとおぞましくて大きく、そして第三の目を持っていたよ。その第三の目は人を強引に眠らせるだけでなく、悪夢を見せてドリームパワーを奪い、感情というものを奪うんだよ。もしその第三の目と目が合ったら…死ぬよりも苦しい思いをして、最終的に生きてるだけの人形となり廃人化するんだよ」


「そんな…!だったら早くみんなと合流して助けないと…!」


「どうしてそんなに焦るの?あなたはまだ回復しきれていないし、今行ったところで足手まといになるだけだよ?」


「うっ…!」


「思い出して…?あの時の厳しかった試練を…」


「あの時の試練…!そういえば…壮大な人生を迎えるには自分らしくしつつ他人と協調し、合わなければ無理に合わせず自分を強く持って考えて前に進む事…。そうすれば人生は壮大な運命に巡り合い私自身を変えてくれる…!」


「今あなたが仲間たちに慕われてあなたのために戦っているという事は、あなたが今までやってきた信頼を築き上げてここまで来たんだよ。たとえあなたがいなかったとしても、あなたと一緒に戦っているんだよ。あなたにとって壮大な運命は…最高の仲間とベストな状態で戦い勝利する事。そして…人々に夢を与え未来を創り上げつつ、自分を犠牲にせず日々成長する事。それがあなたのやるべき事だと私は思うよ」


「わたしがやるべきこと…!それは身体が回復するまでにちゃんと休んで、最後にはみんなと一緒に戦って勝利し笑顔で帰るんだ…!


「なら今は無理しない事だよ。それに…あなたの回復力には驚いたよ。今まで安静にした分、ドリームパワーが蓄積されて心身を強くしたと同時に、また試練突破の時よりもドリームパワーが大きくなってる。それにさっき思い出したことでさらに回復スピードが上がっているよ。きっとミューズさまがお力を分け与えてくれたんだよ」


「ミューズ…!じゃあ女神さまが私に力を…?」


「ユメミール王国には聖堂があって、そこでミューズに祈りを捧げているからちゃんと感謝を伝えて祈っておいで。さぁもうすぐあなたは目覚める時間だよ。明日にはもう完全に動けるはずだからそれまで安静にしててね」


「はい!」


「じゃあ私は霊界に還るから、あなたはこの世でもう一度夢を与えられる存在になっておいで。私はミューズさまの元で見守っているよ」


「ありがとうございます!また会いましょう!」


こうして三日間の入院生活を終え、完全に動けるようになったことに先生と看護師は驚き、リハビリの先生もリハビリの必要がないくらいに回復したことを奇跡と呼んだ。


退院してすぐに加奈子はユメミール王国に向かい、サイリウムで変身して入り口に入る。


すると移動中に秋山プロデューサーとヴィオラ女王があかりを背負って走っているのが見える。


加奈子は両親に気付き声をかけた。


「パパ!ママ!」


「加奈子!?もう動けるのか!?」


「うん!この通りだよ!それよりも…あかりに何があったの?」


「実はこの子…ルシファーナの第三の目を見てしまって眠ってしまったのよ。そしたら時間が経つにつれてうなされるようになって苦しそうなの。今も…」


「いや…死なないで…!みんな…!」


「酷い…!そうだ…ママ!王家に伝わるあの歌なら悪夢から目覚めるかな?」


「わからないけど…やってみましょう!」


「いくよ…!ラララ~ララ~…♪」


加奈子はあかりの隣で歌うと、周りの木々に潤いが出て、荒野だった大地に芽が出て空は少しだけ明るくなった。


秋山プロデューサーも加奈子の歌声に魅了され涙を流すほどだった。


するとあかりは目を覚まし、何が起こったのか状況の整理がつかなかったのか少しだけ寝ぼける。


「あの…ここは…?そうだ…!ルシファーナは!?」


「目が覚めた?あかり」


「加奈子先輩…?どうしてここに…?まだ夢の中ですか…?」


「あかり、あなたはルシファーナの額にある第三の目を見てしまって眠りについたんだよ。そして悪夢を見ているのか、かなりうなされてて苦しそうだった。何で私がいるかの説明は後だよ!早くみんなと合流しよう!」


「は、はい!」


~回想終了~


「そんな事があったんだ…!」


「それともう一つ…ほら!」


「みんな!心配かけてごめんね!」


「あかりさん…!」


「おー!もう大丈夫なの?」


「もう大丈夫だよ!加奈子先輩に助けられたんだ!」


「まったく…二人とも萌仁香に心配かけさせて!バカバカバカっ!バカーっ!」


「まぁいいじゃないの。これで全員揃ったし、ルシファーナも弱っている頃だから今がチャンスよ!」


「ここは私に任せて!王女としてこの力…受けさせてみせる!ワルキューレタックル…グランディオーソ!」


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」


「やった…!今度こそ…」


「いいえ!まだよ!奴はまだ浄化していないわ!」


「うぐ…ぐお…!おのれ…ミューズナイツ…!身体が…身体が崩れていく…!もう許さんぞ…!貴様ら全員殺してやるぞ…!」


「なんつー執念なのよアイツ…!」


「あまりにもタフすぎてもはや尊敬するよ…」


「もう早く決着つけたいデース!」


「三日間も戦ったんだ…。本当に頼もしい後輩だなぁ…」


「三日も…?じゃあ私たちは人間界でいうと三日も戦ってたんだ…!」


「どうやらそうみたいです…!」


「でも何でかな…不思議と腹も減らないし眠くもないぜ?」


「きっとこれはミューズが私たちに力を与えたんだよ。世界に夢と未来をもたらしてって…」


「加奈子先輩…!一時離脱した私が言う事じゃないけど…みんなで勝って笑顔で帰ろうね!」


「うん!」


つづく!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ