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番外編!その後の負け悪役貴族に転生した俺は──SS込  作者: えん/えんとつ畑@雑記


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第12話 ぐるっと回って遠征に

 馬車に揺られてどんぶらこ。

 現在は帝国のはじっこにあるクウガ達が予約した貴族馬車にいる。

 なお、護衛はいない。


 これはクウガ自身が強いから……まっクウガの正体を知って襲ってくる賊もいないわな。知らないで襲って来たらそれはもう、ご愁傷様としか。

 さらに言うと今回は俺とメルナが代わりに乗ってるし、不安そうなのは御者のおっさんだけ。



「で。メルナについて来てもらったわけですけど……その帰るなら今のうちで」

「んあ? 何を言っておるのじゃ……」

「だって! 昔の男と同じ名前の男がいる場所に連れて行きたくないじゃん!! じゃなくてもあの顔嫌いだし!」



 メルナが心配で!!



「心の声反対じゃろな……故意なのじゃ?」

「はい。故意です」

「…………器用な奴なのじゃ。ロウはナイの事も嫌いじゃったな……ナイの人間になった時の顔はアヤツのデスマスクじゃし……別に名前と顔だけ同じだけじゃろ。それとワラワはステリアの事は人間として好きだったわけなのじゃ! 恋愛なんてもってのほか…………アーカスもおったしの」

「アーカスは今は居ませんよ? …………どうしてもって言うなら愛人として認めても良いですけど」



 これは精一杯の譲歩である。

 ほらさ……俺がすでに旧日本人体質として2人の奥さんがいるって不義理じゃん。この世界が良くてもそこは守ろうとしたわけ……最初は。

 でも結果的にこうなってるし。貴族やクウガみたいに愛人や恋人が沢山いても良いと思うのよ。


 俺の親父であるサンドベルなんて本妻がいる時から俺の母やアンジュと遊んでいたんだろ?



「ふむ。ちょっと待っておれなのじゃ」



 メルナは御者と会話が出来る小窓を開く。



「おお。済まんのじゃが、この先の崖際を……そうそう、駄賃は弾むのじゃ」



 小窓をパシャっと閉じた。

 そして俺を見てくると手招きする。



「この先の崖に珍しい景色が見えるのじゃ。いつかドアホウに見せようと思って」

「へぇ。突然な話ですけど」

「この景色を見て思い出したのじゃ、ほれこっちに」

「うい」



 馬車の出入口のから顔を出すと確かに崖が見える。

 その下は目新し物はない。



「見えるじゃろ?」

「何がで────」



 俺の体が馬車から落とされると地面をゴロゴロゴロと転がり……あっ無重力の感覚に。慌てて馬車が停まる音が聞こえるも俺は崖下に落ちて意識を失った。



──

────



 やって来ました、学園都市ソニア。

 と、言ってもだ……ゲームで来た事はあるし、ファーストの街やファースト学園はここを真似してる。


 こっちが本家なのに、ファースト学園のほうが有名になっちゃって……。

 馬車から降りて背伸びをすると、俺の横でメルナも同じように体を動かし始めた。



「死ぬかと思った」

「死んだんじゃろ……御者のおっさんなどドン引きしていたなのじゃ」

「引いていたのは多分メルナの行動ですよ? 大事な客人を谷底に落としてしまった。って青ざめてましたけど」

「生きてたじゃろ」

「生きていたのを見てさらにドン引きしてましたけどね」



 そういう事もないだろ。

 さて街の入り口で俺を見ては怪訝な顔をするステリア。

 メルナをまっすぐに見て表情が固まった。


 うーん……やっぱり記憶あるのかなぁ。

 でもそれだったら俺にもっと反応会っても良いと思うんだけど。



「よっ!」

「…………クロウベルさんですね。お久しぶりです……こちらは」

「メルギナスじゃ」

「初めまして」



 ステリアが手を差し出しメルナが握手する。

 しっかりと握手した後にメルナは手を離した。



「本当に初めてなのじゃ? 例えばワラワの知っているステリアは握手をする時に必ず右足を引く癖があったなのじゃ」

「クロウベルさんの第一婦人の魔女メルギナスさんですよね? 過去の隠れた英雄と名前が同じで困る事が多いのです。もし隠れた英雄の事を知っているのであれば詳しく話を聞いてみたいものです」



 さらっと言うと俺に向き直る。

 まっ別人だろ。



「すみませんが、本日は客人を待っているので街の案内は出来ませんが、ごゆっくりどうぞ」

「へぇ忙しそうだな」

「肩書きが凄くでも、下っ端ですからね」



 若いもんな。

 20才ぐらいか?



「俺も待とうか?」

「いえ、お気になさらずに……」

「メルナ」

「んーそうじゃな。ワラワも別にいいなのじゃ」




 ステリアの近くで俺もメルナも黙って立つ。

 30分ぐらいたったのだろう、ステリアが俺をチラチラ見てくる。



「もしかして……クウガ校長の代理できてます?」

「うん」



 ステリアがしゃがんだ。



「ぶっころ……」

「ん?」

「いえ、そうかな。と思っていたんです……ですが!! 早めに行ってくれませんか?」

「聞いて来ないから」



 ステリアはしゃがんでまたブツブツ言っている。



「いいでしょう!! ソニア学園の案内しますよ!!! 後……大会があるんですけど」

「あー何かイベントあるんだろ? どうせ武術大会とかだろ……? 全員なぎ倒していいなら」

「お強いのは聞いてますし、ソニア学園が野蛮なファースト学園に比べられるのは、今回は学術テストです」



 あっそっち!?

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