だんだん使いこなしてきた気がする!
一先ず私の魔法はちゃんとかけた時のままってことがわかった。
わかったからには色々とやりようはある。
なので安心してオークを倒してゆくことにした。
先ずは近くにいる2体を土魔法で囲って圧縮してみる。
これはさっきのオークと同じやり方なんだけど…サーチで見てみたらちゃんと赤い点が消えてるので倒せたということらしい。
「…ふむ、こっちに気付いてないオークに圧縮魔法かけてみるかな?」
それから私は、赤い点が少ない場所を転々としつつ魔法を使っていった。
焦りも人質の心配も無い今の私はとても冷静だ。
冷静だとこんなにも簡単に倒せるのか…。
「よし!」
サーチで周辺を見てみても赤い点はない、あるのは人質の青い点だけになっている。
わたしはやり切った…‼︎
自分自身に脳内は賞賛のあめあられ。
そう、あとはレイちゃんを見つけるだけだと、青い点がある場所に向かったのだった。
◇
「レイちゃん‼︎」
「セイラ‼︎」
最後の土壁の中にレイちゃんは居た。
4分の1で最後を引くとは…私の運は良くないようだ。
お互いに涙ぐんで抱きしめ合う事数秒。
私はもっと抱きしめ合いたかったけど、レイちゃんが我に帰ったらしく、物凄い勢いで離れてしまった…。
「ご、ごめんなさい…つい、えっと、嬉しくなっちゃって…」
耳まで真っ赤にさせながらそんなことを言われると、何だかこっちまで気恥ずかしくなるのは何故なのだろうか?…世界の真理である。
そんな私達の感動の再会だが、問題は山積みなのだ。
その問題は、人質の皆様の事。
最初の一ヶ所目の人達と同様、皆が皆泣いて怯えて土壁の中から出てこようとしない。
外にオークはもう居ないと伝えても、それまでの恐怖が拭いきれないようで、きっと、出てくるのには途轍もなく勇気が必要なのだろう。
だから私は一先ず皆に洗浄魔法と収集してた果物を渡し、後で迎えにくるとだけ伝えてここに来たのだった。
物語のようにすぐに行動してくれるとか無いらしい…困った。
私はレイちゃんに他の場所にいる人たちのことを話し、どうしたらいいか相談することにした。
「…難しい問題ですね。」
「そうだよね、どうしようかなってさ…」
「近くの街に騎士がいると思うので、その方達に報告するのがいいとは思うんですが…」
「そうすると、どうやったのかーって聞かれるよね…」
「そうですね、根掘り葉掘り聞かれちゃうと思います…」
「「うーん…」」
「あの…」
2人でどうしたものかと悩んでいたら、レイちゃんと一緒の土壁の中に居た女性が声をかけてきた。
「もし良ければなんですが、代わりに私がお伝えしましょうか?」
「え?」
女性が突然話に割り込んできた事にも驚いたが…皆が皆、恐慌状態で話なんてできる状態じゃ無いと思っていた私は驚いた。
そしてその提案は渡りに船だと思い、女性…ニーナさんにお願いをする事にした。
私達はニーナさんを含めた三人で街まで行くことになった。
なので土壁の中にいる人達に騎士を呼んで来るのでこのまま隠れていて欲しいことと、私のことは内緒にしてもらう事を了承してもらった。
まだ子供達は恐怖が抜けきらない様で泣き喚くばかりだったが、大人の女性達は少人数だけれど落ち着きを取り戻していたので安心ができた。
土壁のドアには私が魔法をかけ、ニーナさんが近くにいないと触っても開かない様にしてみた。
ただし、一度限りなのでニーナさんが開けた後は何度でも開く。
初めはニーナさんが開けないと開錠されない様にと思ったけれど、騎士様達が「危ないので下がっていてください」とか言い出したら困るのでそうした。
どうせ道案内でニーナさんは同行するだろうしね。
そうして私達は三人で街へと向かったのだった。




