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潔癖症の私が気付けば世界最強に〜この世界で黒髪は絶世の美女扱いらしいです〜  作者: 猫崎ルナ
2章 異世界オーク怖い

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神様!魔法の匙加減がわかりません!




「…はっ!」


 唐突に目が覚めた。


 この感覚は目覚まし時計を止めて、あと5分…と二度寝をした後にヤバイ!と飛び起きた時のあの感覚だ。昔よく経験したやつだ。


 この場合は気絶から覚めたと言う方が適切だろうか?

 いや、今はそんなことを考えてる場合ではない。



「あの後村は?!」


 私は急いでサーチ魔法を使うが、よくわからない。

 人質の点の周りにオークの点が群がっている。


「これじゃあどうなってるかわかんない…!」


 人を表す青い点の横に赤い点があったり、赤と青が重なり合っていたりもする。

 これは魔法があの後継続しているのか、そうでは無いのかがわからない。


 自分がどれだけ気を失っていたのかは不明だが、太陽の位置からしてそう長くは無いはずだ。


「一先ず近い場所に行ってみよう」


 私は覚悟を決めて、村の中へと行く事に決めた。

 思い出すだけで怖いし、嫌悪感が酷くて鳥肌が立つけど…私は助けると決めた子は絶対に助けたい!!


 そして自分自身を鼓舞し、血がついた服と体に洗浄魔法をかけ、「えいさっ!」と木の枝から飛び降りるのだった。




 ◇


 周りにフラフラしているオークと対面しないよう、慎重に足を進めて数分。

 私は今、オークの村にやってきた。


 オークの村を言葉で表すならば 臭い、怖い、汚い の三拍子である。

 兎に角、鼻が曲がりそうな程の腐臭と獣臭さがあたり一面に広がっているうえに、地面には汚物が落ちていたり、何かわからない骨や肉の残骸が落ちていたり…。

 もう、色んな意味で心が折れそうである。


 枝から降りてからずっと自分に浮遊魔法をかけ、ふわふわと浮いた状態で目的地へと向かっているのだが、この判断は英断だったと思う。魔法…ありがとう!


 人質が居る建物の近くに到着した私は中の様子を伺おうと思ったのだけれど…ドアが閉まっている。

 窓?みたいなものはあるにはあるのだが、それは道がひらけた方にあるので、そこから見ようとすれば他のオークに簡単に見つかってしまうだろう。

 サーチで見れば、人の反応は3でオークの反応は2。


「…いけるかな?どうかな?」


 私は自分に向かって『透明になれ、透明になれ』と魔法を使ってみる。…透明になったのか全くわからない。…仕方がない。


「女は度胸っていうものね」


 そう、女は度胸である。成せばなるのだ。私は最強の魔法使い。いける、いける!


 …もはや暗示だ。


 そうして心を決めた私は、目の前のドアをバーンと豪快に開けたのだった。


「ぐ?ぐぐ?」

「ぐぁ?ぐぐぐぅ?ぐ?」


 突然開かれた扉に驚き、こちらを向いて何かを喋っているオーク二体。言葉は勿論わからない。


 その二体はキョロキョロと辺りを見回しながらこちらへと近いてくる。

 私はゆっくりと中へと入り、壁伝いに奥の方へと進んでゆく。


(透明成功してるし!!)


 私の心の声は大喜びである。


 オークの方に視線を向けつつゆっくりと奥へ、すると奥の方に土の壁があった。


 最初は壁かと思ったそれはよく見れば土壁で、つまり私の魔法はキチンと発動していたようだ。


 一応オークから見え辛い位置に立ち、土壁にドアでろー!と念じてみる。

 すると魔法が成功し、土でできた小さいドアができた。

 私はゆっくりとドアを開け、中を覗いてみる。


 するとそこには5人の人がいた。

 2人は床に伏せていて、残り3人は端の方で怯えたように身を寄せ合い震えている。


 私は口元に指を当てつつ静かに部屋に入り、ドアを土壁へと戻す。…オークが入ってきたら嫌だしね!



 土壁に囲われた部屋に防音魔法をかける。

 多分成功してるはずと思いつつ、私は部屋の中にいる人達に向けて声をかけた。


「一応助けに来たのですが、何か情報はありませんか?」


 私の言葉を聞いた三人は一瞬驚いた後、その瞳に涙を滲ませてゆき、最後は子供のように泣き出した。


「話は聞けそうにないかぁー…」


 私は一先ず果物を三人の前に置き、後から迎えにくるからと言い残してから次の場所へと向かうのだった。


 因みに倒れていた2人はお亡くなりになってしまっていたので、丁重に土魔法で囲いを作っておいた。

 後から埋葬する為でもあるし、3人の心の為でもある。

 土魔法で囲いを作る時、私の心はちょっと重くなった。…知らない人でもやっぱり悲しくなった。

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