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黄金の道 Ⅱ  作者: 長尾 時子


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11. 図書室

「なあ、セイガ、おかしくないか?」


魔力循環の練習をしている颯太が、突然セイガに聞いた。


「何がだ?」


「いや、前に住んでいた世界とこの世界は余りに違いすぎる。だけど、こうして言葉を交わしているのって変じゃね。もしかして、セイガ、日本語話てたりする?」


「日本語って何だ?」


「あー前の世界の言葉だよ。前の世界と同じ言葉をしゃべっているのが変と言ってるんだ。俺は日本語しゃべっているよな?あ い う え お・・そうだよな」


「私は神狼(フェンリル)だ。日本語とやらは分からないが意思疎通なら誰とでも出来る。それにお前もその器に入ったからには同じように意思疎通には困らないはずだ」


「そうなんだ。じゃあここを出たときも言葉には不自由しないんだな」


「そういうことだ」


「じゃあ、読み書きはどうなんだ?」


「心配か?それでは確かめに行こう。マルコム、案内を頼む」


丁度お茶の仕度をしに部屋に入って来たマルコムにセイガは図書室への案内を頼んだ。



案内された館の図書室は前世で見た図書館と遜色ない位の規模であった。渡り廊下で繋がった3階建ての建物で、1,2階は一般書籍、3階には魔法関連の書籍が納まっているという。颯太は入ってすぐ辺りを見渡しながら本の背表紙を見る。


「何だこれ・・・全然分からない文字が書いてある」


セイガは訳知り顔に頷き


「やはりそうか。丁度良い。本の表紙を開き、文章を出してみろ。そして指先に魔力を集めなぞってみろ」


颯太は言われた通り本の表紙を開き、セイガに言われた通り魔力循環で指先に魔力を集め、本に書いてある文章をなぞり始めた。すると不思議なことに書いてあることが変換されて頭に入ってきた。


「セイガ、すごいよ。何が書いてあるのか分かる」


「魔力循環のいい練習にもなるだろう?まあ出来れば文字も覚えた方が良いのだが・・。この世界で知りたい事があればここへくればいい。何が知りたいのかをそのゴーレムに言えば、必要な本を持って来てくれる」


そう言ってセイガは入り口にいたゴーレムを指した。


「本当?じゃあこの世界の地図を持って来て」


颯太が命令するとゴーレムは動き出し、暫くすると大きな羊皮紙と幾つかの本を持って来た。


「ええっと、大きな羊皮紙は古代の地図か。それとこの本は年代による各国の地図だな」


颯太はいろいろな地図に興味を示したようで、椅子に座って熱心に地図を見始めた。覚え立ての魔力循環が思わぬところで役に立って嬉しいようだ。


セイガとマルコムはそんな颯太を図書室に残し、静かに出て行った。



ーーー親父の育ったシュトラウス王国って凄く大きな国だったんだな。ああ、その隣にあるのが魔の森って言われるところか。新生ユークリッド王国はここか。でも今は無くなったっていうし・・


颯太の頭の中に、この世界の地図が徐々にインプットされていった。







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