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第61話 限られた命

虹ケ丘エンターテイメントの新星だった白銀雪子の悲報を聞いたあかりたちは正式に追悼のコメントを送りアルコバレーノの気持ちを慰める。


それでもミューズナイツはおろか、SBY48としての仕事も数多くありそれをこなさなければならない。


あかりたちは気持ちを切り替えて仕事に励み、秋のSBY48のドームツアーに控えた。


「今日はこの辺にしよう!みんなお疲れ様!」


「お疲れ様でした!」


「やっぱり今日もハードだったー…」


「もうすぐグループのドームツアーだもの」


「札幌、名古屋、大阪、福岡、そしてゴールの東京…。私たちに出来る事は全部やったから大丈夫だよね?」


「大丈夫っしょ!私たちSBY48は王者の誇りがあるんだもん!」


「それに…あの子たちもここまで頑張ってるしね!」


「あかり、さっきのステップだけど…いいかしら?」


「うん、いいよ」


「ここのターンはひかりらしくダイナミックにするといいデス」


「エマもエアギターをもっと激しさよりも、イギリスらしいロック感を出すといいぜ」


「麻友美はもう少し笑顔を意識した方がいいかもねー」


「そういう麻里奈も体幹トレーニングをステップアップしたら?」


「そんな日菜子さんはちょっと動きすぎな気がします…」


「先輩方、少しいいですか?」


「何かな?」


「萌仁香が気になったところがあるんですけど…萌仁香の目線が別の方向になっててどうすればいいか…」


「その場合はあえて意識しないでしてみたら?萌仁香は集中力が強すぎて疲れてしまうと思うんだ」


「あ、ありがとうございます…」


「ミューズナイツのみんなはストイックだなぁ…」


「私たちのグループもどこかで自主レッスンしよ…」


ミューズナイツのストイックさに感化された他のメンバーは、自分たちももっと頑張ろうと思うようになり、居残りこそしなかったものの各自で自主レッスンに励む。


10月から次の紅白の近くまでドーム公演するのでみんなが張り切るのも無理はなかった。


アイドルサマーライブも終えてひと段落ではないこの大手グループは世界中、とくにアジアで人気もあるので休んでなんていられないのだ。


だがしかしミューズナイツにとって衝撃的なニュースがまた飛び込んできた。


「みんな!白銀雪子さんが生き返ったって!」


「何ですって…!?」


「それ本当なの日菜子ちゃん!?」


「ほら!灰崎記者の記事!」


「えーっと…白銀雪子は奇跡的な生還を果たし臨死体験をした…。証言によると母と再会し、歌声もより磨かれて病院内で歌ったら氷のソプラノ姫から細氷の歌姫へと変貌する…ですか」


「亡くなってライバルが減ったと思ってたけどより手強くなってきたんだ…超面白いじゃんか!」


「燃えてきたぜ!ライブを絶対成功させてやろうぜ!」


「お見舞いは一人ずつにしましょう。あんまり大勢で行くと白銀さんも困惑するから」


「そうだね。白銀さんは心臓病が完治したわけじゃ…」


「待ってください!まだ続きがあります…。白銀雪子は持病だった心臓病も完治したことで完全に克服し、歌声に磨きがかかったのは余命への焦りがなくなったともいわれている…。そして退院してすぐに滝川留美によって声楽の国際コンクール出場の推薦が出されドイツへ旅立つか…?もう世界へ旅立つんですね…!」


「萌仁香たちより早いとか…生意気なんだから…!」


「よかった…!本当によかった…!」


「この限られた命の中で私たちはアイドルをやっている。そのためにはこのドームツアーライブを成功させてSBY48の誇りを持って歴史に名を刻もう」


「加奈子先輩…!」


「さぁもうすぐ札幌ドームだよ。気を引き締めていこう!」


「はい!」


こうして札幌ドーム、福岡ドーム、大阪ドーム、名古屋ドームのライブを成功させ残るは東京ドームのみとなる。


しかし東京ドームライブ当日の天気は生憎の曇りで、いつ雷が鳴ってもおかしくなかった。


それでもライブは決行され選抜の48人が集まって円陣を組む。


「ついにきたね…SBY48ワンマンドームツアーライブファイナル。私たちがここまで積み上げてきた歴史をさらに積み上げて最高のライブにしよう!」


「はい!」


「たまにはリーダーである私以外に…センターに任命した前田あかりさんにコール&レスポンスを仕切ってもらおうかな」


「やっぱりですか…?それじゃあ…最高のライブにしてファンのみんなを楽しませよう!SBY!」


「48!」


あかりの掛け声で心を一つにさせ最初の全員でパフォーマンスする曲で出だしに成功する。


MCは神7のみが許されているので加奈子と萌仁香は今回はMCなしで、とくにあの秋山加奈子が神7から陥落したことが噂になり革命起こした新人アイドルたちの晴れ舞台に期待されていた。


あかりももう素人ではなくなり、だんだん現場慣れしたもののまだメモを持っていて初心を忘れないようにしていた。


全員のパフォーマンスを終えると、それぞれが所属している個人グループ部門になり、ミューズナイツ以外のミニグループのパフォーマンスが行われる。


あかりが研修生時代にお世話になった先輩方も、別のグループで活動していて、もうプロになったんだとより自覚を持った。


結衣があかりの背中をポンッと叩いて鼓舞させると、あかりはうんと頷きみんなを見て安心する。


そしてついにミューズナイツの出番がやってきた。


「私たち…」


「ミューズナイツです!」


「みんなも知っての通りアクムーン帝国との戦いを終えて今こうして平和な時を過ごせて、私たちは幸せです!諦めずに戦えたのも皆さんのおかげです!本当にありがとう!」


「皆さんの応援がなかったら、エマたちの夢も叶わず未来を捨てきっと廃人になっていたと思いマス。でも…未来を捨てたら明日がなくなり、希望も消えてしまいマス。だからこそ感謝デース!」


「本来は私一人のはずだったけど…みんなが私のために一緒になってくれて嬉しかった!センターこそ譲っちゃったけどかけがえのない仲間であることには変わりません!それに…まだ戦いは終わってないけどそれでも勝ちます!応援よろしくお願いします!最後の曲いく前に…皆さんは早く東京ドームから離れてください!さっきからものすごいダークネスパワーが…」


「萌仁香ちゃん!後ろ!」


「え…?きゃあぁぁぁぁぁぁっ…!」


「危ないっ!うわぁぁぁぁぁっ…!」


「加奈子先輩っ!」


「遅かった…!」


「高飛車財閥以来だな。しかしその中からユメミール王国の王女がまさかここにいたとはな…。女王の血を感じてきてみればまさか忌々しいミューズナイツだとは…」


「その声はまさか…!」


「ルシファーナ!どうしてここが…」


「貴様らほどのドリームパワーを探すのに時間など不要だ。見つけることなど容易い事だ。しかし王族の血を探すのにはさすがに苦労したぞ。だが王女は殺し損ねたが気を失いもはや戦える状態にあるまい。ユメミール王国は確かにアクムーン帝国が牛耳り貴様らが倒してから解放されたが…奴らがいなくなったところで陰で命令をしていた私を仕留め損ねたようだな。これでやつらのダークネスパワーと魂を引き換えに私は回復とパワーアップを果たしたのだ。ミューズナイツに告ぐ。ここでは代々木公園だったな…そこにもう一度ユメミール王国への扉を用意した。ここの暦では1月と言ったな。その月末までに訪れなければ全人類のドリームパワーを奪いは完全に廃人と化させることに成功する。私を倒したくばそこに来るといい。ではさらばだ…」


突然ルシファーナが現れ東京ドームは大騒ぎになる。


あまりの状況に会場はパニックに陥りファンのみんなは一斉に外へ逃げ出した。


さらに加奈子も先ほどの雷に直撃して気を失い戦闘不能になる。


運営の判断でSBY48のライブは中止になり最悪の幕切れとなった。


つづく!

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