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財閥家の御曹司と冷めた契約結婚から始まる激愛の夫婦生活  作者: 境屋 ロマン


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8/8

007話 親会社の監査部に移動の辞令が出る

この作品を選んで、お読み頂きありがとう御座います。

誤字脱字があると思いますが、出来れば誤字報告して頂ければ幸いです。

この物語はフェイクションです。

物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れを含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 新居に敬と一緒に暮らし始めて1週間が経ち此処での生活にも慣れてきて、敬は相変わらず仕事が忙しいですが私とお婆ちゃんには優しく接してくれてますが、夜になると相変わらず獣に変貌して抱かれてます。


それにお婆ちゃんも此処での生活に慣れたみたいで笑顔が以前よりも増えた様ですし、庭にある菜園で野菜作り始めたお陰でしょうか凄く元気です。


 そんな平穏な生活を送っていた美玲でしたが、何時もの様に会社に出社すると始業時間と同時に内線電話が鳴り、電話に出ると社長室に呼ばれました。


美玲は社長室に行く間に愈々親会社の監査室に移動の辞令が出たのかと思い、気を引き締めて社長室のドアをノックしました。


「はい、どうぞ」

社長の佐々木啓介が返事をする。


「失礼します。岬美玲です」


「うん、岬君、親会社から辞令が出ています。来週から親会社に出社する様にお願いします」

佐々木社長は親会社から届いた辞令を美玲に丁寧に手渡す。


「はい、謹んで拝領致します」

美玲は気を引き締めて、一礼しながら両手で辞令を受取る。


「うん、まぁ、此処からは私人としてたが、玲と仲良くして貰って有難う、親会社に行っても玲との交流を続けてくれるかな」


「はい、勿論です。玲も私が親会社の監査室に移動になったら、監査室に移動すると言ってましたが、如何なんでしょうか」


「あぁ、そうだな、今岬君と進めている企画書が一段落してから移動する事になるだろな」


「はい、分かりました。それではこれで失礼します」

美玲は背筋を伸ばして一礼をして社長室から退室する。


「うん、岬君も親会社に行っても頑張る様に」

佐々木社長は笑顔で美玲を見送った。


美玲はマーケティング企画部のオフィスに戻り席に着くと、玲に辞令を見せると玲が少し淋しさうな表情を浮かべる。


「本当に辞令が来たね、うっ、美玲か居なくなるとやっぱり淋しいよ」


「私も玲と別れるのが淋しいけど、玲も監査室へ移動になれば仕事で会う機会もあるし、休日に会う事も出来るわよ、それに家に遊びに来ても良いしね、玲だったら敬も歓迎するわ」


「うふふ、それもそうね、デートのない休日に美玲の家に遊びに行っても良いものね」


「うん、とにかく私がいる間に出来るだけ企画書を進めましょ」


「そうね、今週中に仕上げる心算で頑張るわよ」


美玲は玲と2人で今進めている企画書の作成に没頭して、美玲がいる今週末まで後3日となり僅かな時間で終わらせる為に気合いを入れて残業することになる。


残業して退社すると迎えに来た敬が美玲を見て、余り浮かない表情をしていたので、美玲が助手席に座り敬の浮かない表情見て文句を言う。


「だって、しょうがないでしょう、来週から親会社に出勤する事になるんだから」


「そうか、来週からか、それならしょうがないな、うん、まぁ、玲にも淋しい思いをさせるからな我慢しよう」

敬は美玲と来週から一緒に出勤できると聞かされて、浮かない表情から口元が緩み機嫌がよくなる。


「うん、もう敬ったら、私と一緒に出勤できるのが、そんなに嬉しいの」


「あぁ、愛妻とずっと一緒に居られるだぞ、こんな嬉しい事はないだろう」


「ちょっと敬、間違っても私のデスクを社長室に置かないでよ、お義母様の下でお仕事するのだから、くれぐれも変な気を起こさないでね、貴方の評判が地に落ちるわよ」


「何で分かった。以心伝心しているのか」


「だって顔に書いてあるわよ、それだけは絶対に止めてね、でも流石にお義母様が止めるとは思うけど」


「まぁ、その辺は母さんと交渉しよう」

敬は顔がニヤケながら走り出して気分は来週から美玲と一緒に仕事が出来ると思うと心が浮きだつ。


 美玲は最後の出勤する週末の金曜日に敬に送迎されてシルバーの高級セダンから降りると気を引き締めて榊商事のビルを暫らく眺めて、それから噛締める思いでゆっくりと歩き自動ドアが開いて中に入る。


マーケティング企画部のオフィスに入り、自分の席に着くと何時もの様にパソコンの電源を入れると、玲も何時もより早めに来て同じ様にパソコンの電源を入れて企画書の作成に取り掛かる。


「お早う、美玲」


「お早う、玲、始めましょうか」


「うん、そうね」


美玲と玲はお互いに淋しい感情を抑えて、始業時間前から2人で始めた企画も最終段階まで仕上げて来たのでラストスパートを掛けて企画書の作成に取り掛かる。


午前中には企画書の作成もほぼ終わり、この会社の社員食堂で玲と一緒に食べる最後の時を噛締めながらAランチを2人で頂く。


「斯うして美玲と昼食をこの食堂で食べるのが最後になるのね」


「うん、そうね、でも今生の別れでもないだから、そんなに淋しそうにしないでよ」


「そうなんだけど、でもそれでも淋しいものはしょうがないじゃない、大学時代からの付合いなのよ」


「うん、そうよね・・・・」


美玲と玲はお互いに別れを惜しみながら、瞳に薄らと涙を溜めてAランチを食べ続ける。


但し昼食を食べ終わりオフィスに戻ると気合いを入れ直し、仕上げた企画書を見直して間違いがない事を確認してから午後4時に2人で岩崎部長の部屋に行き提出する。


「うん、中々良い企画書ね、今度の企画会議に出して見るわね、ところで岬さんは今日が最後ね、お疲れ様、でも岬さんが親会社の榊社長の奥様とさっき佐々木社長から聞かされた時は流石に驚いたわよ」


「そうですか、3年前に榊社長と契約結婚した時は秘密にすることが条件でしたから、つい先日その契約結婚が解消されて正式な妻に成ったものですから」


「契約結婚って、ふ~ん私みたいな庶民には分からない事情が合ったのね、それじゃ、岬さんも気苦労をしたのでしょうね」


「はい、それなりには今でもよく分かりませんけど、でも今は幸せです」


「そう、それじゃ、終業10分前に岬さんの事を事業部の皆に伝えるけど、榊社長の奥様である事も話しても良いかしら」


「はい、大丈夫です。もう隠す必要がないですから」


「そう、それじゃ、そう言う事で、玲さんもこれで監査室へ移動になるわね、その事も知らせるわね」


「「はい、お願い致します」」

美玲と玲は声を揃えて岩崎部長に返事をする。


美玲と玲はその後は岩崎部長の部屋から退室すると、そのまま倉庫に2人で行き段ボール箱を持って自分のデスクに戻ると、私物の整理を始めるとオフィスの中が騒がしくなる。


 終業10分前になると岩崎部長が来て、マーケティング企画部のオフィスに張りのある声で事業部の社員達に伝える。


「はい、これから終礼を始めます。全員起立して下さい。岬さん、佐々木さん此方に来て下さい」


「「はい」」

美玲と玲が声を揃えて返事をして岩崎部長の隣に立ち並ぶ。


「岩崎部長、私が変わりに皆に伝えよう」

敬が行き成り現れて、美玲の後に立つ。


「えっ、榊社長、何で此方にいらっしゃっていたのですか」

岩崎部長は突然現れた敬を見て後退りしながら目を見開き驚く。


マーケティング企画部のオフィス全体が突然の親会社の氷の貴公子と言われる若く榊社長の出現に驚きの声を上げる。


「うっん、静粛に、此処にいる岬美玲は私の妻だ。来週から榊コーポレーションの監査室に移動になる。玲は監査室に移動となるから諸君もこれからも精進する様に」


榊社長からの激励にオフィスにいる社員が一斉に『はい』と返事をすると敬は満足した表情をすると、美玲のデスクに行き私物が入った段ボール箱を持ち上げる。


「玲も一緒に来ると良い、荷物は休み明けでも良いだろう、3人で食事に行こう」


「えっ、敬兄さん、私も良いのなら一緒に行くわ」

玲は敬から食事の誘いを受けて喜んで誘いに乗る。


敬が美玲の私物が入った段ボール箱を持つと、美玲と玲の2人を連れてエレベーターホールへ向かうと、ちょうど終業を知らせるチャイムが鳴る。


マーケティング企画部のオフィスにいる全員がまるで信じられないものを見たような騒めきが起こり、岩崎部長も驚きの余り呼吸をするのを忘れていたのか急に噎せ返った。

お読み頂き、ありがとう御座います。

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