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Review.6:決意。


――その日の夜。


オレは再び寺を訪れていた。

仲ジィが言った事の真偽(まぁ疑っている訳ではないが)を確かめる為である。

ウチにあるっ武器て言ったら、まずは親父の部屋の刀だな。

薄暗い闇の中、オレはこそこそと庫裏へと向かう。

この時間帯なら、親父は風呂に入っているはずだ。

潔癖症で長風呂好きなので、当分は上がってこないはずである。

長年の勘が幸いする。

庫裏の裏庭に回る。

夏だから暑いのだろう。

親父の部屋に空調は無い。

窓は開いているはずだ。

確認。

的中。

「ラッキー」

気分はもう〈007〉の称号を持つイギリスの某有名諜報部員である。

靴を脱ぎ、親父の部屋に侵入。

年季が入っている和室を見渡す。

――あった。

迷わずその刀を手に取る。

使い込まれたような鞘としっくりくるグリップ…じゃなくて柄巻。

確かにこいつなら、奴を切れるかもしれない。

「悪ぃ、親父。少し借りてく」

この場にいない父に礼を告げる。

オレは窓から外に出て、部屋を後にした―――


◇ ◇ ◇


辿り着いた鐘楼は、夜闇に浮かび上がっているように見えた。

もうそういうホラーチックな雰囲気出まくりである。

ブルリ、と背筋に悪寒が走る。

気味悪いな畜生。

更に昼間あった出来事を思い出し、恐怖感が上乗せされる。

「くそっ、何を怖がってるんだオレは…!」

己の頬をひっぱたく。

今まで何も出来なかった。

見て見ぬフリしか出来なかった。

それが今はどうにか出来るんじゃないか。

己の一部分が、オレに問いかけてくる。

何を恐れることがある?

奴等が――元は人であった哀れな奴等が怖いのか。

「……違う」

畢竟(ひっきょう)、今までのお前の悩みは偽善だったのか黙雷。

「違う!」

ならば目を背けるな。

お前のその中途な力が役に立つ時が来たのだ。

「解ってるよ、んな事は」

柄を握る手に力がこもる。

あぁ、やってやろうじゃないか。

先程の恐怖が戻ってくる前にオレは――おそらく、親父が貼ったのであろう沢山の札を引っ剥がして鐘楼の戸を開け放った。

邪気を孕んだ、異常なまでに冷たい空気が流れ出してくる。

「だけどさぁ…」

怖いもんは怖いだろうよ、普通。

自分が知らないモンを怖がるのは、ヒトとして当たり前じゃないのか?

無謀と勇気は違うものだぞ。

「と、ともかく」

行くぞ。

怖いけど、奴を助けてやるんだ。

この、醜い現世のしがらみから。


相反する二つの感情を胸に抱いてオレは、鐘楼の戸をくぐった――


黙雷出陣の巻。

彼は、とても良いやつですね(^^)

誰かのために何かを一生懸命になれるということは、

素晴らしいと思います(笑)

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