12.魔法習得
魔力循環をマスターした颯太は驚くべき早さで魔法を習得していった。特に身体強化魔法は空手をやっていた為か、すぐにマスターした。
「身体強化の魔法に関してはもう教えることはないな。では次に魔力を外に出して作用させる魔法だが、これには個々の魔法属性が関係してくる。それを調べたいんだが、マルコム準備はできているか」
「はい、こちらに」
そう言って、マルコムは水晶球を取り出した。
「この水晶球に手をかざすと色の付いた光が出る。基本は6属性だがアレクは7属性だった。多分、ソータも7属性だろう。かざしてみなさい」
セイガに言われた通り、水晶球に手をかざす。と白い光が眩いばかりに光った後、紅、緑、青、茶、黄、黒の光が交互に現れた。
「やはりアレクと同じだな。光属性が最も強い。と言うことは聖魔法も使えるな」
「基本6属性っていったのに7つも光ったのは何だ?」
「ああ、最初の白い光が凄く光ったろう?これは聖魔法と言ってもの凄く珍しいんだ。これは癒やしの光と言って体を修復できる作用がある。図書室に魔法関連の本が山ほどあるからそれを暗記するくらい読んでおいてくれ。ここからはお前の努力次第だ」
「分かったよ。だけどどうやって魔力を体の外に出すのかだけでも教えてよ」
「それはお前の想像力次第だ。俺からは教えられん。昔の人間は魔法陣なるもので魔法を出していたこともあったしな。とにかく魔法に関連した知識を詰め込め。それからだ」
そう言って図書室に追いやられた颯太は、早速魔法関連の本を読み始めた。
「いいんですか」
マルコムはそんな颯太を見ながらセイガに聞いた。
「本当ならシリウスにでも教授して貰いたいところだけど彼は今、手が離せない。それにエルに知られることを避けたいんだ。大丈夫、彼なら出来るさ。なんといってもアレクの息子なんだから」
そんな二人の視線を気にも留めず颯太は魔法の本に夢中になっていった。
館の地下の宝物庫に異変が起きていた。地下で眠っていたアレクの聖剣が光りを帯びだしたのだ。
そして遠く離れた失われた王国の旧首都ペレスの正教会において魔王の后となったエルは言い様のない不安に突如襲われた。
「何だろう、この気持ちは。もう何百年も感じたことのない気持ち・・・不安?もう私には恐れる物が無いというのに・・・何かが起こっているというの?」
正教会の尖塔から見えるペレスの街はいつも通り静かでそして暗く沈んでいた。




