表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢転生物語  作者: だいふく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/25

22話 悪役令嬢、テスト結果を確認する

前期末試験から数日後。

王立魔法学園の掲示板前には、多くの生徒が集まっていた。

理由は一つ、試験結果の発表である。

掲示板には成績表が貼り出され、生徒たちがそれを囲んで騒いでいる。

「見えない!押さないで!」

「俺の順位どこだ!?」

「やった!上がってる!」

そんな喧騒の中、ミレイユは少し離れた位置から掲示板を見ていた。

(……来ましたわね)

試験という名の戦争の結果発表。

正直なところ―—

(あまり見たくありませんわ……赤点があったら普通に怒られそうですし....)

だが逃げるわけにもいかないず、覚悟を決めて掲示板へ向かう。



まず目に入ったのは――

ノアとアンリの名前だった。順位は1位と2位。

「流石はアンリだね。まさかクラウスを抑えて2位になるとは」

1位であること驚きもしていないノアがアンリに視線を向ける。

「い、いえ.....今回はたまたま運が良くて...それに皆さんが勉強会を開いてくれたおかげです!」

(ここは原作通りですわ.....ということは2人の好感度が上がるはずなのだけど.....)

「流石アンリさん、すごいですわね!」

「えへへ……本当に、その、皆さんに教えてもらったおかげです!」

本人が少し照れくさそうに笑っていた。

「ノア様も流石です。実技も座学も両方でトップなんて、凄すぎますわ....」

ノアは柔らかい笑みを浮かべる。

「ありがとう、ミレイユ。君に褒めてもらえて嬉しいよ」

その表情は本当に嬉しそうだった。



続いてセシリア。こちらも当然のように上位。

「流石、セシリアですわね」

セシリアは落ち着いた笑みを浮かべる。

「ありがとうございます、ミレイユ様!皆さんとの勉強会のおかげですわ!」

隣ではルインも結果を見ていた。

「私もまあまあでした!」

順位は上の下程度。十分優秀だ。

(まあまあ.......ルイン、謙虚さとは時に人を傷つけるものですわよ....)



少し意外だったのはレオニードの結果だ。ルインとセシリアよりも上位であり、堂々の5位である。

「いや~、少し遊びすぎちゃったかな」

レオニードはいつものように軽い口調で掲示板を見つめている。

「遊びすぎと言っても、レオニード様。5位ですよ。凄いじゃありませんか」

「ノアが1位の手前、俺が5位だと格好がつかないでしょ。次はもう少し真面目にやるか~」

(そのノリで5位ですか.....そういえばレオニードだけ勉強会には来てませんでしたわね....地頭がいいの羨ましすぎますわ......)

「それにねミレイユ。男はカッコイイところを見せたい生き物なんだよ」

「はあ....そういうものなんですのね...」

(カッコイイところ.....これはもしかしてアンリに対してですの!?いつの間にそんなに仲良くなって....これは...動向に注意しなければ行けませんわね......)

そして、その少し上の3位にはクラウスの名前。

当然のように上位にいることにミレイユは思わず呟く。

「……でしょうね」

後ろから声がした。

「当然だ」

振り向くと本人が立っている。クラウスは腕を組んだまま言った。

「お前はどうだった」

(聞きますのね……)


ミレイユは視線を掲示板へ戻し、自分の名前を探す。

……あった....順位は真ん中より少し下。

だけど――

(赤点がない……!)

ミレイユの目が輝いた。

「やりましたわ……!」

アンリが振り向く。

「ミレイユ様?」

ミレイユは感動していた。

「赤点がありません!」

アンリが一瞬止まり、そして笑った。

「よかったです!」



ただし、一つだけ。教師のコメント欄にはこう書かれていた。

実技:非常に優秀

座学:努力を要する

(分かりやすすぎますわね……)

だが赤点は回避した。ミレイユにとっては、それだけで十分だった。



赤点回避に感動している最中、

「ミレイユ」

ノアは掲示板を見て言う。

「実技、かなり高いね」

「ありがとうございます」

「座学は?」

「……なんとか赤点は回避しましたわ!」

ノアは一瞬沈黙し、そして笑った。

「それは大きな進歩だ」

(褒められているのかどうか微妙ですわ……)



ノアはふと思い出したように言う。

「そうだ」

「ミレイユ、夏休みの予定は?」

(来ましたわね)

ミレイユは警戒した。

「特に決まっておりませんわ」

ノアは頷く。

「そしたら、別荘に来ないかい?」



ノアの別荘。湖のある避暑地。大自然。

(原作イベントの舞台ですわよね!?.....ただ...これも少し状況が違いますわ....ミレイユは無理やり付いていく.......少なくとも誘われることなんてなかったはずですわ.....)

ミレイユの脳内で警報が鳴る。

原作ゲームの夏休みイベント、つまり好感度イベント。

(フラグの宝庫ではありませんの……!これは回避する一択ですわ!!)

ミレイユは丁寧に微笑んだ。

「申し訳ありませんが――」

「皆も来るよ」

「え?」



ノアは指を折りながら言う。

「レオニード、クラウス、アンリ、セシリア、ルイン」

「全員誘ってあるよ」

(……はい?)

ミレイユの思考が止まった。攻略対象、ヒロイン、その他主要人物。

(フルメンバー!?完全に原作改変が起きてますわねこれ....)

「もう皆了承してるから、後はミレイユだけだね」

ノアは穏やかに言うが、逃げ道を断っているのは明らかだった。

ミレイユは消え入りそうな声で返事をする。

「....はい.....是非....私も参加させていただきますわ......」

ノアは満足そうに頷き、生徒会室へ戻っていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ