第4章 婚約者
そして5年後、エミーリアとルークは前より仲良くなっていた。闇魔法もあれから暴走しなくなり平和な日常を送っている。エミーリアは今年12歳でルークは11歳だ。あの事件以来ふたりは魔法の練習をするようになった。初めは魔導書や本を読み漁っていたが近頃は練習や制御方法を試している。これでわかったことはルークは魔力が桁違いに多い。一方エミーリアの魔力は一般の貴族と比べると少なかった。最初はエミーリアも落ち込んでいたが今は前向きに練習をしている。静かにエミーリアはまだ寝ている。ルークはエミーリアを起こしにドアをノックし開ける。「姉さん、起きてください。もう朝ですよ!」と言いながらカーテンを開けエミーリアが寝ているベットの横に来る。するとエミーリアは少し機嫌悪そうにしていた。「うーん。ルーク?もう少し寝させて。」と言うとルークをベットに引きづり混む。抱き枕と勘違いしているようだ。「ちょっ姉さん?」と慌て赤面している。何年も一緒に暮らしていてもエミーリアの距離の近さにはなれないようだ。軽くため息を吐く。まったく、姉さんは不用心すぎる。それにすごく鈍感だ。僕なりに姉さんへの思いを伝えているけど全然分かってくれない…ルークはエミーリアの髪を少し自分の口に近づけながら「そんなに無防備にしてると襲っちゃいますよ。ねぇ、姉さん…」その後エミーリアが起きる。起きてすぐに気づく。また私ルークをベットに引きづり混んじゃってた。ついついやっちゃうんだよね〜。「ごめんルーク!またやっちゃってた?今日も起こしてくれてありがとう。」と言う。ルークは小声で「残念…」と呟く。エミーリアは気づかない。2人ともベットからでる。ルークははっと思い出したように「そういえば父さんが書斎に来て欲しいって言ってたよ。大事な話があるんだって。」と聞くと慌てて準備を始める。「教えてくれてありがとう。わかったすぐ行くって伝えといてくれる?」と言うとルークは頷き父親の書斎へ行く。すぐに準備を済ますと父親の書斎へ行く。ドアをノックし開ける。「お父様お話って…」と顔色を伺うように言う。少し機嫌が悪そうに見えたからだ。「よく来てくれた。実はだな…腹黒王、ゴホンゴホン、シリウス・ナインハート殿下から婚約の話が来ている。」絶対今腹黒王子って言おうとしてたな…それよりもこんなに婚約早かったっけ?物語では入学式後だった気が…私が転生したことによってシナリオが変わったとか?って考えても分からないか!婚約の話実際言われるまで忘れてたし。「はい。わかりました。婚約のお話お受けします。」といった。それもそのはずだ王家の婚約の申し出を断ることなどできない。だからシリウス殿下には噂があった。幼少期の頃から腹黒王子と呼ばれていたのだ。容姿は良いし才もある。なのでシリウス殿下を慕っているものは多い。父親はこの話に乗り気ではなかった。だが断ることはできないので渋々という感じだ。「ありがとう。それでだな明日シリウス殿下が来るそうだ。なかなか言い出せなかった。急な話ですまない。」と言われる。エミーリアは驚いた。まさか明日来るなんて思っていなかったからだ。少し考えた様子を見せため息を吐く。「そういうことは早く言ってください。準備もあるのですよ。」と言う。父親は反省した様子をしている。そこから少し明日の話をして書斎をでる。するとルークが近くにいた。ルークは悲しそうに「姉さん婚約、するんですか?」と聞かれる。エミーリアは少し困った様子で「悲しそうな顔しないで。王家からだもの断れないわ。たしかに婚約したらルークと遊べなくなってしまって寂しいでしょうけどしょうがないの。」と言う。姉さんは全然分かってない。遊べなくなるからという訳じゃないんだけどな。でも確かに王家からの婚約は断れないな。こうなれば強硬手段だ。「姉さん、明日僕も同席してもいいですか?」と聞かれる。同席か大丈夫かな?同席禁止とは言われてないしまぁいいか!「それならいいよ。一応明日殿下に許可を取りましょう。」と言う。よし、これで少しは姉さんと殿下の接触を少しでも阻止できるはず。そして次の日、侍女が部屋に来てドアをノックする。「はーい!どうぞ!入って!」と言うと侍女が入ってくる。彼女はエミーリアの専属次女のナタリーだ。仕事も完璧で侍女の中で最も信用している。「お嬢様何をお召になられますか?髪型はおまかせでよろしいですか?あと1時間ほどで準備しますよ!」と言われた。何着ようかな?普段あんまり気にしてドレス選んでないからな〜でもさすがに適当には選べないし。いつものドレスは少し敗れてたり汚れてたりするからな。ドレスが汚れている理由はよく侍女の手伝いや料理を作るのを手伝ったりしてきたからである。そしてもうひとつ、よくお忍びで下町にいくのでそれで汚れたりするのだ。迷うな〜!そういえば前外交用にルークが選んでくれた赤いドレスがあったけ!あれにしようかな!かわいいし!「じゃあルークが選んでくれた赤いドレスでお願い!髪型は任せるわ」と言うと颯爽に準備に取り掛かる。しばらくたち準備が終わる。赤いドレスに赤色のネックレス、髪型はハーフアップである。「ナタリーありがとう!行ってくるわね。」と言いドアを開け殿下のもとに急ぐ。ルークと途中で会う。「ルーク!ちょうど良かった。そろそろ殿下の元に行くところだったの。ドレスルークに選んでもらったの着たよ!」とルークに言う。ルークは少し停止した後少し機嫌が悪くなった。姉さん可愛いのはいいんだけど、僕が選んだドレス着てくれるの嬉しいよ。でも今じゃない殿下のために着るのはちょっと…「ルークどうしたの?元気ない?」と心配そうに言う。すると顔に感情が出ていたことに気づき少し微笑み「大丈夫だよ。姉さん、行こうか?」といいエミーリアの手を引っ張る。客間に殿下が来ている。ドアの前に来てノックをして入っていく。「シリウス殿下お待たせしました。お初にお目にかかります。エミーリア・フローゼンとお申します。本日は婚約のご提案ありがとうございます。それと義弟の同席を許していただけませんか?」と挨拶をする。すると少し考えて返事をする。「挨拶ありがとう。エミーリア嬢。同席ですか?…大丈夫ですよ。」と言う。良かっただいぶ考えてたみたいだけど了承してくれてとルークは思う。「殿下、同席を許していただきありがとうございます。ルーク・フローゼンです。」と挨拶をする。そして2人とも席につき話を聞く。話を聞き婚約を結ぶこととなった。書類の手続き等はまた後日行うことになり婚約発表は入学パーティーにすることとなった。今日はお話を中心にするらしい。エミーリアとルークの距離を見て「とても姉弟で仲がいいんですね?」と殿下が聞く。するとエミーリアはとても嬉しそうに「そうなんです。昔から仲がいいんですよ。よく添い寝したりスイーツとか食べさせ合いしたり小さい頃は一緒にお風呂も入ってました。自慢の義弟なんです!!」と自慢げに語る。すると殿下は少し不機嫌そうになった。顔は笑顔だけど内心笑ってないそんな感じだ。姉さんは気づいてないみたいだけど絶対怒ってるよね?「そうですか〜いいですね。」と笑顔で殿下は言う。そしてケーキを食べているエミーリアの口の横にクリームがついてることに気づく。「エミーリア嬢口元にクリームが着いてますよ。」という。エミーリアは慌ててどこに着いているか探している。そして恥ずかしそうにもしている。「姉さんここだよ」とルークが教えようとしているとすぐに殿下が手を伸ばし口元に着いているクリームを取り舐める。「うん。甘いね。」と言うとエミーリアの頬が赤く染った。やられた。これが狙いか?姉さんは無防備だからもっと気をつけるべきだった。とルークは悔しがっている。「こんな反応するだ。可愛いね。エミーリア嬢。」と言うとますます赤面した。ででで殿下?こんなキャラだったけ?そもそもヒロインでもないのになんで私にそんな事を?と混乱しているここから先も話はしたが内容は覚えていなかった。話が終わり殿下は馬車に乗る。ルークが殿下を睨んでいる。嫉妬しているのだろう。そして馬車で移動している時殿下は思っていた。エミーリア嬢やはり気づかなかったか。本当は初めましてではないのだが。そう幼少期の頃に1度エミーリアは殿下にあっているのだ。そのことを殿下は思い出している。あれは確か4年前か。私が8歳の頃下町にお忍びで行ったら使用人たちとはぐれてしまい盗賊に顔を見られ誘拐されてしまった。そんな中君が救ってくれたんだ。同じくお忍びできていたのだろう。盗賊たちを体術で倒していた時フードがはずれ顔が見えた。君も私が王子だとは気づきもしなかった。盗賊を倒して私を救ってくれた時勇者かと思ったよ。こんな女性に出会ったのは初めてで新鮮だった。これまで私に近づくものは全て地位や容姿目当てだったが見ず知らずの私を君は救ってくれた。その時腕に少し傷を負った私を手当てしてくれた。ハンカチを包帯代わりに使ってくれた。そこにエミーリア・フローゼンと書かれていた。すぐ君を探したよ。あの時お礼もできなかったからね。まぁすぐには会えなかったんだけど。君の両親から許可が降りなくて。会えない時も君を忘れたことはなかった。今日再び君に出会い実に美しく可愛らしい、面白い女性だと分かった。あえて君と会うのは2回目ということは伏せておいたがいつ気づいてくれるのか楽しみだな。それに早く婚約し結婚して私のものにしたい。こんな気持ち初めてだ。
第4章も読んで頂きありがとうございます。
次は「第5章 入学」です。
次回も読んでいただけると嬉しいです。




