第13話 そうだ! あの双子姉妹も大きくなりまして……(初対面です)
「学術テストだああ!?」
「おや、難しい言葉をちゃんと知っているんですね」
ステリアの人を見下した感じの言い方にイラっとする。
そもそも、その顔が嫌いだ。
昔の俺は周りと違う選ばれた人間なんだって思って休み時間の間机に顔を伏せていた時代を思い出すから、それ以外にも思い出したくない事を思い出す。
性格は全然いい奴なんだけどな……それよりも、近くで小さく笑ったメルナのほうを文句を言おう。
「なんじゃ? こっちを見て……ワラワが笑った事なのじゃ? しょうがないじゃろ……ロウの頭にはエロしかないんじゃし」
「もっとあるわい!!」
「ほう。例えばなんじゃ?」
た。例えば!?
ええっと……駅のお弁当。美味しいよね。
じゃなくて。
コタツって温かいよね。これも違うな。
ええっと、ええっと……。
「国崩し!! ほら難しい作戦も知って……あれ。誰もいない」
何所か見た事のありそうな男性が俺の側に来る。ステリアとメルナギナス様は先に学園都市に入りました。と……。
酷くない?
案内人として残ったのは依然ファースト学園大怪獣決戦の時に来てくれた職員でグンダと紹介された。うん、すぐ忘れそうな名前だ。
歳は40ぐらいかな? 俺よりも少し上に見えあの時の俺や生徒達の活躍を褒めてくれる。
「一応訂正しておくか」
「どうしました?」
「そもそもファースト学園を救った。のではなくて……あんな事起きたファースト学園を攻めるべき事件だ。幸い死人は出なかった……が、運がよかっただけ。ステリアやあんた達も怪我はしたんだし慰謝料ちゃんと請求した? え、してないの?」
もったいない。
「な。なるほど……さすがクウガ校長代理は話の重みが違います。確かに生徒にも危険が」
うんうん。
もう一押し。
「でだ。グンタさんさ……1つ頼み事あるんだけど」
「な。何でしょう」
「テストの答え教えてくれない?」
「っ!?」
グンタの肩に手を回して開いた手で握手をする。
顔は耳元に近づけて内緒話するにはいい恰好だ。
「ほら、俺だって何も全問正解するってわけじゃないしさ……ここはファースト学園を立てると思って」
「いえ……そ、それは」
「聞きましたか姉様!!」
「聞きましたわよ妹」
このフレーズは聞いた事がある。
背中から聞こえた声に思わず反応した。
だって……懐かしいフレーズで嬉しいから。
「ソニア学園の天才魔法使い。炎のセニアと風のソニアの姉妹のフレーズ! 2人で学園の地下に潜り込み、おねしょした子供……も?」
振り返ると赤と緑色のポニーテールをした少女が下を向いてプルプルと震えてる。あれ……? 子供じゃない? 20才は……はまだ言ってないか。
「あーごめん。人違いだった……こんなに大きなわけないもんな。俺の知ってる双子は7才ぐらいの小生意気なお子様だし。ええっと……初めましてクウガ校長の代理のクロウベル……いやーごめん。君達みたいな女性がオバケに驚かされて、おしっこ漏らすなんてしないもんな。ましてやそこから会うたびに『漏らしましたの』って台詞が用意されてるイベントなんて起きるはずがな……ちょ!! 魔力があふれ出てる!!! ここって攻撃魔法禁止じゃないの!?」
「このド変態」
「このド変態」
声がはもると暴風と炎のダブル魔法が目の前に現れた。
地獄かな?
俺の近くにいたグンタもいない。
街の中に警報が鳴り響く。迫りくる爆風あっ俺一度死んだわ……。
「辞めなさい!!」
さっそうと間に入る人影。
その背中は見覚えがある。
「おおお……ステリア。いやステリアさーん!!」
俺が一方的に顔が嫌いって言っているのに、こうして助けに来てくれる。なんて人間の出来た奴なんだ。
「しがみ付かないで下さい。それよりもセニア! ソニア!!」
「ステリア様」
「ステリアさま!」
ん? セニア、ソニアと呼ばれた姉妹がしゅんと小さくなる。
あれ……俺の知ってる2人より大きい……あっ……あー。
「あのイベントってクリア後のDLCだから逆さんして……ええっと15年ぐらい前になるのか……え。じゃぁ2人とも学生に見えたけど20才超えておもらししてるの!?」
「してたまるかああああ」
「してたまるかああああ」
やばい。魔力が直視できるほど集まってる。
俺の前にいるステリアが手を動かすと魔力が四散して書き消えた。
ステリアが突然はぁはぁと肩を動かし、俺をにらんで来る。
「な、何!?」
「あの2人をあおらないで下さい……2人の事を知っているようでしたけど面識が?」
「え。無いよ? あるんだったらイベント間違わないもん」
「意味が全く分かりません……」
セニア、ソニアの姉妹はメルナに何か言われて小さくなっていた。
先ほどの怒りも少し減ったのだろう。でも俺の方を見てはにらんで来る。
そのメルナが俺のほうにくると、俺よりもステリアをじっと見る。
「魔力殺しの魔法……長く生きてそれを使える人間は2人目じゃの」
「そうなんですか? 自分のオリジナルと思ってました」
「メルナほら……何を疑っているのかアレだけど、魂が同じなら育っても同じになるんじゃないの?」
「な、何の話で」
メルナは小さく鼻で笑うと、なぜか俺の足を踏んで来る。
痛いんですけど!?
ワンピースの尻を叩いてっ……あっ……足を踏まれていてバランスが崩れた。
「が! 大丈夫。俺はこの通り受け身が上手い! 散々メルナに攻撃されからな……あれ。この布は? はっ!? メルナ……そのここは学園都市でさ。いくら刺激が足りないからなってそのスケスケの下着で外歩くのはどうかと……っ冗談だってわかるよね!? ね!? あっステリア!! 魔力殺しの魔法!! 今でしょ! 今使わないでいつ──あっ」




