んー
私達は1日半程かけて街へ行く事に決めた。
歩き始めてから早数十分…レイちゃんが物凄く怒ってる。
「もうっ!何でセイラはすぐに走っちゃうんですか!」
「ご、ごめん。なんか光ってるキノコあったから…」
光ってるキノコを見つけて採取すれば怒られ。
「ちょ、ちょっと!セ、セイラ!」
「あ、すぐ終わるから!」
昨日も見つけた川を見つけたから急いで食料確保に向かったら怒られ。
「セイラ!声掛け!!!」
「ごめん!一瞬だからって思って」
歩いてる方向が合ってるか、周囲に異変がないか見る為に大木のてっぺんに登れば怒られ。
ーヒュン!ドーン!
「討伐!」
「セイラ凄い!」
ただ、魔物が出て瞬殺した時は目を輝かせつつ盛大に褒めてくる。
…レイちゃんっていいお母さんになりそうだ。まぁ、私が適当過ぎるのかもしれないけど。
そんなこんなで数時間経ち、私達はレイちゃんの村付近に到着した。寄らないけどね!
でも、もしかしたらって事もあるから一応聞いてみた。
「ねぇ、無いとは思うんだけどさ?レイちゃん村に寄りたいとかある?」
「ないですねー、個人的な持ち物とかも無いですし。寧ろ気まずくなるので早く此処から離れたいですー」
あっけらかんとした様子で返事をするレイちゃん。
その横顔を盗みみても、その心情はわからない。
…まぁ、出会ったばかりなんだしな。踏み込み過ぎるのもちょっとね。
私達は少し村から離れた場所を通り抜けることにして、歩きだしたのだった。
それから夜までの間は特にこれと言ったことはなく、二人で会話したり、採取したりしながら歩き続けた。
初めの頃は何をしても注意されてた私だけど、途中から悟りを開いたのか何も言われなくなった。困った顔をされるだけ。ご、ごめんって…
「そういえば、街に入るのって身分証とかいるのかなぁ?私持ってない」
「僕もよく知らないですね…同じく何も持ってないですし」
夜になり、またまた太い木の枝に囲いをつけて二人で座って会話をしていた時のことである。
そういえば街に入るのに必要な物とかあるのだろうかと思っての呟きだったのだけれど、レイちゃんはその呟きを聞いてから同じく悩みだした。
私達は現状、身分証も荷物もないとっても怪しい二人組なのだ。
普通に考えてみると、どこの誰かもわからない女二人組が魔物の蔓延る森の中からやってくるのだ。怪しさしか無い。
そして荷物も持ってない、なのにやけに身綺麗なのだ。更に怪しい。
そして金だけは持っている。
…怪しい。怪し過ぎる。
その金があれば手荷物でも普通は買うだろうと絶対思われるし、私でもきっと思う。
「ね、ねぇ、私達って拷問とかされないよね?」
「えっ!?拷問ですか?!何故?!!」
私はとても不安になり、レイちゃんに話しかけたのだが、レイちゃんは唐突な私の言葉に驚いていた。まぁ、言葉のチョイスを間違えた感は否めない。
「だってさ…よく考えたら私達って怪しく無い?」
「…怪しいと言われれば怪しいですね」
「「…。」」
うんうん唸りながら腕を組み、両目を瞑って顎を上げる私達。その姿は第三者から見れば仲の良い姉妹に見えただろう。




