表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/15

第14章 決意

次の日、今日から本格的に3年生だ。クラス替えもあるので事前に知らされてるクラスに行く。教室に入るとクラリスとルシアンがいる。2人は嬉しそうにしている。エミーリアも良かった。友達が1人もいなかったら不安だったから良かった。最後の1年だし最高の思い出も作りたいしね。と思っていた。するとクラリスとルシアンがエミーリアに近づきクラリスが「おはようございますエミーリア様!一緒のクラスになれて良かったです。」と嬉しそうに言う。ルシアンも嬉しそうにしている。昨日のことが心配になったのか「昨日は大丈夫でしたか?」と聞く。エミーリアは「大丈夫ですよ。」と言う。2人は安心した様子だ。他のみんなはと言うとシリウスとリリーが同じクラス、レオとセリーヌが同じクラスだ。その事を聞いてみんな1人じゃないみたいで良かったと思っている。そしてチャイムがなり担任の先生が入ってくる。今年もジェイド先生が担任だ。またジェイド先生が担任なら安心だな。進路相談もしやすそう。そしてそのまま例年通り科目選択の説明が始まる。数日後科目を決めると本格的に授業が開始するがその前に第1回進路相談も始まる。今日がその日だ。相談は1人ずつジェイド先生と1:1で行う。エミーリアは相談を行う空き教室へいき扉を開ける。エミーリアが椅子に座り相談を始める。ジェイドが「エミーリアは卒業したら何になりたいんだ?」と率直に聞く。反対されるかもと思いつつ「私は騎士になりたいと思っています。出来れば王宮専属だと嬉しいです。」と少し具体的に言う。ジェイドは少し驚いたような様子だったが優しく微笑み「そうか、騎士を目指すなら危険も隣り合わせだがそれを考えてのことなら応援する。王宮専属の件はそこまで心配しなくていい。元々貴族の騎士の大半は王宮専属だからな。」と言う。エミーリアはほっとしている。良かった。反対される気がしてたから不安だったけどちゃんと受け入れてくれた。もちろん危険が隣合わせであることは知っているし王宮専属になりたいのは危険を少しでも排除するためではなく王族の方が狙われやすい。それに王宮にはおそらく殿下たちもいる。友達を守るのは当然のことだし守りたい。「ちゃんとわかっていますよ。危険が隣り合わせであること。それでも前世を活かしてみんなを守りたいんです。そしてもう1つ相談が…これは前世の記憶にまつわることなのでほんとに個人的な相談になってしまうのと他言無用でお願いしたいです。」と言いジェイドの様子を伺う。「それならいい。そっちの相談も聞こう。もちろん他に言うつもりはないさ。」とジェイドが言うとエミーリアがそれに続けて「ありがとうございます。前世での記憶によればエミーリアは卒業式当日に国外追放されます。」ジェイドはそれを聞いて驚いている。「正確に言うとヒロイン、リリーに悪事をしていると疑われ国外追放されるのです。それと同時に婚約破棄されます。もちろん今悪事をしている訳では無いのでどうなるかは分かりません。ですがゲームの強制力で国外追放になる可能性もあります。そのこともきちんと考えたいのです。」と続けて言う。ジェイドはなるほどという顔をしている。「国外追放をもしされたとして具体的にどうするんだ?」とジェイドは聞く。もちろんエミーリアに限ってないとは思うが、強制力があったとしたら確実にないとは言いきれない。とはいえエミーリアの周りにはたくさんの仲間がいる。そんなに心配することもないとは思うが一応な。「そうですね。具体的に考えているのは旅でもしようかと思ってます。ただ金銭面的に難しいと思うのでなるべく今私が持っている宝石などを隠し持っていこうかと考えています。そして旅をするにも移動手段が徒歩なのもな〜と思ったのでシリウス殿下に馬を貰えるよう交渉しようかとも考えています。」ジェイドは思いのほかエミーリアがしっかりと考えているのと金銭面的なことも考えていることに驚いた反面考えが面白いと思っている。ジェイドは声を出して笑う。エミーリアは驚く。そんなに面白いこと言ったかな?そんなエミーリアを見てジェイドは「すまない、考え方が面白くてな。エミーリアは私の考えてる斜め上をいくな〜。普通は絶望しまともに考えられなくなる令嬢は多い気がするがお前なら大丈夫そうだ。」と笑いを堪えながら言う。えっと…ここまで笑われるとは思わなかったけど何とか相談は成功(?)したかな?と思いつつ部屋を出る。教室に戻る途中にふと他のみんなはどんな選択をするんだろう?明日にでも聞いてみようかな。と思い軽い足取りで戻る。相談する前よりも不安が少なくなったからだ。そしてクラリスにお茶会をやらない?と相談すると計画を立ててくれた。みんなが予定ある日に合わせると今すぐにはできないが1週間後にはできるそうだ。それを教室でクラリスから聞く。なかなかみんな予定が合わないね。シリウス殿下とルシアン様とルークとリリーは生徒会の仕事で忙しいしレオ殿下とセリーヌとクラリスも家の用事があったりでなかなか予定が合わないみたい。たしかに最近色んなイベントあったからな〜。雑務とか忙しそう。私も剣術が少しでも上達するように頑張らないと。と思っているとあっという間に1週間が経つ。お茶会は学園の庭で行う。丸い白い机にたくさんのお菓子が並べられ飲み物が用意されている。エミーリアとクラリスでセッティングしたのだ。「いい感じですね。エミーリア様!」と少し疲れながらも嬉しそうに言う。「何とかみんなが来る前に仕上がって良かった。」とエミーリアが言う。実はこのお菓子たちクラリスとエミーリアの手作りなのだ。2人は比較的他のみんなと比べて予定が少なかったのでみんなのために何かしたいとかエミーリアが提案したものである。もちろんお菓子作りなんてやったことがないエミーリアだったがクラリスが教えて何とかかたちになった。「このクッキー少し形が歪んでしまいましたが大丈夫でしょうか?」と不安そうにクラリスに聞く。クラリスは「大丈夫ですよ。美味しかったですし皆さん喜びます。心配でしたら少し味見します?」とエミーリアに聞く。エミーリアは嬉しそうに「ええ。」と承諾する。そして食べようとしたがクラリスが「エミーリア様!せっかくですので食べさせ合いっこしませんか?1回やってみたかったのです。お互いが作ったものを食べさせるのです。」と提案する。たしかに友達同士でやったことないな。でもちょっと恥ずかしいし自分の作ったのを食べさせるのは気が引けるけど…と考えていると「ダメですか?」と子犬のような眼差しで言ってくるクラリスを見て「いいですよ。」と言ってしまう。だってあんな目で見られたら断れない。嬉しそうにしているクラリスを見てまぁでもこうゆうのもいいか。前世じゃできなかったし。と思っていた。でも食べさせられるの恥ずかしい。「エミーリア様!はい、どうぞ。」と食べさせる。最初は恥ずかしがっていたがクラリスのお菓子を食べて表情が明るくなる。ほんとに美味しい。市販のお菓子も美味しいけど手作りだと格段に美味しいな。と思っているとクラリスが心配そうに「美味しいですか?」と聞く。エミーリアは「もちろん。美味しいよ。」と言うと嬉しそうにする。喜んでくれるの嬉しい。と思っていると「エミーリア様!食べさせてください。」と少し恥ずかしがりながらも言う。可愛い。「はい。どうぞ。」と食べさせる。心配そうに見つめていると「美味しいです。エミーリア様!」と美味しそうに言う。なら良かったと楽しんでいるとリリーとセリーヌがひと足早く合流する。セリーヌが「クラリス様ばかりずるいです。」とエミーリアに言う。リリーはセリーヌとは対象的に冷静に「このお菓子たちクラリス様とエミーリア様で作られたのですか?美味しそうです。」と言う。すると続々とみんなが来る。座席に座り話し始める。まずクラリスが「今日のお菓子は私とエミーリア様の手作りなんですよ。全部美味しいのでぜひ食べてください。」とみんなに言う。みんな嬉しそうに食べている。ルシアンが「美味しいですね。わざわざありがとうございます。そろそろ本題入りますか?」とエミーリアに聞く。エミーリアも確かにと思い「喜んでいただけて良かったです。そうですね!そろそろ本題に入りましょう。今日は聞きたいことがあってみなさんは卒業後どうなさるんですか?」と聞く。みんなには一応事前にこの話題について話したいとは伝えてある。シリウスが最初に声をあげる。「そうですね。私は王として国を支えたいと思っていますよ。そのために父の仕事を手伝おうと思っています。」と真剣に言う。なるほど!確かに距離感近くてあまり実感してなかったけどシリウス殿下って第1王子だからね。そりゃあ王をつぐよね。とは言ってもほんとにやりたいことになっているのかは少し心配かも。と思い「なるほど。ご立派ですね。ですがシリウス殿下が無理されていないか少し心配でもあります。ご自分のやりたいことをやれないんじゃないかと思うと少し心配です。」と恐る恐る言う。全て本音だし言い方には気をつけたつもりだけど大丈夫かな?と不安になる。シリウスは手に持っていた紅茶を机に置き「確かにほんとにやりたいことができているかは分かりません。ですが後悔はしてないですよ。この国が少しでも豊かになれば私も嬉しいですし自由も効くようになりますからね。嬉しいと思えるならば私は満足ですよ。」と真剣に答える。そういう考え方なんだ。なんか凄いなそう考えられるの。でも確かにそうだよね。その職業に対して嬉しいと思えるなら無理をしてる訳じゃないしね。と思っているとレオも答える「俺は兄上の仕事の補佐をしようと思っている。とは言っても王宮にいるより下町の様子の視察とかが中心だが。」エミーリアはその事を聞いて少し驚く。補佐か。補佐とかあんまりかと思ってたけどでも下町が中心ならレオ殿下は子供好きそうだしね。次々に答えていく。ルシアンが続けて答える「私は王宮魔道士になろうと思ってますよ。魔法は好きですし子供の頃から憧れていたので。」昔からの夢ってことかな?夢があるのいいね。今のところ王宮で働く人多いな〜。続いてセリーヌが「私は家業である商会を都合かと思っています。もちろん自分の意思で決めましたよ。人と話したり関わることが好きなので多くの人と関われるので。」と理由まで丁寧に話す。みんなちゃんと決めてるの偉いし理由もちゃんとしてる。私なんて最近決まったばかりなのに。と心の中で思っているとリリーも答える「私はまだ迷っていますが考えているのは聖女となることです。」聖女か。ゲームであれば誰かしらと恋仲になり聖女にはならない展開だけどそれを崩壊させてしまってる感じがして申し訳ない。聖女見習いは結構きついと聞くしそれ相応の振る舞いも必要だ。無理してないといいけど。と不安そうな顔をしていると「聖女見習いは大変だと聞きますがエミーリア様をこの3年間近くで見て守られるだけじゃなく私も誰かを守りたいと思ったのです。聞けばこの国に聖女は少ないそうですし少しでも手助けになりたいのです。」とエミーリアに言う。そこまで思ってくれるのはほんとに嬉しい。多分不安って気持ちが表情とかに出てたのかな。気を使わせちゃったけどその事が聞けて安心したな。次はクラリスかな!と心待ちにしている「私は魔法研究者になろうと思います。昔から魔法が好きでしたし魔法でどのようなことができるのか知りたいのです。」なるほど。魔法研究者か。この世界特有の職業だしクラリスにあってそう。ルークはまだ決まっていないと行っていたから「最後に私ですね。私は王宮専属の騎士になりたいと思っています。もちろん危険が隣合わせであることは理解しています。でもこの国の民やみんなのことを守れるのはこの職だと思いましたので。私は欲張りなので全員守りたいのです。」と真剣な目で言う。みんなに話すのはこれが初めてだな。と考えているとルークが「姉さんの考えは素晴らしいと思いますが心配です。もちろん命の危険があるということも心配ですし女騎士は少ないと聞きます。要するに男性が多いのでしょう。姉さんは可愛いですし他の男に言い寄られないのか心配で仕方ありません。」と心配そうに言う。えっと…そっちか。反対の理由がなんか面白いな。しかも可愛いとかスラッと言えちゃうのはすごいけど。と思い少し笑ってしまう。「姉さん、私は本気で言っているのです。」とムキになる。「ごめんなさい。でも大丈夫よ。もし強引に言い寄られてもその相手を殴って逃げてくるわ。」と言い返す。ルークやほかのみんなも笑ってしまう。そして楽しいお茶会は幕を閉じる。数日後、剣術の授業がある。最近剣術の授業なかったから腕が鈍ってないか心配だけど頑張ろうと思いながら着替えて外に出る。剣術の先生が「今日の授業はいつも通り練習した後本気の模擬戦をしてもらう。今回はジェイド先生が直々にエミーリアの相手をしたいと言ってくださった。心して望むようにほかのみなも希望があれば相手になってくれるそうだ。戦い方の研究のためジェイド先生が相手になってくれる人は皆の前でやってもらう。」と説明があった。前騎士になるって言ったからかな。本気かどうか確かめたいのかも。頑張らないとと強く思い練習もいつもより気合いを入れた。そしてジェイドとの模擬戦が始まる。「それでは模擬戦を始める。」と大きな声で先生が言う。そして2人は一礼し剣を構える。構えて目を合わせたと同時に開始する。2人とも一気に接近し力ずよく剣を振るう。エミーリアはジェイドよりも身軽に動ける。それを利用し素早くジェイドの後ろに回り剣を首元へ近づけようとするがジェイドは剣を背中の後ろに回しエミーリアの攻撃を防ぎエミーリアの剣を蹴り飛ばし剣をエミーリアに向ける。「勝負あり。」と先生が言いジェイドは剣を下げ「ありがとうございました。」と一礼する。その後見ていた人達がざわつく「ジェイド先生強いんだな。」とか「魔法のイメージ強かったけど魔法なしであれかほんと謎が多い人だな。」と言っている中エミーリアに近づき蹴り飛ばしてしまった剣をエミーリアに返す。「とても良い戦いだった。腕を上げたなエミーリア。何とか勝てたが危なかった。もう少し早く動ければ次はなかっただろう。」と言う。その後シリウスやルシアン、他の生徒も挑むが誰一人として勝てなかった。やっぱりジェイド先生強いな〜。あそこまで強くなりたいと強く思うのだった。そして時は流れて夏休み。実は夏休み前にこんなことをエミーリアたちは話していた。あまりみんなで集まれることが少ないのでお昼を食堂でみんな一緒にとることにした時にエミーリアが「良かったら夏休みに下町で開催する七夕祭りに行きませんか?花火もあるそうですし。」と提案した。私もこの世界に七夕があるのは驚いたけど去年とかは忙しくてなかなか行けなかったから。それにみんな一緒に過ごせる時間が少なくなってるからね。少しでもみんなと過ごしたい。と思い提案するとみんな快く了承してくれた。そして今に至る。今日は七夕祭り当日、お忍びで参加するのだ。エミーリアたちは七夕祭りを満喫した。屋台を巡ったり願い事を短冊に書いたりと楽しい時間を過ごしもう少しで花火が始まるタイミングでみんなで歩いているとシリウスがエミーリアに「みんなで一緒に花火を見るのもいいですが2人で見たいのではぐれたことにして抜け出しませんか?」と耳打ちする。戸惑うエミーリアだったがシリウスがエミーリアの手を引っ張り連れていく。そしてあまり人気のないところに来る。走ったので多少息が切れている。「何とか間に合いましたね。そろそろですよ。」とシリウスが笑いながら言う。エミーリアも笑いながら「楽しみですね。」と返す。急だったけどこうゆうのも悪くないよね。さすがにしばらくしたら戻らないとだけど。と考えていると花火が始まる。大きな音であまり人の声が聞こえない。エミーリアは少し大きな声で「すごい。綺麗ですね。」と言いシリウスの方を向こうとする。はしゃぐエミーリアを見てシリウスが軽く口付けをする。それに驚いたエミーリアは「え?」とつぶやく。花火の音が鳴り響く。「すまない。我慢できなかった。」と照れながら言う。不意にエミーリアは目を逸らしてしまう。嫌とかじゃなかったけど、でもびっくりした。心臓の鼓動が高鳴る。ただ気恥しいだけな気がするけど…と思いつつもシリウスを直視できない。シリウスも少し焦ってしまった。我慢できないことなんてなかったんだがな。エミーリアといると調子が狂う。と思いつつ2人ともお互い直視できずにいる。そしてしばらくして他のみんなが来る。「エミーリア様!探しましたよ。どうされたのですか?急にいなくなってしまったので心配しました。」と心配そうにクラリスが言う。エミーリアは咄嗟に「人混みが多くてはぐれてしまったのです。」と言う。その後しばらくみんなは疑っていた。そんなこんなであっという間に時は過ぎていく。今日は夏休み後半である。エミーリアは王宮に来ている。その理由は夏休み前まで遡る。ジェイド先生に剣の相手をしてもらった後のこと。「エミーリア、夏休みに入ったらせっかくだし騎士団を覗きに行ってみるといい。職場体験のようなものだ。騎士団はシリウス殿下に頼むのが1番手っ取り早いだろう。」と言われシリウスに許可を取り夏休みの後半に行くことにしたのだ。そして今から騎士団のみんなに挨拶しに行く。シリウス殿下は今日は少ししか顔を出せないって言ってたけど忙しいのかな?でも今はそっちの方が助かるかも。下町の七夕祭りで少し話しずらくなっちゃったから。でもシリウス殿下があんなことされるとは思わなかったけど。って今は集中しないと。と思い騎士団の格好に着替える。髪も仕事がしやすいようにポニーテールにしている。そのまま騎士団の練習場に行き扉を開ける。そして大きな声で「この度騎士団の皆さんの職場体験に伺いました。エミーリア・フローゼンと言います。どうぞよろしくお願いします。」と少し緊張しながらも言う。すると1人騎士が駆け寄る。「君がエミーリアさんか。俺はこの第二部隊副団長のロットだ。よろしく頼む。」と言い握手をする。気のいい人で良かった。でもやっぱり気のいい人ばかりではなさそう。小さな声で「たかが令嬢がこんなとこに来るのか?」とか「ただの遊びだろう?」とか陰口を叩かれる。ロットは団員を睨む。すると多少収まるがまだ収まりきってはいない。1人の団員が声をあげる「おい、女ここは遊び場じゃない。やる気がないなら今すぐ出ていけ。」と威圧的に言われる。「おい、シルその言い方はないんじゃないのか?全員やる気がないとは限らないだろ。」とロットは言うが聞き入れようとしない。「大丈夫ですよ。分かっています。もちろんそれ相応の覚悟があってここへ来ました。ただの遊びではありません。それを今からお見せします。」と威勢よく言い返す。遊びと言われたことに対してエミーリアも怒っているのだ。シルは去っていく。ロットは「すまないね。エミーリアさん。見苦しいものを見せてしまった。最近人手が減っていてね。どうやら森で魔物が大量に現れたそうでこの第二部隊も半数ほどしかここにいなくてそして女騎士も今いないから参考になるか分からないそれと団長も今いないから俺が仕切っている。その事で皆少し不安に感じてるだけだと思うが…根はいい奴ばかりだから安心してくれ。」と説明する。なるほど。人手少ないのに魔物増えるのは大変だよね。しっかり仕事内容見ておこう。「じゃあ早速別れてもらおうかな。エミーリアさんは書類仕事を手伝って欲しい。午後から下町に行く。」それを聞いてエミーリアは「はい、了解です。」と言う。書類仕事か。大変そうだな。と思っていると数人を残して他の人たちはどこか行ってしまう。気になったエミーリアは「ほかの団員はどこへ行くのですか?」とロットに聞く。「他の人たちには朝の見回りを頼んでいるよ。いつも分担してやっているんだ。」と優しく説明する。なるほど。たしかに人手不足なら集団で行動するより小さめのグループを作って行動する方が効率的ですからね。と思いながら書類仕事を始める。エミーリアは棚の整理を任された。うわ、ごちゃ着いてる。ここに書かれている通りに並べないとだけどまだないのもあるから大変だ。と思いつつもロットの方が数倍忙しそうなのを見る。あの量の書類を一瞬で分けてハンコ押してる。早いな〜。流石というかなんというか。でもちゃんとダメなとこはここがダメって説明してるからしっかり読んでるんだろうな。他の人たちも棚の整理や書類の仕分け、それから許可が降りない書類を片付けている。こうゆうのも勉強になるからありがたい。と思いながら棚を整理する。すると1人団員が多くの本や資料を持っている。ロットが心配して「そんなに持ってって大丈夫か?」と聞くが「距離も近いので大丈夫ですよ。」と言う。どうやらエミーリアの整理している棚にしまう本が大半だそうだ。あの量の本が来るのか大変だ。することが無いよりマシだけど。心配そうにエミーリアはその団員を見つめる。その団員は体制を崩してしまう。いち早くそれに気づいたエミーリアは素早く駆け寄る。10冊ほど本が倒れようとしていてその団員もつまづき倒れようとしている。エミーリアはその団員を片手で支え右手と右足で書類や本をキャッチする。間に合ってよかった。けどこの体勢キツイ。「あの、大丈夫ですか?」とエミーリアは聞く。周りから「すごい」という声が上がる。その団員も「ありがとうございます。」と言い本と書類を受け取る。危なっかしがったので「半分持ちますよ。」と言って半分持ち軽々と運ぶ。他の団員たちも驚いている。ロットはエミーリアに「ありがとう。助かった。バランス感覚がいい上に素早いな。それは戦いにも活かせる。」と言う。エミーリアは嬉しそうにしている。褒められるの嬉しいな。よし、残りも頑張ろう。と思い書類仕事を終わらせ食事を副団長たちと取る。そして午後の仕事へ行く。剣を腰に刺し下町の見回りに行く。エミーリアの剣は真剣ではなく木刀だ。見習いのうちは真剣は使ってはいけない決まりである。3人1組に別れて見回りをする。エミーリアはロットとそれからシルとともに見回りをする。シルは機嫌が悪そうだ。そして見回りを続けていると路地裏で絡まれている人を見つける。ロットとシルは素通りする。エミーリアは疑問に思う。なんで素通り?気づいてないのかな?と思い2人に「あの、あの人は助けないんですか?気づいてないだけでしたら今すぐ」と言うが話の途中でロットが「もちろん気づいているがあのものは我が国の民じゃないからな。おそらく他の国から流れ着いたのだろう。可哀想だがそれに構っていてはキリがない。」と説明する。エミーリアはそんなのおかしいと思い「分かっているのなら助けるべきではありませんか?例え自国の民で無くても…」と言うがロットは聞き入れない「そのことを間違っているとは言わないが敵国のものであったらどうする?騎士の油断を誘うスパイであったら?助けたことによりこの国が危険に犯される可能だってある。綺麗事では人は救えないよ。」と言い返す。それはそうかもしれないけど実際そういう人間を前世で見なかったかといえば嘘になる。でも本当に困ってる人かもしれない。「ですがやはりこれは間違っていると思います。私は1人でも助けに行きます。」と言うとシルが「は〜、もういいだろう。いつまでその三文芝居を続けるつもりなんだ?」とロットに向かって言う。三文芝居ってどうゆう事?と思っているとロットが笑い出す。「いや、試しただけだよ。エミーリアさんを。団長から頼まれていてね。それで人を見捨てるようなやつなら騎士にいらないって。その機嫌があっても人を助ける。決して見捨てないのが我々が目指す騎士だ。綺麗事?上等さ。こんな仕事綺麗事なしじゃ務まらん。心配しないでもさっき絡まれてたのは騎士たちの芝居だから大丈夫だよ。」と笑顔で言う。そういうこと。良かった。最低な騎士団かと思っちゃった。シルは2人に向かって「続けるぞ。」と言うと歩き出す。「はい。」と言いエミーリアはついて行く。平和だな。絡まれてる人も全然見ないしたまに絡まれてる人がいてもすぐに助けに入るから大事にはならないし。と歩き続けていると子供が泣いている。ロットが駆け寄る「どうした?親とはぐれたのか?お兄ちゃんたちが一緒に探すよ。名前は?」と聞く。まだ5歳くらいの女の子だ。泣きながら「クルト。」と答える。「クルトか。教えてくれてありがとう。シル探すぞ。」とシルに言う。シルを見たクルトは余計に泣き出してしまう。「お兄ちゃん怖い。」と震えた声で言う。ロットは少し笑いながら「お前怖いってさ。いつも眉間にしわ寄せてるからそう言われるんだよ。にしても困ったな。すっかり怯えてる。」と言う。シルは軽く落ち込んでいるようにも見える。エミーリアがクルトに近づく。まずクルトの目線に合わせて座り「お姉ちゃんもお兄ちゃんたちも怖くないよ。ほらみて。」と言い水魔法を少し披露する。水で小さなうさぎを造形するとクルトは笑顔になる。「可愛いうさぎさん。」と言って元気を取り戻す。ロットは「すごいね。魔法をこうやって使ってる人あんまり見た事ないな。」と感心するそうしているとクルトの母親がやってくる。「お母さん、ごめんなさい。」と駆け寄る。母親は感謝してクルトを連れ帰る。その途中クルトが振り向き「お姉ちゃん、お兄ちゃんありがとう。」と笑顔で言われエミーリアは嬉しくなる。そして見回りは終了した。これでおしまいかなと練習場に戻りながら思っているとシルが決闘をしないかと誘う。ルールは学校の模擬試験と変わらない。騎士団でもたまにやるそうだ。エミーリアは多少戸惑うがせっかくの機会なのでやることとなった。副団長は多少心配そうに見ている。学園の練習通り一礼し剣を構える。そして副団長が「模擬戦を開始する。始め。」と言う合図で始める。剣と剣を強くぶつけている。もちろん真剣ではない。そこにシリウスとジェイドが少し遠くで眺めている。業務が少々早めに終わったのだ。なかなかしぶといな。そういえばこの国に昔から髪は女の誇りで汚されたり切られたりするのは最大限の侮辱と聞いたことがある。多少酷いことをするがこれで諦めるのならそこまでということだな。と思いエミーリアの髪を引っ張る。みんな髪について知っているので驚いている。もちろんエミーリアも驚いている。シリウスは止めに入ろうとするがエミーリアの真剣な表情を見て動きが止まる。ジェイドは「いいのか?」 ॑と聞くがシリウスは「エミーリアを信じていますから」と笑顔で言う。大半の令嬢であれば泣き崩れるか負けを認めるはずだがエミーリアは違った。一切怯まず一瞬で振り返り懐に入る。そして首元へ剣先を近づける。シルが「俺の負けだ。」と敗北を認める。副団長も「そこまで、勝者エミーリア。」と大きな声で言う。周りも「あのシルさんを倒すなんて。」と言う声が上がる。2人は一礼しエミーリアはシルに向かって「あんなことで怯むとでも思いましたか?髪を庇って命を捨てるなんて愚かなことしませんよ。例え模擬戦であろうと。最初にも言った通り覚悟があってここに来たのですから。」と笑顔で言う。シリウスは安堵している様子だ。エミーリアははっと気づく。私の方が後輩なのに生意気なこと言っちゃった。「ごめんなさい。生意気なこと言ってしまって。」と謝る。シルは「いい。俺も女だからと侮っていたからな。そこまでの覚悟があるなら俺はもう何も言うまい。」とエミーリアに言う。これで一件落着かなと思っているとシリウスとジェイドが来る。シリウスが「エミーリア、体験は勉強になったかい?」と優しく聞く。「はい。参考になりました。」とエミーリアは答える。ほかの団員は「殿下とどうゆう関係なんだ?」と混乱している。あれ?話してないのかな?シリウスも「話してないのかい?エミーリアは私の婚約者だよ。」と紹介する。副団長のロットは「あれ?話してなかったっけ?」と言うと団員たちは「聞いてませんよ。」と慌てて言う。その光景を見てエミーリアは笑う。面白い人たちがいっぱいいたな〜。来てよかったと思いながら帰っていく。シリウスも笑顔で見送る。エミーリアを見送ったあとシリウスの笑顔が一瞬消える。「さてと、シル話がある。来てくれるね。」とうっすらと笑みを浮かべるが空気が冷たい。そして夏休みは終わり学園がまた始まる。2回目の進路相談でジェイドに「ちゃんと家族とも相談するんだぞ。」と言われた。今日は三連休2日目だ。そのことを話そうとルークと一緒に実家に来ている。馬車の中で「付き合わせちゃってごめんね。」とルークに言う。ルークは笑顔で「全然大丈夫ですよ。」と快く言う。そんな会話をしていると実家に着く。久しぶりに家族4人で机を囲み昼食をとる。元々帰ることは伝えてあったが将来の話をすることは伝えていなかった。「お母様、お父様今日は相談があってきました。学園を卒業したら私は騎士見習いになろうと思っています。そして行く行くは騎士になります。」と真剣に言う。母は心配しながらも理由を聞く。父は反対気味だ。「騎士だって?業務も大変だし命の危険があるじゃないか。そんな危険なとこ心配だ。それに男ばかりだろう。やっていけるのか?」と父は心配そうに聞く。すると母は「質問攻めにしては答えられないでしょう。」と怒る。いつもの風景を見て安心する。「大丈夫ですよ。お母様。1つずつ答えますね。まず理由ですが将来人を助ける仕事がしたいと思ったのです。その上で今私が活かせること、好きなことを仕事にしたいと思ったのです。そして上手くやって行けるかどうかですが以前夏休みにシリウス殿下に頼んで王宮の騎士団に職場体験に行ったのですが皆さんいい人ばかりでしたよ。私に対して反対的な方もいましたが最後は決闘を通しわかって貰えました。上手くやって行けると思います。ちゃんと危険を承知の上でそれでも私がやりたいことをやりたいのです。」と言う。母はわかってくれたのか「本気でそれをあなたがやりたいというのなら私は止めません。途中で挫折してしまうようなら止めなさい。挫折しないと誓える?それなら許可するわ。」と聞く。おそらくお母様は私が本気かどうか知りたいのだろう。お遊びで言っているわけではないことをちゃんと証明して欲しいんだと思う。正直、騎士団に職場体験にいかなければ自身はなかったと思う。行ってて良かった自信を持って言える「はい。もちろん誓えます。誓います。」と言うと母は承諾してくれた。父も少し反対しているが母に言いくるめられ何とか承諾してくれた。後でルークに決闘ってどうゆう事ですか?と事細かに聞かれた。答えたら怒り出しちゃったから止めるの大変だったけど何とか止めれた。そして無事に家族にも相談できて本格的に将来を考える。時は過ぎていきもう季節は冬だ。冬休みが近い。今年の冬休みは家族での時間を増やすため実家へとルークと共に帰る。今日は実家の方で父が視察に行く予定だったのだが外せない予定が入ってしまったそうで私とルークが変わりに視察に行く。場所はこの国の辺境にある村で詳しいことは教えられていないが状況を見てそれを父に伝えて欲しいと言われている。村へ行き様子を見ると酷い有様である。以前この近くの村で大きな地震があり建物の修復などで資金を使ってしまったのだろう。道も結構がたがたである。その様子を紙に綴り現地の人の話を聞き何が足りないのかを紙に綴る。そして視察は終わり帰る途中で王都に少し近い村による。休憩のため立ち寄ったがリリーと会う。聞いたらこの村に実家があるようだ。母とリリーの2人で暮らしている。「もし良かったらリリーの家に行ってみてもいいかしら?いきなり押し寄せてしまうから難しいかもしれないけど…」と聞く。せっかくだからヒロインの家行ってみたい!ゲームでも家までは映像なかったからな〜。と思っているとリリーは少し迷ったような感じをしていたがすぐに「わかりました。大丈夫ですよ。こっちに来てください。」と案内する。リリーの家は一軒家である。中に入るとリリーのお母さんがいてクッキーを焼いている。「リリー、帰ったの?」と言い振り返る。するとエミーリアたちがいることに気づく。エミーリアが「お邪魔します。急に押しかけてすみません。リリーの友達のエミーリアです。こっちは弟のルークです。今日は視察で少し遠くの村に寄っていて休憩でここに立ち寄ったらリリーがいて案内してもらいました。」と丁寧に説明する。それを聞いて「あなたがエミーリアさんですか?話は聞いてますよ。頼りになる親友がいるって言ってましたから。」と笑顔で言う。リリーは少し恥ずかしそうに「お母さん。」と言う。リリーのお母さんは歓迎してクッキーを一緒に食べながら4人で話す。学園のことを中心に話す。時間になり帰ろうとする「今日はありがとうございました。また来ますね。」とエミーリアは言い去ろうとする。すると雪が降ってくる。雪だ。前世で全然見なかったからテンション上がる。積もってはないのの綺麗な光景にテンションが上がっている。エミーリアは手を伸ばす。「雪だ。ルーク雪だよ。綺麗。」とはしゃぐ。まるで子供のようにはしゃぐエミーリアを見てルークは「姉さん、はしゃぐ気持ちはわかりますが人前ですよ。」とやれやれという感じで言う。後ろでリリーとリリーのお母さんが笑っている。我に返ったエミーリアは恥ずかしそうにしている。やっちゃった。ついついはしゃいじゃったよ。と反省しているとリリーが「可愛いですよ。」と笑みを浮かべながら言う。続けて「また来てください。気をつけて帰ってくださいね。」と言いエミーリアは家に帰る。そして冬休みも終える。するとすぐにテストがやってくる。テストは専門学校へ通う人が大半だ。エミーリアのように職に就くものはテストと言うよりは見習いを卒業することがテストである。なのでエミーリアは今筆記テストはないが剣の修行は欠かさずしている。そしてもうそろそろ卒業の時期である。黒板にあと卒業まで1週間と書かれている。それを見てエミーリアはつぶやく「もうこのクラスともお別れか。寂しいな。」と言うとクラリスが「エミーリア様、今何か言いましたか?」と聞かれる。エミーリアはクラリスの方を向き「なんでもないの。ただあともう少しでみんなともお別れなのかなって思うと寂しくて…」と余韻に浸っているエミーリアを見てクラリスが「エミーリア様、私も寂しいです。ですが皆さん王宮に近いお仕事ですからまた会えますよ。というか休みの日にでも会ってまたお茶会とかしましょう。」と元気づける。それからというもの寂しい気持ちや名残惜しい気持ちもあるが時は待ってくれない。あっという間に過ぎていく。静かな教室。黒板にはあと卒業まで2日とかかれている。桜が学園の庭に咲いている。舞い散る桜を見ながらただエミーリアは寂しそうに静かに佇んでいる。

14章も読んで頂きありがとうございます。

次は「第15章 新たな道」です。

次回はいよいよ最終回です。お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ