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Dreaming Maker+  作者: 菖蒲P(あやめぴー)
一章
28/35

二十七話 夢半ばで折れないように

なぜか人だかりに囲まれたレイヤが言い訳をして逃げ出した。その日の夜、誠は聞きそびれたDreaming Makerのメンバーからの話をメールで聞いた。

トイレに立ち上がったレイヤが、なかなか帰ってこない。四人は駄弁って暇を潰していた。

「それにしても遅くないか?」陽昇もしびれを切らしているようだ。

「大丈夫、すぐ来るよ」渡はいつのまにかコーヒーゼリーを平らげてレイヤのケーキを勝手に頬張っていた。

「ねぇ、ところであれ何?」誠がふと後方に目をやると何やら人がダッシュしている。

「今駅伝ってやってたっけ?...ん?」千尋がじっくり見ると、何やら見覚えのあるコテコテの変装姿の男。

「あれ、躑躅森さんじゃ...!?」そう言う間も無く向こうから叫び声がする。

「四人とも!ちょっとこっちにおいで!!」とりあえず名前を呼ばれた四人は状況を把握できないまま前に出た。するとあろうことかレイヤがまた甲高い声でこう叫んだ。

「キャー!!ドリメカの龍ヶ崎渡くん、黄金坂千尋くん、厚木誠くん、御影陽昇くんだー!!」すると追いかけていた人だかりが四人に注目する。そしてレイヤから離れ四人に一挙に人が群がり出した。

「私もう帰りまーす!!バイバーイ!!」最後まで女(?)のフリをしたレイヤが駆け出す。

「ちょっと!話は!?」「それはまたいつか!!」そう言ってダッシュで帰ってしまった。


「ふーん、そんなことがあったんですねぇ?」翌日、事務所内で四人は正座させられた。

「いや、止めようがなかったですよあれは...とんでもない人ですよあの人...」辟易とした様子の誠がぼやく。

「それでも躑躅森レイヤはプロ。一人の力で我が社をも飲み込んでしまうような実力の持ち主なんです。ちょっと挙動がアレなだけで」と世奈が言い聞かせる。

「あなたたちにはレイヤにも負けない、勝ちあがれるアイドルになってもらうことが目標です。夢半ばで折れさせません!」はっきりと言い切った。

「夢半ばで折れない、か...」誠は一言誰にも聞こえない声で呟いた。


先日、帰宅した誠はレイヤに改めてメールをした。Dreaming Makerの三人からの話とは一体なんだったのか、と。しばらく待つと返信が来た。箇条書きのようになっていた。

「なになに...」読んでみると、誠くんの印象を聞いてみた、という件名で始まり、 三人それぞれからの印象が書かれていた。その中で、目に留まった文章があった。

「夢半ばで折れないように...?」蔦屋永遠、と書かれた行に「まだまだお前はひよっこだ。営業スマイルなんてやっている内は一人前のアイドルになんてなれない。せいぜい夢半ばで折れないようにな。Dreaming Makerの名を汚すな」と書かれてあった。誰がどう見てもダメ出しだ。でも夢半ばで折れないように、というのは応援なんだろうか。とりあえずその場ではポジティブな意味と捉えておくことにした。その後も千尋、渡、陽昇に対するメンバーの印象が次々送られてきた。大概ダメ出しだった。

「これは読ませたらショック受けちゃうかな...」そう思ってとりあえず皆には見せないことにした。


「厚木、何をぼーっとしているんだ」陽昇に声をかけられ誠はふと我に帰った。

「これから収録だぞ、そんなにぼーっとされては困る」ため息をつかれ、ごめんと一言謝って立ち上がった。


現場に向かう車の中、誠は昨日のレイヤからのメールを改めて見た。自分宛ではなく他のメンバー宛のものも。千尋宛のメッセージは、雄大がべた褒めしている以外は辛口な指摘。渡には全員からシャキッとしろ、などの指摘、陽昇にはもっと仲間を信頼しろ、信頼できる仲間なら、といった趣旨の内容が書かれていた。でもやっぱり一番気になったのは自分宛の永遠からのメッセージ。夢半ばで折れないように、ということを今までプラスで捉えてきた。マイナスイメージと向き合いたくなくて。でも一度勇気を出そうとマイナスなイメージで捉えてみることにした。これは嫌味、嫌悪むき出しなメッセージ、と考えてみた。

「おーい、誠くん?誠くんってば!!」千尋に呼びかけられた。

「えっ!?もう着いたの!?ごめん今降りる!」どうやら考えている内に現場に着いてしまったようだ。一旦携帯の電源を切り車から降りた。


「やあ昨日ぶり!」現場に着くと真っ先にレイヤに出迎えられた。

「昨日あんな悪態をついておいてよく出迎えなんてできるな」陽昇は呆れたように言った。そのままメンバーは準備に取り掛かった。そんな中、準備する誠の肩をレイヤが叩いた。

「ねぇ、昨日のメール、読んでくれた?皆に見せた?」と聞かれた。

「あ、ちゃんとじっくりとは読んでないですけど一応。メンバーにはまだ見せてないです...」

「ああ、そうか。まあそれはそれでいい。準備、急ごう」そう言ってレイヤは一旦その場を離れた。


「...まだちゃんと見てないんだって。期待しないほうが良さそう。ていうかやっぱり生で言ってあげないとダメじゃないかな」レイヤはメールを送った。するとすぐ返事が返ってきた。

「生で教えなきゃいけないのか。手がかかる連中だ。言っておくが最初から期待なんてしていない」ネギまのアイコンの永遠からの返信だ。レイヤはそれに「相変わらず強情ね」とだけ返して携帯をしまった。

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