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第63話 光速のエウテル

日菜子はなかなか寝付けない中で、よく眠れるようにストレッチをする。


そして大好きな彼の事を思い浮かべると照れて寝づらいので、あえて何も考えないようにする。


するとストレッチで体が火照っていき徐々に眠くなっていった。


日菜子は夢の中に入ると、そこには広い果樹園が広がっていた。


木にはリンゴやオレンジ、ぶどう、もも、そしてナシが生えていて今にも食べられそうで食べたくて仕方がなかった。


「うう…夢の中とはいえお腹がすいたな…。あの果物食べられないかな…?しかしここはどこなんだろう?夢の中なんだろうけど誰が私を鍛えるんだろう…?まぁいいや、歩いていこう」


日菜子は考えるより歩いてみる事にした。


この果樹園はたくさんの果物があり食いしん坊の日菜子には耐えるので精いっぱいだ。


歩き続ける事数分でもう空腹に耐えきれずに果物に手を出した。


「モグモグ…これ美味しい!あ、ヤバい!止まらないや!」


「おっ!いい食べっぷりだね!この国の果物は美味しいよね!」


「んっ…!ゴホッゴホッ…!」


「あっ…ビックリしちゃった?ごめんね!」


「ん…水…!」


「はい!飲みかけだけど!」


「んぐっ…んぐっ…ぷはぁっ!水をありがとう!それで…あなたは誰ですか?」


「私?私はエウテル。あなたは?」


「篠田日菜子です。あなたはもしかして…初代ミューズナイツのエウテルさん!?」


「あー…ミューズナイツももう後世に伝わってるんだ。あなたが何代目かはわかんないけど私がいた頃よりもヤバいって感じかな?」


「えっと…はい!そうなんです!ルシファーナという悪夢の女帝が水面下から現れて人間界が大変なんです!」


「人間界にも…!?もしもこのままにしたら人間たちは未来を諦めまた原始的な暮らしをしちゃうよ!それであなたは…ただ私に会いに来たわけじゃなさそうだね?」


「はい!エウテルさん!私を鍛えてもらえますか?」


「鍛えるか…私もついにそういう立場になったんだ。えーっとね…日菜子は何かを続ける時って楽しいって思えたことある?」


「え…?何かを続けるかぁ…。うーん…やっぱり大好きな幼なじみと野球観戦したり、アイドル鑑賞して一緒に歌ったりするのは楽しいなって思う。でも…楽しいだけじゃダメなんだよ。実力がついて来ると評価が厳しくなったり、楽しむ暇がなくなったりするからね。いくら楽しんでいても、いつかは壁に当たってしまう。だからこそ苦しくても努力して頑張らないと…」


「なるほどねぇ。確かに厳しい事もあるし楽しむだけじゃ夢なんて叶わないよ。技術と努力、そして継続力に精神力がないといくら叶ったところでガタが来てしまう。それは正しい事だよ」


「やっぱりそうですよね…。楽しいだけじゃ夢はかなわないんです…」


「でも待って。楽しむことってそんなにいけない事かな?辛いのを楽しむって一言で言っても辛い事を我慢して楽しめってことじゃないと私は思うんだ。辛い事もあってどんなにやめたいと思っても…こんなの意味があるかわからないとなっても…目標があるってこと自体を楽しめば苦しい事や理不尽な事も経験値として得て乗り越える楽しさを感じると思うんだ。我慢してでも楽しまなきゃって使命感なんかじゃなくて、その先には楽しみがあるからそれを信じようって思う事で夢に向かって頑張る事を楽しめるんじゃないかなって思うんだ」


「エウテルさん…!」


「何より楽しくなければ、辛くても続ける事なんて出来ないって思う。勝利や利益ばかり求めると、目先の楽しみはあっても結局負ける不安にやられちゃうんだよ。でも…楽しむって言ってもこれだけは絶対にしてほしくないものがあるよ」


「何でしょうか?」


「自分だけ楽しんで他の人をつまらなくすることだよ。そうすると他の人の楽しみを奪ってしまうし、好きだったものを嫌いにさせてしまう事もある。せっかく新しい人が来たのに自分勝手な楽しみで追い出すのも何だか酷いと思うでしょ?自分だけでなくみんなで楽しむ、または誰も不幸にせず自分だけ楽しむのが何かを続けるコツだと思う」


「なるほど…!確かに同じ自己満足の楽しさでも全然違いますね!」


「わかってくれたみたいだね!でも…それだけではあいつに勝てないよ。それなりの技術がなければ叶う事すらできないからね。私と戦闘してみない?」


「エウテルさんと戦うんですか…?やっぱり教えてくれてる割には簡単すぎるって感じてた…。戦わせてください!」


「私はこん棒使いだからあなたと同じだよ。ちょうどアクムーンモンスターがこの世界に来たか…!どっちがたくさん倒し撤退させるか勝負だよ!」


「望むところです!いくぞ!」


夢の国にまでアクムーン帝国のダークネスパワーが侵攻し、このまま浸食されれば人々は夢を見る事が出来なくなってしまう。


日菜子とエウテルはこん棒とメイスを持って参戦する。


エウテルのこん棒はまだ時代を感じる木製のもので、日菜子のメイスはそのこん棒の進化版になる。


それでもエウテルは圧倒的ドリームパワーで日菜子を圧倒する討伐数を誇った。


「すごい…世の中にはまだそんな人がいるんだ…!」


「どうしたの?手が止まっているよ!それとも私の実力でもうやる気なくしちゃった?」


「この人に勝てば…世界は救われるんだ…!私だって出来るはず…!いくぞ!やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「うっ…!何このスピード…?」


「智也…大好き!あなたの世界を絶対に守る!そして…いっぱいデートして大好きをもっと伝えるんだっ!クラブクラッシュ…ヴィヴァーチェ!」


「きゃあっ…!」


日菜子の渾身の一撃がエウテルごと魔物に命中し魔物を完全に全滅させる。


日菜子の顔には未来への想像により、これまでにない笑顔で溢れていた。


おかげで無駄な力がなくなり、素早く必殺技を放つほどリラックス状態になり、エウテルはあまりの笑顔にフフッと微笑んでこう言った。


「なーんだ。私より楽しむ秘訣をもう会得してるじゃん。どう?未来のために頑張るのって結構楽しいでしょ?進化している自分を想像して動くって気持ちいでしょ?」


「はい…!おかげでポジティブシンキングが出来るようになりました!」


「ネガティブなのは悪い事じゃないけど、ポジティブになれば体の力がスッと抜けていつも以上のパワーを発揮するんだよ。そして足取りも軽くなりフットワークもよくなる。もし落ち込みそうになったら成功した自分を思い浮かべてみて?ただの妄想だって言われるかもしれないけど、想像するのなんて個人の自由だもん。想像出来たから人間は進化したんだよ。もうすぐあなたは起きる頃か…もっと果物を食べながら会話したかったけどあなたには使命がある。それに私はもうこの世にはいないんだ。私が守れなかった未来をあなたに託すよ。じゃあ…また夢の世界で会おうね!」


「もちろんです!エウテルさんの分まで頑張ります!」


こうして日菜子は夢の国で夢を叶えるためにはまず何事も楽しむことだと学び現実世界へ起床する。


その心はポカポカと温かくどんなことが起きても楽しんで乗り越えられそうな気がした。


日菜子はこうして試練を突破した。


つづく!

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