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第12章 誘拐

カイルはエミーリアに「お前未来を見る力があるんじゃないのか?」と問う。エミーリアは混乱する。どうゆう事?未来を見る力なんてないのに。なにか勘違いしてるとか。とりあえず何か答えないと。「未来を見る力なんてありません。」と言い切る。真剣な顔だ。嘘はついてない。ほんとに未来を見る力なんて無いもの。カイルとゼインは怒っている様子だ。カイルが痺れを切らしエミーリアに剣を向ける。「そんなはずはないだろ。嘘をつくな。調査をさせたがお前が未来が見えているかのような振る舞いをしていたと言っていたぞ。本当のことを言え。」と怒鳴る。そんなこと言われても嘘ついてないし困る。それに調査ってなに?と思いながらも表情を変えずに「だからそんなこと知りません。調査ってなんなんですか?その調査が間違っている可能性だってあるでしょう。」と言い返す。するとさらに怒ったのか「そんなに怒らせたいのだな。人間。ダークエルフを舐めるな。」と言い顔に切り傷をつける。大抵の令嬢ならばこれくらいやれば怯む。だがエミーリアは一切怯まない。「この女、肝が据わってやがる。拷問の準備を。」と部下に言う。そんなに聞き出したいの?早く逃げないと。と思っていると。遠くから声が聞こえる。「何をしているカイル!人間を連れてくるなど。」と言い近づく。カイルは「ち、来やがったか、頑固親父が…」とつぶやく。もう一人ダークエルフが近づいてくる。着ている服が豪華だ。ということはダークエルフの長とか?そのダークエルフは様子を伺うとカイルに怒った。「カイル。この馬鹿者が、勝手なことをするな。どうせ理由も話さずに横暴なことをしたのだろう。」と怒りながら言う。続けてエミーリアの方を見て「今すぐ彼女の縄を解け。」と部下に命令する。いいの?というか親子でも言ってることが噛み合ってない。どうゆうこと?と混乱している。「すまないうちのバカ息子が、自己紹介がまだだったな。私はダークエルフの族長をしている。ラズだ。私たちには時間がなくてな。それで息子が暴走したんだろう。きちんと説明しろ!カイル!」とらずが言うとため息をして説明を始める。「ダークエルフの伝承によるとあと数年後にダークエルフは滅びる。そして未来を見る異世界人がダークエルフを救うと伝承で伝わっている。何か知っていることがあれば話して欲しい。」と言う。なるほど。そういうことだったんだ。理由はわかったけど知ってること何かあるかな?そういえばゲームにもダークエルフが出たとこがあったけ?そこには悪者のように書かれてて確か…そうだ!リリーを攫ってその事でシリウス殿下たちが怒って兵を出したってもしかしてそれで滅びたんじゃ…でも殺したとは書かれてなかった。シリウス殿下たちも怒っていたとはいえ人殺しはリリーも嫌がるしやらないはず…裏で殺処分した人がいるのかも。ダークエルフなら脅威になりかねない。それにその事件の後ダークエルフがゲームで出てくることはなかった。多分そういうことだ。だからリリーを攫わなければ大丈夫なはず。「私が知っているのは異世界でのゲームというものです。それをやっていたのですがこの世界はそのゲームの世界なんです。未来予知とまでは行きませんがなんとなくなら滅びる理由が分かります。そのゲームではあなたたちダークエルフが悪者として登場していました。」と言うとダークエルフたちが怒るがラズが諌める。「すまない。続けてくれ。」と真剣な眼差しで言う。エミーリアは続ける「それでおそらくですがある日この中の誰かがリリーという女性を攫ってしまうのです。ダークエルフが引き起こした事件なのか裏の人間が引き起こしたのかは分かりませんが…その攫った女性はたくさんの人に好かれていて攫ったことに怒った彼女を好いている人が兵を出して捉えるんです。全員。ですが滅びたというのはおそらく殺されるということでしょう。ですがその兵を出した人が殺したわけではないでしょう。おそらくほかの人間がダークエルフを脅威だと思い滅ぼしてしまったそう言うことだと思います。ところどころ推測交じりですが。」と説明する。ラズはなるほどと冷静にしているがほかのダークエルフは驚きを隠せていない。するとラズは「教えてくれて助かった。人間に騙されたもしくはダークエルフの暴走どちらにせよ愚かなのは我々も同じこと。気をつけよう。」と感謝している。カイルは不満そうな顔をして「俺は信じないぞ。全て人間が悪い。」と言うとラズが呆れた顔をする。「現実を受け入れろカイル。我々にも善悪は存在する。」と言う。続けてエミーリアに向かって「すまない。人間であるそなたに言うことでもないだろうが我々は人間に住処を奪われてきた。人間は違う種族と言うだけで迫害し森を切り開き行き場を無くして言った。もちろん我々にも悪い行いをする者もいる。とはいえそれは人間も同じこと。だからこそ人間を警戒しているのだ。」と言う。エミーリアは「それはお察しします。1つ聞きたいことがあるのです。先程カイルさんがおしゃっていた調査とはなんですか?」と聞く。カイルは不満そうに「2年前に伝承にもこの国にその転生者がいると書かれていて探した。すると突然魔力の流れが変わった場所がありそこを調査していたらお前を見つけたそれから未来予知ができることを確認するためしかけた。下町の路地裏の事件と妖精王の事件あれを起こさせたのは俺だ。金欲しさに人間は俺の言う通りに動いた。そこでお前の様子を観察したら未来を予測しているかのように行動していた姿を見てそうだと思った。そのことはすまない。」と謝る。そういうことだったんだ。到底許せる事じゃないけどそれでも「そういうことでしたか。正直怒っています。あのふたつの事件を引き起こしたことにですがそちらも事情があったということと負傷者が出なかったので今回は不問にします。そして私を元の場所に返して欲しいのです。」と言う。カイルは話すべきか迷う。自分の力では元に戻せない。ラズの力を借りなければならないのが嫌だったのだ。「不問にしてくれたことと未来のことを教えてくれたのは感謝しているが返すつもりはない。」またかとラズが呆れる。「拗ねてる場合でもないだろう。場所を教えれば私が道を開く。」と言うが聞く耳を持たない。どうしようと途方にくれているとダレスの声が直接聞こえる。「エミーリア様、大丈夫ですか?やっと魔法が繋がりました。今から族長に話をつけるので待っていてください。」と言うと声が消える。そしてラズと話をつけているようだ。話が終わると「エミーリア、道を開くこちらへ来てくれ。」と言うと森の奥に案内する。カイルたちもついて行く。ラズが魔法で転移魔法を作る。「これは一方通行のもの、私が直接みなに謝ることができない。それはすまない。今ここで謝らせてくれ。」と言う。エミーリアはこくりと頷く。「本当にすまなかった。事情があるとはいえしてはならないことだ。そして未来を教えてくれて感謝する。カイルも謝れ。」と言うと渋々「すまなかった。」と謝る。謝ってくれたし返してくれそうだしよかった。ラズが続けて「この借りはまた返す。困ったことがあれば言ってくれそなたに加護をさずけよう。私は既に加護を我が愛しの人に授けてしまった。加護は1人1度しかさずけられない本来伴侶につけるものだがカイル責任をとりお前が加護をさずけよ。」と命令する。エミーリアは焦り「そんな大事なもの受け取れません。本当に愛する人にしてあげてください。」と遠慮するがカイルはお構い無しに近づく。「そのことなら気にするな。俺は根が強い女は嫌いじゃない。もちろん責任をとるためだ。勘違いするな。」と少し慌てながら言う。なんというかツンデレなのかな?と少し笑う。するとカイルはそれを見て「笑うな。」と怒りながら言う。カイルが「まぁいい左手を出してくれ。」と言いエミーリアはおずおずと左手を出す。カイルは膝を地面につきエミーリアの左手にキスをする。エミーリアの顔が赤くなる。「これで連絡が取れるはずだ。怖がらせてしまってすまなかった。気が動転していた。」と言いエミーリアに近づく「また会おう。エミーリア。」と耳打ちし魔法陣に連れていく。そのままエミーリアは転移し元の場所に戻る。「エミーリア様!」と転移した途端に一斉にみんな呼ぶ。みんな心配そうに見つめている。エミーリアがみんなに向かって「心配おかけしてすみません。」と謝る。ルシアンが「エミーリア様のせいじゃないですよ。戻ってきてくれて良かったです。」と言うとみんな頷くリリーは泣きながら「本当に良かったです。」と言っている。そしてエミーリアが安心したのか気が緩む。そしてクラリスがエミーリアを見て慌てて「エミーリア様、大丈夫ですか?」と言い心配する。そう、エミーリアの頬に涙が伝っているのが見えたのである。エミーリアもそれに気づき「あれ?おかしいな。泣くほどのことされた訳でもないのにみんなの顔みたら安心して。」と震えた声で言う。そして真っ先にシリウスが駆け寄りエミーリアを抱き寄せる。「本当に戻ってきてくれて良かった。」と安堵している。エミーリアはその言葉を聞き余計に泣き出してしまう。なんで?前はこんなこと怖くもなかったし攫われるのもよくあることだったのに。怖いなんて感情子供の時以来で忘れていた。忘れてるほうが幸せだったのに余計な感情なんてない方が楽なのに…と思うと涙が止まらなくなったシリウス殿下は強く抱きしめエミーリアも同じように抱きしめながら「殿下、わた、私、怖かった。」と本音をこぼしながらなく。そしてこの騒動があったためしばらく実技試験は延期となった。そして学校側の防御設備が強化されエミーリアたちの力は充分見れたので全員合格となった。ダレスはと言うと教師が来る前にいつも間にか姿を消していた。面倒事になると思ったのだろう。そして数日後に筆記も合格だと分かりひとまず安心する。あの後めっちゃ心配された切り傷のこともだけど手に縄の後が着いていたみたいでそれも心配されたし…とはいえダークエルフさんたちも事情があったこと、人間のしてきたことを説明したら今回はお咎めなしという結論に至った。それは良かったけどあれからずっとシリウス殿下たちが離れない。心配なのはわかるけど移動教室の度1人は近くにいる感じ。護衛みたい。ルークなんて学年違うのに移動教室の度に来るから学園ではすっかり噂になっている。「そんなに張り付かなくても大丈夫ですよ。」とエミーリアが言う。シリウス、ルーク、リリーが着いてくる。ルークが「またさらわれる可能性だってあるかもしれない。みんな心配なんだよ。」と優しく言う。それは分かってるけどさすがに毎回は…でも心配してくれてるのは嬉しいな。あの時泣いたことは恥ずかしいから忘れて欲しいけど。でも驚いたな下町の路地裏の事件と妖精王の事件の黒幕がカイルだったなんて。ゲームのシナリオもそうなのかな?って考えても分からないよね。それから3週間後冬休みがやってくる。2年生もあと少しか。3年生の自覚ないな。そして今もみんな心配して張り付いている。前よりは緩んだけどまだ噂が消えない。冬休みに入る少し前にクラリスがエミーリア達に提案する。「良かったら冬休みみなさんで遊びませんか?」と嬉しげに聞く。するとルシアンが「いいですね。ですが外で出かけるのはまだ危険ですから室内の方がいいでしょう。」とさらに提案する。冬休みか。確かこのくらいの時期ならうちでパーティーがあったはず。室内だしパーティーと言っても楽しむこと重視で作法はあんまり重視されないからちょうどいいかも。「それなら私の家に来ますか?ちょうど冬休みはパーティーがあるんです。パーティーと言っても軽めのパーティーなので作法はあまり気にしなくてもいいですよ。」と提案する。セリーヌが「それはいいですね!パーティーは夜ですか?夜でしたらお泊まり会にしても良さそうですよね。」と嬉しそうに言う。確かに!それいいかも!「でしたらそうしましょ。日にちはまたお伝えします。」と言うとみんな乗り気だ。楽しみなこと増えると嬉しいな。そして冬休みに入る。冬休みに入って少しした頃加護に反応がある。なんか光ってる?と思った瞬間頭の中に直接カイルの声が聞こえてくる。「エミーリア、元気か?」と聞く。エミーリアは不思議そうにしている。「元気ですけどどうかしました?」と恐る恐る聞く。「ただ気になっただけだ。何もないならいい。」と言う。他にやること無かったのかな?それなら会話続けた方がいいよねと思い会話を引き伸ばす。「そういえば気になってたんですけどダークエルフの寿命ってどれくらいなんですか?」と聞く。ゲームでもそういう設定明かされてなかったし書物でも結局曖昧だったから何気にずっと聞きたかったんだ。「個人差にもよるけどだいたい1000年くらいだ。」と答える。エミーリアは驚く。「1000年ですか?」と心の声が大きくなる。「そんなに驚くことか?ダークエルフにとっちゃ普通のことだ。人間はそもそも弱すぎんだよ。」と答える。確かにそうか人数は少なめだけど寿命は長いってこと?「カイルはどのくらい生きてるの?」と興味本位で聞く。「俺はまだそんな生きてねぇよ。200年くらい?ダークエルフは寿命長いからあんま歳数えないんだ。代々な。」と言う。なるほど!それにしてもめっちゃ年上と考えていると「お前は?」とカイルが聞く。「私は前世含めると40年くらいかな?前世が24くらいで今が16だから!もうすぐ16なんだけど。」と言うとカイルは驚く。「短、まだ赤子じゃねぇか。」と言うとエミーリアは確かにと笑う。「いつなんだ?誕生日。人間は生まれた日祝うんだろ。」と言われ気づく。誕生日かいつだっけ?よく考えたらパーティーの日じゃん。「えっと…あと4日後。」と言う。もうそろそろだな。じゃあ覚えてたらその日どっかで連絡するわ。じゃあな。と通信が切れる。ついつい長話しちゃったな。たまにはいいか。そして4日後、パーティー当日。そしてエミーリアの誕生日だ。もちろんルークと両親は知っているがほかのみんなはエミーリアの誕生日を知らない。朝、みんなが馬車でエミーリアの家まで来る。それまでに支度を済ませ待っている。両親からはもう既に祝われた。そしてどうせならと今日のパーティーをエミーリアの誕生日パーティーも兼ねたものにすることにした。みんながやって来る。「今日は来てくれてありがとうございます。」と優しい声で言う。すると後ろから「いらっしゃい。」とエミーリアの母が言う。続けて「今日はエミーリアの誕生日パーティーも兼ねているから祝ってあげてね。」とさりげなく言う。すると一同固まる。次の瞬間みんな一斉にエミーリアに聞く。「今日なんですか?誕生日!」その圧にエミーリアは押される。そういえば言ってなかったな…「はい。」とおずおずと言う。母が「言っていなかったの?」とエミーリアに聞く。横から父が「エミーリアの誕生日も知らないとは婚約者と言ってもその程度か。」とシリウスに対して言う。この2人は仲が悪い。シリウスが微笑みながら怒っている。すると父の横から母が「あなた!」と怒った様子で言う。「すまない。」と母の怒りに気づき謝る。そんな光景を見てみんな笑い出す。いつもの光景だけど一緒に笑い合える人多いの嬉しいなと思い両親が言い合っているというより父が一方的に怒られている間にエミーリアは「今のうちに部屋行きましょうか。ああなると長いので。」と少し笑いながら言う。そして自分の部屋に案内する。「ここが私の部屋で隣がルークの部屋です。寝室はこの2つの部屋で分けようと思ってます。1人より大人数の方が楽しいですし。」と言う。そして説明が済んだあと「せっかくなのでチェスしませんか?やったことある人どれくらいいます?」とエミーリアが聞く。するとシリウスが手を挙げ「チェスなら得意だよと言うと続けてクラリスが「私も得意とまでは行きませんができますよ。最後にルシアンが返事をする「私も以前やったよ。」と言う。意外と経験者多くてよかった!「じゃあ最初は経験者同士やりましょうか?」と提案する。続けて「私とルークは少しなら経験あるのでルール教えながらやりますね。」といいエミーリアとルークでチェスを始める。その後経験者、未経験者の順で始める。チェスをやりながら楽しく話していると侍女がドアをノックする。「エミーリア様、そろそろパーティーの準備を…」と侍女が言う。エミーリアははっと気づき時計を見る。「もうこんな時間、そろそろパーティーの準備しましょうか?」といいドアを開け侍女を招く。エミーリアの指示に従い女性は侍女と一緒にドレスのある部屋へと案内される。男性も同じように使用人に案内される。そして服装を選び、それを着たり髪を結ってもらったりする。その最中また日常会話など話して楽しく過ごす。そして準備が終わりパーティー会場へ行く。シリウスたちの方が先に終わったので先に向かってて貰っている。エミーリアたちも会場に向かい合流する。お芝居の時とおなじ髪型で2つお団子を作って後ろに少し髪を残している。ドレスはお芝居の時とは違い赤色だ。その姿を見てみんな目を奪われてしまう。そんな中パーティーが始まる。父が「本日は集まっていただき感謝します。本日娘の誕生日でもあるので良ければ祝って貰いたい。またこのパーティーでは誰が誰と踊っても構いません。ぜひ色んな方と踊ってみてください。」と大きな声で言う。その後しばらくエミーリアはみんなに祝われ会場にいる人達にも祝われた。その後クラリスが「エミーリア様、踊っていただけませんか?というより皆さん踊りたいそうなので交代で踊ろうかと。ただ1曲ずつですと時間がかかってしまうので数分おきに交代しましょ。」と提案される。なるほど?そういうこともできるのか。「ですが私男性パートは踊れませんよ。」と心配そうに言うとセリーヌが「大丈夫です。こうゆうこともあるかと思いちゃんと男性パートも練習してきました。」と言うとクラリスとリリーも頷く。エミーリアがそれを聞いて安心したのか笑顔で「それなら踊りましょう?」と提案する。まずはクラリスと踊る。少し会話をしながら踊っている。続いてセリーヌだ。セリーヌは学園の話を中心に話している。そしてリリーも少し手こずりながらも踊る。何気ない会話をする。そして次はルークだ。ルークとは練習の時以来な気がする。あの時より随分上手くなってる。「ルークは飲み込みが早いのね。以前より格段に上手くなってる。」と微笑みながら嬉しそうに言う。そこからも少し話、一旦休憩を少し挟んで今度はルシアンと踊った。「こうしてエミーリア様と踊るのは初めてですね。それと今日は一段と美しいです。」と平然と言う。エミーリアは少し顔を赤らめる。どうして平然と言えるの?でも確かにルシアン様と踊るの初めてだ。結構合わせてくれるから踊りやすいな。自分のペースで踊れる。と思いながら時間はすぎていき次はレオだ。レオ殿下とは少し気まづいけど踊るの初めてだし楽しみだな。と思いレオの手をとる。2人とも気恥しい様子だ。そんな空気に耐えられずエミーリアが「レオ殿下と踊るのも初めてですね。」とぎこちない会話をするとレオが「そうだな。踊り慣れてなれないからさっきからバランス崩してばっかでごめん。」と申し訳なさそうに言う。エミーリアは少し笑い「大丈夫ですよ。私がリードしますから。」と言う。一気に距離が近づきレオは動揺する。そんな中踊り続けて最後にシリウスだ。シリウスはほかのみんながよそ見している間に庭にエミーリアを連れ出す。「あそこは人が多いからここがいいな。音楽も聞こえるしね。それにエミーリアと二人の時間を過ごしたい。」と堂々という。暗い中でシリウスからはよく見えなかったがエミーリアは顔を赤くしていた。次の瞬間シリウスが地面に膝をつき手を差し出し言う「私と1曲踊っていただけませんか?」と。エミーリアは手を取り「はい。」と答える。殿下の踊り方リードしてくれる感じがして心強いな。と思っているとエミーリアが体制を崩しシリウスに抱きついてしまう。もう既に何曲も踊っていて疲れたのだ。慌ててエミーリアが離れる。するとちょうど月明かりが刺しシリウスの表情が見える。いつもは感情を表に出さず平然としているのに今は赤面しながら手で口元を抑えエミーリアから目を逸らす。ドキッとエミーリアの心臓が高鳴る。そしてシリウスが表情を見られてることに気づき隠すようにエミーリアを抱き寄せる。耳元で「かっこ悪いところを見せちゃったな。忘れて。」と言うがエミーリアは「可愛いですよ。そんな反応されると思いませんでしたけど忘れたくありません。」と答える。いつもと反応が逆になっている。そうしてそろそろ戻らないといけない時間だということに気づき戻る。みんなにどこに行っていたのか問い詰められたエミーリアだったが何とか誤魔化した。そしてパーティーは幕を閉じる。その後すぐ入浴する。男子風呂と女子風呂に別れているので大勢で入浴できる。使用人がいると話しずらいことがあるかもしれないので外で待ってもらっている。「エミーリア様、先に入ってますね。」とセリーヌがいいクラリスとリリーも連れていく。そして3人で喋っていると隣の男子風呂から話し声が聞こえる。セリーヌがあることを思いつき2人に悪い顔をして耳打ちする。2人は最初ほんとにやるの?と言う顔をしたが次第に了承した。そしてエミーリアが入ってくる。「お待たせ。待たせちゃってごめんなさい。」といい慌てているとセリーヌが仕掛ける。「エミーリア様の肌白い。」と大きな声で言う。エミーリアは急に大きな声出してどうしたんだろ?そんなに驚いたのかな?と思いつつ「そうかな?」と聞く。そう言ったあとすぐにセリーヌは「ずっと気になってたんですけどレオ殿下とキスはしたんですか?」と聞く。「え?それは…」とエミーリアは少し驚き答えるか迷っている。隣の男子たちも聞いている。レオを覗いては。クラリスが「誰にも言いませんから教えてください。」と潤んだ目で言う。エミーリアは断りきれず小声で「多分ですけどした、と思います。」と恥ずかしげにする。するとセリーヌが大きい声で「したんですか?」と言うので途中でエミーリアがセリーヌの口を抑える。「声が大きいです。」と隣を心配そうにしながら言う。もちろん隣にもバッチリ聞こえている。それを聞いた途端レオの方を見て冷たい視線を送りルークが「後で話を聞かせて欲しいな。先輩?」と微笑みながら言う。内心怒っているようだ。リリーがエミーリアに「もしかして初ですか?」とわくわくしながら聞く。エミーリアは学園祭前のルークとの事を思い出し「それはその…」と微妙な返事をする。セリーヌは「その反応、初めてじゃなさそうですね?誰としたんですか?」と聞かれる。それはさすがに…言って大丈夫なのかな?そもそもわかってない可能性もあるし、と考えている。小さい声で「向こうは覚えてない可能性もありますよ。寝ぼけていたっぽいので、えっと…ルークです。」と言う。スルト3人は騒ぎ「何時どこでしたんですか?経緯が知りたいです!」とリリーが食いつく。男子の方も聞こえてたみたいでみんな冷たい目でルークを見る。エミーリアはみんなの押しの強さに押されて「えっと…学園祭準備の時お庭でルークが寝てて頭痛めないように膝枕してたんですけどルークが起きて突然。多分寝ぼけてたんだと思います。」と説明する。余計に騒ぐリリーたち。隣のシリウスたちは静まっている。詳しくは寝る前に話すことになったのだ。そして扉の前で待っている使用人は楽しそうだなと思い嬉しそうにしている。そしてどっちもお風呂から上がり合流する。顔を赤くしている男子たちを見て「顔赤いですけどのぼせました?」と心配する。セリーヌたちは成功と喜んでいる。その後すぐ部屋に行き話をする。男子の方ではレオとルークへの問い詰めが始まっていた。そんな中エミーリアは「恋愛のことは一旦置いておきましょう。」と提案する。そこでクラリスは「でしたら卒業後どう過ごすのか知りたいです。未だに実感は湧きませんがもう3年生ですからね。」と少し寂しそうな表情を浮かべる。そうか。もう3年生なんだ。みんなの進路によってはばらばらになっちゃうだろうし寂しいな。卒業後か。卒業パーティーで国外追放される私には無縁だと思っていたけど。国外追放されたらどこか平穏な場所でのんびり暮らしたい。でももし追放されなかったら?これまでゲームと違うシナリオもあってその可能性もあるけど…そうなったら何になろう?学園自体は3年で卒業だ。そこから専門的なことを学びたいものは4年間専門学校に通う。それ以外は現代風にいえば就職か弟子入りもしくは家業をつぐものも多い。考え込んでるエミーリアを見てクラリスが「なかなか決めれませんよね?まだ日にちもありますしゆっくり決めていきましょう。」と言う。その後同じベットに4人並んで寝る。寝るまじかまでエミーリアは将来について考えていた。私はせっかくなら前世でできなかったことをしたい。人を助けるとか、何かこの力を人のために役立てたい。もちろん自分自身を守らないと誰かを守ることなんてできないし心配かけたり足手まといになりたくない。そういう人助けできる職業ってなんだろ?今度調べてみようかな!と思いながら眠りにつく。そしてそのまま冬休みは終わっていきついに3年生真近である。例年と同じ通り今年も新入生歓迎のパーティーがある。エミーリアはその前日にあることに気づく。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

次は「第13章 事件」です。

3回目の新入生歓迎会パーティーそこである事件が起こる。

次回もぜひお楽しみに。

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