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悪役令嬢転生物語  作者: だいふく


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23/25

22話 悪役令嬢、テスト結果を確認する

前期末試験から数日後。

王立魔法学園の掲示板前には、多くの生徒が集まっていた。

理由は一つ、試験結果の発表である。

掲示板には成績表が貼り出され、生徒たちがそれを囲んで騒いでいる。

「見えない!押さないで!」

「俺の順位どこだ!?」

「やった!上がってる!」

そんな喧騒の中、ミレイユは少し離れた位置から掲示板を見ていた。

(……来ましたわね)

試験という名の戦争の結果発表。

正直なところ―—

(あまり見たくありませんわ……赤点があったら普通に怒られそうですし....)

だが逃げるわけにもいかないず、覚悟を決めて掲示板へ向かう。


◆


まず目に入ったのは――

ノアとアンリの名前だった。順位は1位と2位。

「流石はアンリだね。まさかクラウスを抑えて2位になるとは」

1位であること驚きもしていないノアがアンリに視線を向ける。

「い、いえ.....今回はたまたま運が良くて...それに皆さんが勉強会を開いてくれたおかげです!」

(ここは原作通りですわ.....ということは2人の好感度が上がるはずなのだけど.....)

「流石アンリさん、すごいですわね!」

「えへへ……本当に、その、皆さんに教えてもらったおかげです!」

本人が少し照れくさそうに笑っていた。

「ノア様も流石です。実技も座学も両方でトップなんて、凄すぎますわ....」

ノアは柔らかい笑みを浮かべる。

「ありがとう、ミレイユ。君に褒めてもらえて嬉しいよ」

その表情は本当に嬉しそうだった。


◆


続いてセシリア。こちらも当然のように上位。

「流石、セシリアですわね」

セシリアは落ち着いた笑みを浮かべる。

「ありがとうございます、ミレイユ様!皆さんとの勉強会のおかげですわ!」

隣ではルインも結果を見ていた。

「私もまあまあでした!」

順位は上の下程度。十分優秀だ。

(まあまあ.......ルイン、謙虚さとは時に人を傷つけるものですわよ....)


◆


少し意外だったのはレオニードの結果だ。ルインとセシリアよりも上位であり、堂々の5位である。

「いや~、少し遊びすぎちゃったかな」

レオニードはいつものように軽い口調で掲示板を見つめている。

「遊びすぎと言っても、レオニード様。5位ですよ。凄いじゃありませんか」

「ノアが1位の手前、俺が5位だと格好がつかないでしょ。次はもう少し真面目にやるか~」

(そのノリで5位ですか.....そういえばレオニードだけ勉強会には来てませんでしたわね....地頭がいいの羨ましすぎますわ......)

「それにねミレイユ。男はカッコイイところを見せたい生き物なんだよ」

「はあ....そういうものなんですのね...」

(カッコイイところ.....これはもしかしてアンリに対してですの!?いつの間にそんなに仲良くなって....これは...動向に注意しなければ行けませんわね......)

そして、その少し上の3位にはクラウスの名前。

当然のように上位にいることにミレイユは思わず呟く。

「……でしょうね」

後ろから声がした。

「当然だ」

振り向くと本人が立っている。クラウスは腕を組んだまま言った。

「お前はどうだった」

(聞きますのね……)


◆

ミレイユは視線を掲示板へ戻し、自分の名前を探す。

……あった....順位は真ん中より少し下。

だけど――

(赤点がない……!)

ミレイユの目が輝いた。

「やりましたわ……!」

アンリが振り向く。

「ミレイユ様?」

ミレイユは感動していた。

「赤点がありません!」

アンリが一瞬止まり、そして笑った。

「よかったです!」


◆


ただし、一つだけ。教師のコメント欄にはこう書かれていた。

実技:非常に優秀

座学:努力を要する

(分かりやすすぎますわね……)

だが赤点は回避した。ミレイユにとっては、それだけで十分だった。


◆


赤点回避に感動している最中、

「ミレイユ」

ノアは掲示板を見て言う。

「実技、かなり高いね」

「ありがとうございます」

「座学は?」

「……なんとか赤点は回避しましたわ!」

ノアは一瞬沈黙し、そして笑った。

「それは大きな進歩だ」

(褒められているのかどうか微妙ですわ……)


◆


ノアはふと思い出したように言う。

「そうだ」

「ミレイユ、夏休みの予定は?」

(来ましたわね)

ミレイユは警戒した。

「特に決まっておりませんわ」

ノアは頷く。

「そしたら、別荘に来ないかい?」


◆


ノアの別荘。湖のある避暑地。大自然。

(原作イベントの舞台ですわよね!?.....ただ...これも少し状況が違いますわ....ミレイユは無理やり付いていく.......少なくとも誘われることなんてなかったはずですわ.....)

ミレイユの脳内で警報が鳴る。

原作ゲームの夏休みイベント、つまり好感度イベント。

(フラグの宝庫ではありませんの……!これは回避する一択ですわ!!)

ミレイユは丁寧に微笑んだ。

「申し訳ありませんが――」

「皆も来るよ」

「え?」


◆


ノアは指を折りながら言う。

「レオニード、クラウス、アンリ、セシリア、ルイン」

「全員誘ってあるよ」

(……はい?)

ミレイユの思考が止まった。攻略対象、ヒロイン、その他主要人物。

(フルメンバー!?完全に原作改変が起きてますわねこれ....)

「もう皆了承してるから、後はミレイユだけだね」

ノアは穏やかに言うが、逃げ道を断っているのは明らかだった。

ミレイユは消え入りそうな声で返事をする。

「....はい.....是非....私も参加させていただきますわ......」

ノアは満足そうに頷き、生徒会室へ戻っていった。



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