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第62話 先輩

雷に直撃した加奈子を病院まで運び、集中治療室へ運ばれていった。


年末の紅白歌合戦の出場を急遽辞退する事になり、SBY48としての活動が出来なくなっている。


ミューズナイツも精神的支柱かつ偉大な先輩を失いどうすればいいのかわからなくなり、行動も遅くなっている。


大晦日になると紅白歌合戦がいつも通りテレビで流れ、本来なら自分たちもそこにいたんだろうなと思うと胸が痛くなる。


このまま見続けていたら悲しくなるのでチャンネルを変えようとした瞬間…加奈子の息が吹き返った。


「ふーっ…ふーっ…」


「加奈子先輩…?」


「加奈子先輩が…生きてる…!」


「やった…やったーっ!」


「んっ…んー…」


「加奈子先輩!オレたちここにいるぜ!目を覚ましてくれたんだよな!?」


「ん…みん…な…」


「喋ったデース!」


「私先生呼んでくる!」


あかりが病院の先生を呼ぶと、集中治療室から一般病棟へと移動する。


本来なら面会は許されないが、一緒に戦ってきた仲だという事で特別に許されているので移動も一緒についていける。


今でこそ紅白歌合戦がテレビで流れているものの、世界では戦争や治安の悪化などが起こり、京都の平安館では謎の日本風の城が、東京湾では空に浮かぶ洋風の城が現れたというニュースもある。


あかりたちは先生が病室から出ると、加奈子はみんなに何か伝えようとベッドから起き上がる。


「みんな…私からお願いがあるんだけど…」


「ちょっと先輩!今はまだ起き上がっちゃダメですよ?」


「いいから聞いて…。私はおそらく戦いに参加できるか怪しいけど…ママから聞いた話を聞いてほしい…。ミューズナイツはミューズに選ばれた夢の騎士であって…未成年の女の子にしかなれないわけじゃないんだ…。もし自分を強化したいなら…ユメミール王国で眠りについて初代ミューズナイツに会いに行って鍛えてもらうんだ…。名前は…リーダーのカリオペ…サブリーダーのクレイオ…光速のエウテル…司令塔のメルべネ…力自慢のテルプシコラ…技巧派のタレイア…狙撃手のエラトー…最年長のボリュムニア…そして最年少のウラーニア…。私はもう既にボリュムニアの試練を突破しているんだ…。王女として…騎士を十年やってる身としてね…。だから…私の代わりに試練を突破してきてほしいんだ…。私も早く回復するようにするから…」


「先輩…アンタには敵わないや…。アタシらの成長のために自分を犠牲にして後を託すなんてさ…ズルいっすよもう…。こうなったら行こう!これはノリでも勢いでもない!先輩はこうして生きているけど…仇を取らないと気が済まないんだ!」


「麻里奈!落ち着きなさい!」


「これが落ち着いて…っ!?」


「気が済まないのはあなただけじゃないのよ?私だって…いいえ、みんなも同じよ。一月中にユメミール王国に来いと言ったわね…。ならば正月早々にそこに行き、先輩が言ってた初代ミューズナイツの試練を突破しましょう。そしてルシファーナという悪夢の女帝を倒しましょう!」


「異論はないよ!」


「先輩の意志…無駄にはしないデス!」


「あの野郎…絶対ぶっ潰す!」


「ここまで来て負けたくないもん!」


「あんな奴に萌仁香の夢なんて渡さないんだから!」


「みんな…!」


「そうと決まれば代々木公園に行こう!もうすぐ日付が変わるからすぐに行こう!加奈子先輩…いってきます!」


「みんな…いってらっしゃい…」


加奈子が戦線離脱し残りの後輩たちで日付が変わる前に代々木公園へ向かう。


あかりたちは電車を悠長に使うことなく渋谷駅から走って向かい、加奈子の仇を討つという気持ちで臨んだ。


代々木公園に着くと、今までにない禍々しいダークネスパワーが溢れ出ていて近づくだけでも希望を失いそうだった。


加奈子の母であるヴィオラもユメミール王国に帰省してからいまだに帰ってこないのだが、加奈子はそれを言わずにずっと溜め込みつつも待っていたのだろう。


そして同時に真の黒幕の存在を知っていたのか、一人で挑みに行ったんだと思いあえて何も言わずに自分は信じて待ったんだと思うと自分たちの行動力のなさを痛感した。


そのせいで加奈子は奇襲をくらい戦線離脱する事になった、だからこそ後輩である自分たちでけじめをつけようと決心したのだった。


「ここだね…」


「Yes…ここが入口デス」


「前の時よりも禍々しいですね…」


「近づくだけで恐怖がよぎったよ…」


「でも…私たちは戦うって決めたんだもん。逃げたら加奈子先輩に申し訳がないよ…。私…先に行くね」


「あかり…。芸能界の先輩である私たちが後れを取っちゃったわね…。リーダーとして負けてられないわ!」


「大好きなアイツのためにも…こんなところで怯んでられないや!行くぞ!」


「不安でも…怖くても…夢を失い生きるための感情を失うくらいなら…戦って守り抜きます…!」


「あの野郎をぶっ潰して加奈子先輩の無念を晴らしてやる!」


「アタシらの未来をあんな奴にぶっ潰されてたまるかっての!」


「夢を持ち未来に進むことがどれだけ素晴らしいかを見せつけてやるデース!」


「萌仁香だって叶えたい夢があるんだから!あいつに絶対ギャフンと言わせてやるんだから!」


「みんな!」


「うん!」


こうしてミューズナイツは加奈子を除いて全員でユメミール王国の入り口に入り戦う決意を叫ぶ。


全員戦う意思を強く持って向かった先には、まだ無気力状態の王国民の姿があった。


前にここに来た時はもっと重症だったけど少しずつ回復しつつある。


あかりたちは闇雲に進んでも仕方がないと判断し一度城に行くことにした。


城に着くとまだ荒廃しているものの、ある程度兵士たちは動けるようになっていて回復の兆しが見えてきた。


玉座に着くといつもの見慣れた人たちが二人いた。


「みんな!来てくれたんだね!」


「久しぶりね…ミューズナイツのみんな!」


「秋山プロデューサー!ヴィオラさん!」


「やっぱりここにいたんだ!」


「でもどうしてここにいるんですか…?」


「それよりも…秋山プロデューサーこんなに引き締まってましたっけ?」


「ああ…君たちが戦っているのに謹慎処分のまま何も出来ないのが悔しくってね。それでこっそり大島さんが通っているジムの会員になり肉体改造をしたんだ。君たちがルシファーーナに宣戦布告される前に戦えるようにね」


「なるほど…」


「それでなぜここにいるかなんだけど…ヴィオラから伝説の初代ミューズナイツの事を聞いてね。君たちがここに来てもいい様に準備していたんだ。かつて初代ミューズナイツが眠っていたベッドだ。九人分あるけど加奈子はどうしたんだい?」


「それが…」


あかりたちは加奈子がいない事を心配した秋山夫婦に質問され、どう答えていいか困惑する。


それでも現状を報告するのがSBY48のルールで、怖がりつつも勇気を出してあかりが説明する。


すると秋山プロデューサーの表情が曇り、ヴィオラに至っては涙を流してしまった。


「そんな…あの子がまさか…!」


「何てことだ…そうなる事に気付いていれば僕は…!」


「加奈子先輩を守れなくて申し訳ありませんでした…!」


「いいの…あの子はみんなを庇うためにした事ですもの…。責めても何も始まらないわ…。さぁミューズナイツの皆さん…夢の国に向かう準備はいいかしら?」


「はい!」


「ではこのベッドで眠りにつくんだ。そうすれば初代ミューズナイツに会えるかもしれない。かつて加奈子もこの試練に参加し突破していったんだ。君たちなら出来る。頑張ってくれ」


「はい!では…おやすみなさい」


こうしてあかりたちはベッドで眠りにつき、初代ミューズナイツに会いに行く。


なかなか寝付けない子もいれば、すぐに寝付いた子もいてここでも個性が出てくる。


一時間後には寝付きが悪い日菜子とひかり、そして萌仁香がようやく眠り全員快眠状態になる。


あかりたちは試練を突破できるのか…


つづく!

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