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財閥家の御曹司と冷めた契約結婚から始まる激愛の夫婦生活  作者: 境屋 ロマン


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006話 新居での生活の始まり

この作品を選んで、お読み頂きありがとう御座います。

誤字脱字があると思いますが、出来れば誤字報告して頂ければ幸いです。

この物語はフェイクションです。

物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れを含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 ゴールデンウィークも終わり麻布台の新居での日常を迎えて、美玲が出勤する為に何時もの様に地味な装いに身支度を整え伊逹の黒縁眼鏡を掛けると、敬がその容姿を見てほくそ笑む。


「うん、普段の美玲は美人だけど、地味な格好も意外と可愛いな」


「何をバカな事を言っているの、敬って本当に嫁贔屓が過ぎるんじゃないの」


「うん、それは否定しないがな、まぁ、悪い虫が付かなければそれで良いけどな、ところで首筋に赤くなっているのが丸見えだぞ」


「もう、敬が昨晩念入りに態(わざ)と沢山キスマークを付けたのでしょ、もう隠す必要がないから見られても平気だけど」


「あぁ、会社の男どもに見せ付けると良いぞ、美玲は俺のものだとな、それじゃ行くか会社まで送るよ」


「えッ、でも遠回りになるから悪いわよ言っても聞き入れないのかしら」


「まぁな、ただ帰りは迎えに行けるか分からないからな、まだ後始末が残っているからな」


「うん、でも大丈夫なのだいぶニュースになってるけど、株価も下がっているんでしょう」


「あぁ、まぁ、その辺は来週の株主総会までには何とかするさ、株価の下落も一時的なものだ気にする必要は無い」

敬は午後の3時から代表取締役社長として記者会見を開き、今後の経営方針を発表する予定になっていた。


敬は美玲と一緒に黒塗りの社用車に乗って新居から出掛けて行き、美玲を品川に本社がある榊商事まで送り、それからタブレットで今日の記者会見で発表する経営方針についての最終確認を行った。


美玲はマーケティング企画部のオフィスに着くとデスクの椅子に座り、直ぐにパソコンの電源を入れて作成中の企画書の画面を開き、それから資料をデスクの引出しから出してデスクの上に置いて読み込む。


美玲が資料を読み始めてから20分程経った頃に隣の席に玲が缶コーヒを持って出社して来て、美玲の首元をチェックしてクスクスと笑い挨拶をする。


「うふふ、お早う美玲、随分と堂々と首筋に付いているキスマークを見せ付けているのね」


「うっん、お早う、玲、何よもう知ってるくせに敬からメールでも来たの、出勤早々に私の首筋をジロジロ見て、さぁ、玲も調べものを手伝ってよね」

美玲は玲に怒るのも諦めて、軽く文句を言うだけに留めた。


「うふふ、はいはい、お仕事を始めましょうね」

玲は美玲の頬が赤く染まるのを見て、満面な笑顔で応じる。


美玲と玲はそれから真面目に新しい企画書の作成の為に集中する様になり、お互いに資料を見て分析したデーターをパソコンに入力して行く。


昼休みの直前に美玲の内線電話が鳴り、内線電話に出ると1階の受付嬢からで、『親会社の監査室長の榊千賀子様がお待ちしておりますので受付までお越し下さい』との事だった。


「はい、今すぐ行きます。玲、敬のお母様が1階の受付で待ってるから直ぐに行くわね」

美玲は義母でる千賀子の来訪に驚き、隣の玲に義母の千賀子が来た事を伝える。


「あら、そうなの、行ってらしゃい。首筋のキスマークを見せ付ければ大丈夫よ」

玲は冷やかし半分でニヤニヤしながら美玲に冗談を言って見送る。


「もう、玲のバカ、行ってくるわ」

美玲は玲の冷やかしに頬を赤く染めて、直ぐにエレベーターホールへ向かう。


美玲が1階に降りると受付カウンターの傍に紺のビジネススーツにタイトスカートを着て凛とした姿の千賀子が待っていた。


「お母様、お待ちどうさまでした」

美玲は緊張した面持ちで義母の千賀子に挨拶をする。


「うふふ、お久しぶりね美玲さん。それじゃ一緒に昼食を食べに行きましょうか」

千賀子は地味な容姿の美玲の首筋に赤い痣を見て思わず笑顔になり、優しく美玲を昼食に誘う。


「あっ、はい、分かりました」

美玲は緊張したまま返事をして、千賀子の後を付いて行く。


千賀子は美玲と2人で黒塗りの社用車の後方の座席に乗って近くの日本料理屋の前で行くと、社用車が停車してそこで千賀子と共に降りて日本料理屋に入ると個室に入り向かい合わせで座る。


「いらっしゃいませ、ご注文をお受け致します」

着物を着た店員が直ぐに応対しに来た。


「松定食を二つお願いね」

千賀子はメニューを見ずに店員に注文をすると、直ぐに店員は注文書に記入して厨房へ向かった。


「うふふ、敬とは同居した様ね、その様子だと孫が見れるのも近いのかしら」


「えっ、あっ、はい、敬さんがその毎晩の様に頑張ってくれてます」

美玲は頬をピンク色に染めて慌てて首筋に付いたキスマークを右手で隠して、夜の夫婦生活の事を報告する。


「もう、そんなに緊張しなくても良いわよ、もう少し私にも慣れて貰わないとね、それにしては会社に行く時は地味な格好をしているのね」


「はい、地味な格好をした方が男性から絡まれずに済みますので精神的に楽なんです。敬さんもそれで良いと言ってくれました」


「そう、あの子も独占欲が強いものね。それで美鈴さんには近いうちに私の下に来てもらう事になるわ」


「えっ、それは私が親会社の監査室に移動すると言う事ですか」


「そう、これも榊家の伝統みたいなものね、夫の社長を支える為に会社内部を監視して夫に助言をするのよ、美玲さんとっても遣り甲斐があるお仕事だと思うけど」


「はい、分かりました」

美玲は千賀子の目を見て真面目に返事をする。


その後は松定食を食べながら美玲は千賀子から現在の監査室の詳細を聞き、圭司の利益相反の件で解明する為に秘かに監査室の人員が増やし、人材を確保してきた事や今後の活動内容を教えて貰った。


美玲は千賀子との昼食を終えて会社まで送って貰い別れてから、千賀子の印象がだいぶ変わり、新年会で会った時は取っ付き辛い厳しい姑だと思ったけど、初めて2人切りで話すと意外と気さくな方だと感じた。



 敬は社長室に着くと直ぐに記者会見に発表する改革案にサインをして承認すると、直ぐに秘書室長の中村に榊建設の代表取締役の選任の件と6年前に起きた横浜臨海プロジェクトでの落下事故についての再調査をする様に命じた。


午前中に取締役会を開き記者会見で発表する改革案についての意見を聞き、取締役会もこの改革案を満場一致で承認された。


敬は午後3時に行われた記者会見で専務取締役・榊圭司が引き起こした重大な利益相反について深くお詫びし、引続き監査を続行し完全に膿を出し切ると宣言をした。


再発防止のために利益相反の疑いが生じた際には徹底した監査を行い、その為に監査部門の独立性と組織の強化を実施し、更に外部監査との連携を強化すると発表する。


それに加えてコンプライアンス部門を設置し、上司からの不当な扱いや不明瞭な取引を発見した際には匿名で告発が出来るようにすると発表した。


敬の記者会見後には株価の下落が止まり、緩やかではあるが株価が上向き傾向に転じて、今回の改革案を発表した事で一応の決着を付いたと株式市場からの評価を得た。



 美玲は仕事が終わった後に玲と二人で馴染みのお洒落な居酒屋に寄って、軽くジョッキーのビールとお摘みを注文して乾杯をする。


「「乾杯」」


「ところで敬兄さんとは毎晩の様に励んでいるの」


「うっぷ、ゴッホン・・、チョッと玲、随分とストレートな聞き方をするのね、えぇ、そうよ、軽井沢の別荘に泊まった晩から獣の様だわ、玲は如何なのよ、彼と軽井沢の別荘に泊まりに行ったのでしょ」


「私はそれなりよ、流石に避妊しないとね、結婚前に妊娠したら世間体が悪いから、それで千賀子叔母様とはどうだったの」


「うん、初めて二人切りで話したけど、意外と気さくな方だと思ったの、何だか新年会で会った時とは印象が180度変わったわね、それで近いうちにお母様の下に移動になるみたい」


「やっぱりそうなるのね、美玲も立派に榊家の嫁に認められたと言う事ね。私も美玲が移動したら監査室に行くわね」


美玲は玲から榊家の嫁になる事が、どんな事なのか玲が知る範囲で教えてもらい、今度時間が合ったら義母の千賀子とゆっくり話をしたいと思った。

お読み頂き、ありがとう御座います。

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