Review.4:回避。
今一度、冷めた奴を動かす。
模索。
――金縛りか?
まず手。
――動く。
なら足は?
――動く。
どうやら金縛りではないらしい。
それなら、オレたちを後ろに下がらせない幻術か。
確認。
――後退。
不可能。
――では、前進はどうだ。
いける。
幻術、確定。
「…親父、後ろに下がるな、前に行け。階段を上って二階に出るんだ」
戸口から出れないのなら、二階から飛び降りてでも逃げ出すしかない。
オレの一部分は、そう結論を出した。
痛くはないかだって?
何、化け物に捕まるよりはマシさ。
親父が階段に足をかける。
――と。
ナンビトタリトモ――ナニモワタサヌ――――
不気味な嗄れ声が、暗い室内に轟いた。
脊髄に入り込み、内側から震わせ凍らせるような。
これは、オレの声でも親父の声でも無い。
と、言う事はだ。
「っ、走れッ!」
遂に出やがった…!
結論。
幽霊は居る。
しかもやっぱ悪霊っぽい。
出る、出やがりますよ!
に、逃げるしかないでしょコレは!
親父を焚きつけ、家族の絆を度外視して我先にと階段を駆け上り、後先を
考えずに宙に身を投げた。
背中から、白砂利を敷き詰めた地面に落ちる。
「いってぇ…!」
数瞬おいて、親父も鐘楼ダイブを敢行した。
受け身を試みるがあえなく失敗。
ズバシャ!と派手な音を立てて無様に着地(と言うか墜落)。
「ふぐぉっ…!」
沈黙。
あちゃ、打ち所が悪かったか。
成仏しろよ?面倒だから。
「っう…勝手に、殺すな…!」
おぉ、生きてたのか。
いや、冗談だけどね。
「ぐぅ…そ、それより黙雷。今のは…やはり」
「あぁ。噂は本当らしいな。確実になんかヤバいのが居たぜ」
アレはかなり危険だ。
あそこまでのは初めて会う。
「どうするのだ?」
「オレにはどうにも出来ねぇよ。被害受けたくないなら、今すぐ鐘楼を封鎖して奴さんを閉じ込めるしかないな」
――そうだ。オレにはどうにも出来ない。
見れたり触れたりした所で奴等の感情が、真意が分かる訳じゃない。
だから、除霊なんて真似も出来ない。
所詮その程度の、中途半端な存在なのだオレは。
自分でも不甲斐ないと思う。
イジメを見て見ぬフリするのはイジメと同じ。
オレも、見えているのに何もしない。
同じだ。
オレは、オレは――――
「分かった。有り難う、黙雷」
っ!
……何で。
何でだよ。
何で、そんな顔して礼言ってんだ。
オレは何もしちゃいないじゃないか…!
「ちっ、もう行くから!何かあったら連絡しろよな!じゃあな!」
様々な感情が入り混じって混乱する。
むしゃくしゃして、このままでは親父に当たり散らかしかねないので、オレは早足でその場を後にした―――
黙雷、脳内思考の巻(笑)
自問自答してますね。
著者にはそこまでの余裕はありません(^_^;)
ただつっぱしるのみであります。
これからも御贔屓に(笑)




