ぐすっぐすっ…お、おいたわしい…
あれから私達は木の上に登り自己紹介をし合った。
どうやって登ったのかって?そりゃあ私が先に登ってから来い来いと魔法を使ったらなんか浮いてきたのよ!フフン
私的に多分、重力と風の魔法かなぁと予想してる。ふわっときたからね!ふわっと!
その時の女の子の姿ったらもう、月夜に浮かぶ天女の様で…思い出すだけでも、もう、課金できる!!
そして自己紹介をした訳なんだけど、この子はレイって名前らしい。
なんとこの子は偶然にも私が目指そうとしていた村で産まれたらしい。なんだか運命を感じる気がする…。気がするだけだけど。
何であんなとこに居たのかって思ってたんだけども、話を聞くと何か飢饉がどーとかで捨てられたんだってさ…。
ちょっと顔面の破壊力が凄すぎてぼうっとしちゃってたから話半分になっちゃったんだけれど、とりあえず村の人達に腹が立つ!
まあ、仕方がないのかもしれないけどさ?!こんな小さくて可愛い女の子を一人森の中に捨てるってなんなわけ?!
なんかもっとあれよ、近くの村のそばに捨てるとか?えっと…ちょっと良い案が浮かばないけどさ!!なんかもっとやり用があったんじゃないかって思うわけよ。私の心が荒ぶっちゃうよ!
「えっと、なので、僕は…助けてもらって嬉しいのですが…何もできない子なんです…」
そんな事を悲しげな表情を隠しつつはにかんで私に伝えてくるのよ?こんなん無理じゃない…?
しかもこの子、僕っ子なのよ。可愛いのこんぼだどん!
そんなん、もう、もう…うちの子になりな!ってなるのは必然じゃない?!だから…
「私ちょっと、えっと…遠…いや、記憶がなくて?よく分からないからさ、一緒に旅…しない?」
なんて事言っちゃったりしちゃうじゃない?!
私こそ何でこんなとこに一人で居たのかって聞かれたら困るし、ちょっと訳あって遠くから~って言おうかと思ったけどさ、遠くってどこからってなったら困るし、常識とかないし、記憶がない事にした。
だってさ、どんな理由があったら女一人で遠くまで一人旅するんだってなるじゃん?
私の服装とこの子の服装で全く文化?みたいなものが違うのが明白な訳だし?
ここら辺でこんなパーカー着てる人絶対いないし?
この子とかなんか、なんか…うう…おいたわしい…。
だってさ?この子、どんな服着てると思う?麻袋みたいな服よ?ガッサガサなのよ?もう、かわいそう過ぎるじゃない?
こんなん肌とか痛くなっちゃうよ…早めにどうにかしてあげなければ…!あぁ!なるほど!課金どころはここなんだろうか。はい。喜んで課金させていただきます。可愛い服を売っている街はどこですか?
「え?えっと…?あの?」
あぁ、いけない。一人でいる時間が長かったせいで脳内語りが多くなってしまってた。
レイちゃんはちょっと訝しげに私のこと見てる様な気もしないけども仕方がないじゃない?本当のことなんて言ったら最後、この人変質者じゃんって目で見られそうだもの。仕方がない。
嘘も方便って言うじゃない…?
え?ちょっとまって?私の表情が危険だった訳じゃないよね?獲物を狙う肉食獣みたいになってなかったよね?
私は自分の顔面の筋肉を信じるしかない。よし、気を取り直して話の続き続き。頑張れ私!
脳内トリップしてた私はこほんと一度咳払いをしてから話を続けた。…盛大に猫を被りながら。
「あ、ごめんね?ちょっと考え事してて…で、どうかな?無理ならどこかの村?とか街?まで一緒に行ってから解散するとかでも大丈夫なんだけども」
「あの、えっと…ぼ、僕でよければ…」
そんな明らかに怪しい私に対し、レイちゃんは顔を耳まで赤くしながらはにかんで私に喜んでと言った。
いや、言ってない。妄想が入った、危ない…。
そんなこんなで、今日から私達二人の異世界生活が始まったわけなのです!
レイちゃんからしたら全然異世界生活じゃないけどね。




