第74話 復活
ルシファーナは第三形態になり、巨大化しミューズナイツの大きな脅威となる。
その姿はまるで悪夢をリアルで見ているような感覚で、物理が効くかわからないけどあかりたちは怯まずに挑む。
武器をギュっと握りしめ、戦線離脱している加奈子の事を思い出す。
「まだ先輩は回復してないと思う。ここで先輩抜きでも勝てるってことを証明しよう!」
「りょ!アイツを倒して人々に夢を見る素晴らしさと、それを叶えるためにどうすればいいかを考えてもらおう!」
「無駄なあがきをまだやるかミューズナイツよ!思えば奴らも貴様らと同じ目をしていたな!忌々しいその目をぶっ潰し、二度と夢など見れないようにしてくれるわ!」
ルシファーナは女性とは思えない禍々しい声を出し、ミューズナイツを威圧する。
今回は巨大化して武器を持つ必要がないのか、素手で攻撃を仕掛け圧倒的なパワーを見せつける。
あまりのパワーに地響きが起こり、ユメミール王国に大地震が起きた。
「何てパワーなの…!このまま地響きを起こされたら大地震で国が滅んじゃう…!」
「そんなことさせっかよ!オレたちがこの国と、オレたちの世界を守るんだぞ!」
「それにまだみんなに助けてもらったお礼をしていないしね!」
「秋山プロデューサーたちは遠くに避難してください!こればかりはプロデューサーたちには手に負えません!」
「そ、そうするよ!みんな!絶対に生き残ってくれ…!」
「はい!」
「行かせるわけがなかろう!女王夫妻をここで葬ってやるわ!」
「プロデューサーや女王さまを守るわよ!」
「うん!」
秋山プロデューサーとヴィオラ女王を守るべく、あかりたちは遠くに逃がす作戦を決行する。
ルシファーナは女王やミューズナイツの育て親を放っておくわけにいかず先に葬ろうと手を出す。
そこで萌仁香のハンマーがさく裂し、足元を揺らしてバランスを崩させる。
エマも麻里奈もドリームパワーを最大限に発揮させ、今まで難しかった連射をする。
あかりと日菜子、麻友美の接近戦組はジッとチャンスを狙っている。
ひかりと結衣のパワー派も一撃必殺のチャンスを伺った。
だが近接組の思いもむなしく、ルシファーナの隙のない攻撃に徐々に押されていく。
「ふははは!どうしたミューズナイツ!お前たちのパワーは口だけか?」
「やっぱり強い…!」
「私たちで本当に勝てるのかな…?」
「あかり先輩!弱気になっちゃダメでしょ!」
「そうデース!あかりらしくないデース!」
「ここで諦めたらアタシらの夢は誰が叶えるのさ!」
「そうだった…!諦めたら私らしくないよね…。もうアイツのダークネスパワーに負けない!」
「ならばこれはどうかな?」
「うっ…!」
「あかり!」
あかりのやる気に気付いたルシファーナは、額にある第三の目を開いて強引に眠らせる。
あかりはしばらく眠りにつき、起きる雰囲気がないのであかりも戦線離脱する事になった。
戦いを続けていると、あかりの様子がだんだんおかしくなり、しまいにはうなされるようになった。
「うう…!うう…!」
「結衣!あかりの様子が変だよ!」
「何ですって…!?」
「何だか苦しそうです…!まるで悪夢を見せられているような…!」
「いや…みんな…死なないで…!お願い…!」
「あかり…!」
「……。」
「萌仁香…?」
あかりの悪夢に見かねたのか、萌仁香はあかりに近づいて何かアクションを起こそうとする。
手を出さないか不安になった麻友美は念のために近づいて様子を見る。
寝言に声をかけてはいけないと聞いたことがある日菜子は、必死に萌仁香を止めようとするが結衣によって止められる。
すると萌仁香はあかりを無言で強く抱きしめて頭を撫でる。
「うう…!」
「……。」
「萌仁香…」
「あかり先輩はいつだって優しすぎるんですよ…。いつも萌仁香たちの事を気にかけてさ…。本当にムカつくくらい優しくて気が利いて…萌仁香たちはアンタから学んでばかりなんだから…。あかり先輩の悪夢を正夢にしないためにも…ここを乗り切りますよ!」
「オッケー!」
「ルシファーナ!よくもあかり先輩を苦しめたわね!その落とし前をつけてもらうんだから!」
「やれるものならやってみるといい!」
「前田さんは僕が運ぶよ!」
「お願いします!」
秋山プロデューサーは鍛え抜いた体であかりを抱きかかえ、ヴィオラ女王と共に遠くへ走っていった。
結衣たちはあかりと加奈子抜きにして戦うので、大事な主力が抜けてモチベーションが下がるところを逆に燃えていた。
だがルシファーナの圧倒的力を前に、主力なきミューズナイツは苦戦を強いられる。
翼で風起こしをされ、立ち上がるので精一杯になり、鋭いツメで引き裂かれそうになり、丈夫なプレートアーマーに攻撃も通じなかった。
「どうしたらアイツを倒せるんだよ!」
「こうなったら気合いと根性だろ!」
「あまりいい響きじゃないけどそれしかなさそうね!」
「エマたちのドリームパワーを見せる時デス!」
「皆さんと一緒なら負ける気がしません…!」
「よーし!底力を見せてやろう!」
「先輩たちの分も萌仁香も頑張るんだから!」
「ミューズナイツ!」
「レッツミュージック!」
心を一つにするべく掛け声をかけ気合いを入れ直す。
いつもは理性派の結衣は、果敢に自ら前に出てリーダーとしてみんなを鼓舞した。
日菜子は大好きな彼氏やみんなを思い浮かべ、絶対に負けられないと闘志をむき出しにする。
ひかりはいつもの力任せではなく仲間のアシストに専念し、いざという時に一撃で決めるチャンスを待った。
麻友美もいつものネガティブさはなくなり、どうすれば攻略できるかを考えた。
麻里奈もノリと勢いだけでなく、弱点を突くためにどこを射抜けばいいかを観察する。
エマはいつもの毒舌は鳴りを潜め、いかに効率よくダメージを与えるかに集中する。
萌仁香はあかりの事を気にしながらも、助けられたお礼と言わんばかりに気合いが入る。
だがルシファーナのその頑丈なプレートアーマーを簡単に攻略できるほど甘くはなかった。
攻め続けて徐々に体力が失われ、精神力だけで戦うのも限界があったのだ。
「もう終わりか?ならばここでとどめをさしてやろうぞ!死ねっ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」
「ドリームパワーなどというくだらない魔力は偉大なるダークネスパワーには敵わないのだ!もう無駄なあがきをやめてここで永遠に眠るといい!」
「ここまでなの…?」
「このまま私たちは…」
「負けてしまうのですか…?」
「ちくしょう…!」
「死にたくないよ…!」
「諦めたくないのに…」
「もう身体が…」
「そろそろ悪夢にうなされ徐々に苦しみ死ぬといい!さらばだミューズナイツ!」
第三の目が開こうとした瞬間だった。
突然大きな竜巻が一直線にルシファーナの第三の目を貫通し、ルシファーナはこの世のものとは思えない大きな悲鳴を上げてのたうち回った。
結衣たちは何が起こったのかわからず呆然としていると、ふと見上げたら加奈子が颯爽とやってきたのだ。
「みんな…お待たせ!」
「加奈子…先輩…?」
「これは夢デスか…?」
「いや…痛みはあるから…」
「加奈子先輩が帰ってきたのですね…!」
「遅いわよ…バカ…!」
「おかえりなさい…先輩…!」
「酷い傷だね…。私に任せて!Ah~…」
「傷が回復している…!」
「加奈子先輩の歌声って癒される…!」
「ぐぅぅぅ…おのれぇぇぇぇぇぇっ!」
「私はユメミール王国の第一王女!そして選ばれし夢と未来の騎士ミューズナイツの秋山加奈子!あなたを倒して世界に平和をもらたらしてみせる!」
つづく!




