Review.3:緊迫。
件の鐘楼は外から見た所、特に変わった点は見られない。
頑丈な古木で作られた二階建て。
二階には銅の鐘が吊るされている。
まだまだ現役でいける、こぢんまりとした建築だ。
……まぁ外だけ見てもダメだろう。
ウチのバカ僧侶たちが言うには、中にも何回か出ている。
当然、内部も確かめておかなくては。
ガラリ、と引き戸を開け、中に入ってみる。
親父もオレに続く。
おや、思いのほかヒンヤリとしている。
瞬間、背筋が震えた。
「どうだ、何か見えるか?」
――すうっ、額に一筋の汗が流れる。
暑さからではない、俗に言う冷や汗と言う奴だ。
体が強張り、親父に返事する事ができない。
中枢が己の危機を感じ取って、思考を停止させ、ただ後退せよと命じてい
る。
「黙雷?どうした」
親父の手が肩に触れて、ようやく我に返る。
「親父、下がれ。こいつぁ濃い、何か…いる」
「…濃い?」
そう、濃いのだ。
何かがいる気配が満ち溢れている。
誰かに見られているような。
突き刺さる、何者かの視線。
首筋がピリピリと痺れる。
視線に含まれているのは、殺気か。
噂の幽霊は恐らく、こちらを視ている。
「ひとまず出よう」
一歩、また一歩とオレと親父は後退りしていく。
まだ入って間もない地点に立っていたので、すぐに出られるはずだ。
―――だが。
いつまで経っても戸に辿り着けない。
いや、それどころか動いてさえもいないみたいだ。
どういうことだろうか。
どこか冷静な一部分が、思考する。
――幻覚か、金縛りか。
このような小細工を会得しているということは、少なからずポッと出の奴
ではない。
長く、この世に滞在してるものだ。
いずれにせよ、大層な技を持っている奴みたいだな。
「こ、これは、一体…」
「落ち着け、大人だろ」
かく言うオレも、冷静とは言いながら内心ではビクビクしている。
だけど、口には出さない。
はいそこー強がりとか言わなーい。
さて、何が出てくるか――
早速、ピンチ(笑)
獲物を持たぬ、黙雷はまだ青い。
大丈夫なのでしょうかねぇ(親心?)
期待!次回を待たれよ!




