第20話 スミレ。君にはリーカの彼氏になって貰えないか?
校長室の扉をノックする。
どうぞ。と言うクウガ校長の声が聞こえオレは扉を開けた。
中には腕を組んで天井を見上げてる校長、オレを見ると話しかけて来た。
「悪いね。スミレ君」
「い、いえ……あのオレに用事って何でしょうか?」
「別に怒る事はないし、スミレ君って今は何才に?」
「こっちの年齢では17才ですね」
こっち。と言うのは過去に行ったらしく、そこで1年ぐらい過ごしているらしいから。
「ああ、そうだったね……変な事を聞いてすまない。シンシアさんは元気?」
「元気とは……あっ!! クウガ校長……いやクウガおじさんって、もしかしてシンシアさんと付き合いたい。とか!? わかりました。聞いてきます」
「ちょ!?」
オレは校長室を出てすぐにファーストの街に行った。
シンシアさんが住んでいるからだ、いくらオレがシンシアさんを好きだと言ってもシンシアさんだってクウガおじさんのほうがいいかも。
「そっか、きっと言い出せないからクウガおじさんに相談を。オレって駄目な男だな」
そうだよな、シンシアさんだってクウガおじさんみたいなお金持ってる人のほうが良いよな。
◆◆
翌日、校長室の扉をノックする。
どうぞ。と言うクウガ校長の声が聞こえオレは扉を開けた。
中には腕を組んで天井を見上げてる校長、オレを見ると話しかけて来た。
「悪いね。スミレ君」
「い、いえ……あのオレに用事って何でしょうか…………?」
「顔の腫れは引いたかな……?」
まだ痛い。
シンシアさんに殴らたから、それも料理中だったらしいのでフライパンで……6発目から数えてない。
女性に殴られた。と理由でエリクサーやポーションの購入は恥ずかしいわけで、そもそも学園外での怪我は学園内の治療は基本禁止されてる。
「少し残ってます……ええっと」
「スミレ君は17才として……リーカが18才なんだ……そのリーカの彼氏候補問題で──」
「あっ聞いてきます!」
オレは急いで校長室からでると生徒会室に走った。
この時間ならまだ生徒会室にいるはずだから、ノックすると直ぐに扉が開いた。
「あれ。スミレお兄ちゃん?」
「サクラか。会長は?」
「ここにいるよ? どうしたんだい血相変えて……いや顔はもうオバケみたいになっているが」
「因みにアタシもいるわよー」
マリアンヌ副会長の姿も見えた。
「ええっと、リーカ先輩。クウガ校長がリーカ先輩と付き合いたいって!」
「………………スミレ君。クウガ校長はその血縁になる」
「あっそうか。いや、クウガ校長なら別に気にして無いんじゃ」
「お兄ちゃん?」
「わーお……サクラっち、ちょっと購買にいくよ!」
あれ? マリアンヌ副会長とサクラが生徒会室から居なくなった。
親父から聞いたけど別に、血縁者でも結婚できる世界だしな。って……オレはサクラとは絶対にしたくないし、そのサクラと副会長の背後を見送って前を向くと……。
◆◆
さらに翌日、校長室の扉をノックする。
どうぞ。と言うクウガ校長の声が聞こえオレは扉を開けた。
中には腕を組んで天井を見上げてる校長、オレを見ると話しかけて来た。
「…………骨折はなおりそうかい?」
「2ヶ月ぐらいで……」
クウガ校長は棚からハイ・ポーションを出してくれた。
「飲みなさい。一応は学園内の事だからね」
「あっはい……」
飲むと骨折した部分が熱くなってきた。
痛みが治まっていき、すぐに包帯も取れそうだ。
「で……校長、オレに何の話で」
「ああ……リーカの」
「あっ逆にオレがリーカ先輩との子を作れ。とか!?」
「違う」
否定された。
ちょっとだけ期待しただけに悲しい。
「そもそも君はシンシアさんがいるだろ……逆とは何かな?」
「……オレも校長みたいにあっちこっちに恋人が欲しいなってちょっと憧れて」
「方向性を間違えた。が……その……リーカ、話は聞いていたかい?」
クウガ校長がそういうと別の扉が開いた。
中からリーカ生徒会長が微笑みを絶やさずに出てくる。
「スミレ君。君の性根はよくわかった……この校長が育てただけはある」
「あれ、ちょっと怒ってません?」
「リーカ。僕は真面目だよ? アンジェリカとだって真剣に付き合っているんだ」
「否定はしません。が……まぁいいか……スミレ君、悪いが彼氏になってくれた前」
話が全く見えない。
ええっと、オレがリーカ先輩の彼氏になって、でも子供は作らない……それって親父が良く言う。
「体だけの関係!」
「…………」
「…………」
2人が黙り、1人が白い目。1人が深いため息を。
「クロウベルさんそっくりだよ……話を聞こうか」
「確かに師とそっくりだ。そういう所は可愛いよ」
「褒められました?」
「褒めてない」
「褒めたよ」
2人の意見が食い違う。
どっちを信じればいいんだ。
「校長よ、やっぱりサクラ君に頼もう」
「え!? やっぱりリーカ会長って女好きだったです!? サクラに直接言えないから、オレに聞いたと……ちょっとさり気なく聞いてきます。早いほうがいいですよね」
◆◆
さらにさらに翌日、校長室の扉をノックする。
どうぞ。と言うクウガ校長の声が聞こえオレは扉を開けた。
中には腕を組んで天井を見上げてる校長、オレを見ると話しかけて来た。
「…………サクラ君は何て?」
「メルギナス母さんに相談して生やしてもらうそうです。じゃっオレの話は終わりって事で」
「なってたまるか!!!」
うお!
クウガ校長……いやクウガおじさんが怒った。
何時も温厚なのに……。
「話を最後まで聞いて行って出てってくれないか? 昼間は授業があって呼び出しも遠慮してるだ……」
「聞いてま……いえ、何でも無いです」
「王国でリーカの誕生パーティーがあるんだ」
さすがリーカ会長だ。
「そのパーティーでは悪い虫も来るだろう……リーカは1人でも良いとはいうけど。一応! 一応この僕の娘だ!」
「じゃっ親父に頼んで」
「怒るよ?」
怒ってますよね……?
「クロウベルさんに頼むほどでもないし、リーカ本人もそう言っているからね……シンシアさんの許可は既に得た」
「えっ! 早く無いですか!!」
「君が毎日、毎日……っと……すまないけど頼まれてくれるかな?」
クウガ校長がクウガおじさんとして頼んで来た。
うん。オレを頼ってくれたんだ、胸を張る。
「はい!」
「じゃっ、よかった……後はリーカに聞いてくれ。僕はちょっと帝国に呼ばれていてね。クローディア副校長」
「はっ! こちらにご用意が」
別の扉が開くと2人が出て行った。
残った俺はどうしようもなく校長室を出ようと……足元に黒いガラス板が落ちているのが見えた。
「あれ。ゴミ落ちてる……後で捨てるか」




