第5話 初めての同学年の子は、ちょっと変わった魔術師③
「┄ユリアナに理由もなく、邪しまな態度で近づかないでくれませんか」
「あ~ら邪しまだなんて失礼ね。私はただ┄あの事件に使われたのが、彼女からなのか知りたいだけよ!」
「ほう~、そのわりには、血走った狂気をユリアナに向けているように見えたがな」
「貴方って本当に失礼ね。でも探求心で意外と暴きたくなるものよ、貴方みたいに本心を偽るような人はね」
「ほう~悪趣味だな。だが┄お前みたいな奴は、見ていてヘドが出るほど嫌いだな」
「あら、私もよ」
バチバチと頭上にて妙な殺気だつ気配に、私は余計にビクビクする
どうしてかお兄さんらしくなく、語尾が強い警戒心を、ミル姉様に向けているようで、何処かいつものお兄さんじゃないようで、少し怖い
庇ってくれたのに┄何でだろう?
そんな感想と思考に二人を眺めながら、思いを巡らせていれば
唐突にパンパンと手を叩く音が部屋の空気を変え
「はいはい、アリエルさんにミルフィーネ。貴方達が喧嘩をしているから、ユリアナ嬢が怖がってるだろう、それぐらいにしておきなさい、特にミルフィーネはな!」
と静かな口調の中で学園長が口論する二人を仲裁するような口調が響くと、チラッと私を見て
まるで私が怖がっていることに気づいたような口振りと、学園長のウインクにより優しさが見え、小声で
「大丈夫だからね」
と唇が動き諭してくれた。
私は┄その好意にホッと安堵し頷いていると、アリエルお兄さんが近くより謝罪される
「止めるべき者が熱くなっては、本末転倒だったな、次から気をつけるよ、すまないなユリアナ」
私は急に謝られて、アリエルお兄さんに視線を戻すと、まるで己の恥を悔いているように謝罪されて
ブンブンと私は首を振り、もともと原因は自分にあると自覚しているためアリエルお兄さんに真っ直ぐ見つめて弁明した。
「え⁉┄別に謝らなくていいよ、もともと担任の先生の迫力に押されただけだし┄┄助けてくれたから」
「┄そっか」
アリエルお兄さんは本当に悪くないよと含みを入れての発言だったのに、何処か辛そうにするアリエルお兄さんが気になっていれば、急に私の手を掴まれ意識が、別の方向に向かされた。
な、なに? と不思議に思い、掴まれた方向を向くと、そこにはミル姉様が本当にすまなそうにテンション低めにして謝罪の言葉を紡がれた
「┄ごめんなさい┄私ね、学園長から全体魔法を使う生徒が来るって聞いてたから、つい興奮気味にして、貴女を怖がらせてしまったわ」
「┄だって我が国には、単発などが主でね┄」
「こら、ミルフィーネ! それは授業で教えなさい。今は違うであろう? 最初は自己紹介をしてからであろうが」
学園長がゴホンと咳払いをして、ミル姉様を叱咤すれば、ハッとなり「あ~もう~!」と呟き、己の頭を叩き
「まったく、そのとおりです」
と反省のいろをみせたあと、私を真っ直ぐみつめる
「┄謝罪ついでになるけど、私の自己紹介をするわね。名前はミルフィーネ・ドライスン・バルテロッサの高等部に所属していて、年齢は18歳なの」
「今回は特別で、優秀な人材から教師として選ばれるんだけど、私の魔法研究が必要だと急遽、抜擢されちゃってね。ごめんね┄こんな若いのが担任教師で」
急にしょんぼりとしている姿は、チワワのようで、大人の女性らしい所は、ゲームと一緒で好感が持てる
うん、あの性癖以外は好きだな、よしよしと頭を撫で撫ですれば、パア~っと明るい笑顔を向ける
「許してくれたの、良かった。これから一週間宜しくね、ユリアナさん」
おぉ~変わり身の早さも同じにきたか!
なかなかのフェイントだ
私はミル姉様に頷き、握手をかわすと互いに笑い合っていた、しかし
このとき私は気づいていなかった、アリエルお兄さんがミル姉様に対して、妙な視線を向けていたことに、ただ一人学園長だけを除いて
◇◆◇◆
そのあと学園長の指示のもと、ミル姉様と私だけは、もう二人を待たせているとのことで先に行くため部屋を出ていくとき
アリエルお兄さんも、一緒に部屋を出るために立ち上がったとき何故か学園長が話があると呼び止められて、部屋に残ることになる
私はどうしたのかと気になったが、ミル姉様がきっと学園な中での護衛の役割の説明だろうと言われて納得でき、ならば邪魔出来ないと
お兄さんに「┄待たね」とだけ言い残したら、渋々ながら笑い返してくれ、ミル姉様と一緒に部屋を後にした。
次に私はミル姉様と廊下をしばし歩いていると、生徒の賑わう声があちらこちらから喧騒が耳に入る
朝なので部活かな~っと小さな感想を思っていたとき、ミル姉様の手を握ったままで、キョロキョロする私に対して
「ねえ、ユリアナちゃんは学園を見て、どう思う┄楽しそうに見える?┄」
と声をかけられ、私はミル姉様を見上げて様子を伺えば、妙な表情をされていた
何で┄そんな表情なのかと考えるも見当などつけられないし、ほとんど初めて来たばかりだからと言葉に詰まってしまうと、慌ててミル姉様が弁明する
「ごめんね、何をきいてるんだろう? まだきたばかりだから┄わかるわけないのにね」
「なにか、あったんですか?」
「┄┄うんん、なんでもないよ。それより急ぎましょうか、教室はあと少しだから┄ほら、行こっか!」
「え⁉ あ、はい」
少しだけスピードが上がったせいで、ちょっと小走りになりながらも頑張っていく
そんな中でミル姉様があんな質問を投げ掛けてきたのかが、妙に小骨のように私の胸に、ひっかかりを感じたのでした。




