【興行】卑怯!ビューティ・コネクション
10月16日、幸福園ホール大会(前話と同大会)
タッグマッチ20分1本勝負
七瀬雅&アヤメ vs 久保渚&海原まりん
新人離れしたパワーとレスリングテクニックを併せ持つ久保に対し、七瀬はヘッドシザースやアームドラッグなどのメキシコ式プロレス、ルチャ・リブレのテクニックを使って距離をとった戦いを見せる。だが久保もやられたままではいない。七瀬がロープに走ったところを追いかけてショルダータックル、動きを止めたところでフロントスープレックスに繋ぎ堂々と対応していく。
アヤメは海原に対してはエルボーやブレンバスターなど正攻法で押していくが、久保相手には膝へのドロップキックからのニードロップ、久保が仕掛けようとしたブレンバスターを背後に着地して回避し逆さ押さえ込みなどでフォールを狙うというテクニカルな動きで翻弄。
しかし最後は七瀬が捕まり、海原のフィッシャーマンズスープレックス連打から久保の渚ボンバーで3カウントを奪われた。
○久保渚 (9分22秒、渚ボンバー→片エビ固め) 七瀬雅×
タッグマッチ30分1本勝負
望月登子&リリス渡部 vs MACHIKO &レイナ・シエロ
数日前に無差別級のベルトに挑戦し敗北したレイナ・シエロだが、敗戦のショックはなさそうな様子で入場。
望月が得意の蹴りでMACHIKOを蹴り倒し、シエロに出て来いと挑発する。しかしそこをMACHIKOが隙ありとスクールボーイで丸め込み、あわや3カウント。そしてMACHIKOが望月を場外に叩き落すと、そこにシエロがコーナーポスト最上段からプランチャを放つ。そしてMACHIKOと二人掛かりでストンピングを見舞っていった。
中盤、渡部がコブラツイストやスリーパーホールドなどでねちこくMACHIKOを締め上げる。するとシエロが背後を向けていた渡部に向かって水の入った2リットルペットボトルを投げつけた。渡部は振り向いてシエロに詰め寄るが、シエロもどこから飛んできたのだろう、というようなジェスチャーを見せて笑いをとる。しかも、その渡部の背後から今度はMACHIKOが近づいて逆さ押さえ込みでフォールを奪おうとする。あわてて返す渡部だが、そこにシエロのミサイルキックが叩き込まれる。波状攻撃を受けた渡部、たまらず転がってリング外にエスケープした。
終盤は望月とシエロが激しい攻防。シエロが複雑なメキシコ式関節技、いわゆるジャベで望月を攻めるが、望月もギブアップすることなくこれに耐える。そして逆襲のキックをシエロの胸板に叩き込み、膝をつかせる。そしてそこに走りこんで再び強烈なキックを胸板に放つと、さすがのシエロも後ろに蹴り倒された。それでもシエロ、望月がフォールしようと近づいた所を捕まえて、必殺の複合関節技「シエロロック」で望月にギブアップを迫る。渡部がカットしようとするがこれをMACHIKOが食い止める。粘った望月だったが、耐え切れずギブアップすることとなった。
○レイナ・シエロ (14分44秒、シエロロック) 望月登子×
タッグマッチ 30分1本勝負
芹沢すずな&松井香織 vs 前田麗子&豊嶋奈美
赤コーナー側『ダブルドラゴン』芹沢&松井のタッグ対、青コーナー側の同期タッグ、前田・豊嶋組の『ファニーウィングス』という組み合わせ。
芹沢は幼いころからテコンドーを習得しており、アクロバティックな蹴りを得意とする。また、前田はプロレスラーになってからキックボクシングジムに通い、多彩な蹴りを習得している。スタイルが違うとはいえ、お互い蹴りを得意とするもの同士、序盤から激しい蹴り合いとなった。しかしコンビネーションに勝るダブルドラゴンが、徐々に早いタッチワークを駆使してファニーウィングスを翻弄。
松井が豊嶋を肩車し、そこにコーナートップから芹沢が飛び蹴りを放つコンビネーション、『ドラゴンズインパクト』を決めて流れを決定的にすると、最後は松井がクロスアーム式パワーボム、ブラックドラゴンドライバーで豊嶋を沈めた。
○松井香織 (13分23秒、ブラックドラゴンドライバー) 豊嶋奈美×
メインイベント シングルマッチ30分1本勝負
氷室いずみ vs ヴァイス高峯
高峯がゴングと同時に前に出て、無表情に握手を求める。氷室はいぶかしみながら手を伸ばしては引っ込める、という動きを数度行うが、高峯は微動だにせず。ならばと手を差し出した氷室だが、ここはやはりというか、高峯がその腕を取り脇固めに極めていく。氷室、前転からこれを振りほどいて回し蹴りを放つが、高峯はこれを紙一重でかわし、さらに強力な張り手を氷室の横っ面に叩き込んだ。倒れこんだ氷室を見下ろしながら腕を突き上げる高峯へ、会場からは歓声半分、ブーイング半分といったところ。
氷室のローキックで動きが止まった高峯に、続けざま氷室は胸板へのキックを放っていく。蹴り倒された高峯へ氷室が馬乗りになると、マウントの掌底から腕ひしぎへ繋ぐ連携技でギブアップを迫る。が、これは高峯ロープエスケープ。
五分五分の展開のまま15分が過ぎていく。両者とも試合を決めようと大技を繰り出す展開になる。氷室がジャーマンスープレックスを放てば、高峰はチョークスラムで反撃し、一進一退。ところが、膝立ち状態の高峯に、氷室が得意のランニング式ニーアタック「ケルベロス」を放とうとロープへ跳んだところ、その足を高峯のセコンドの華山がひっかけて転倒させ、MACHIKOとともにリングへ乱入。レイナ・シエロがレフリーの注意をひきつける間にMACHIKOが氷室に機材を入れるためのプラスチックボックスで殴りかかる。倒れこんだ氷室をすかさず高峯が押さえ込み、3カウントが入ってしまった。これには会場から大ブーイング。しかし高峯、余裕の笑みを浮かべてどこ吹く風。
そして高峯がマイクを持つ。
『幸福園のみなさん、残念でしたわね、この大会はわたくしたちビューティ・コネクションの勝利によって締めくくりですわ。これぞ天啓、これぞ真実。これが私たちの実力ということ。よく覚えておきなさい』
しかしこれには氷室もマイクを要求して反論する。
『何が実力ですか、汚い乱入をしておいて』
『あら、助けに来てくれるお仲間もいない方は嫉妬深くていけませんわ。さて氷室さん、こうして直接対決でわたくしが勝った以上、あなたの持つベルトへの挑戦、もちろん王者として受けていただけますわね?』
『久々に私からシングル戦勝利を得て舞い上がっているようですね。このような勝利で世迷い言を…と言いたいところですけれど、いいでしょう、身の程をわきまえるという言葉はあなたにはないようですし。次の挑戦者、ヴァイス高峯で受けて立ちます』
おお、と会場がどよめく。
『ですが高峯、覚えておきなさい。このベルト、卑怯な乱入などされたところで渡すことはありません』
『結構、そういう気概がある王者から奪ってこそのベルト。しっかり磨いておいて下さいな』
言い捨てて高峯はビューティ・コネクションのメンバーを引き連れ、退場していくのだった。
○ヴァイス高峯 (17分59秒、片エビ固め) 氷室いずみ×
キャラクター名鑑 vol.14
リングネーム:豊嶋奈美 本名:豊嶋奈美 身長:164センチ 階級:重量級
出身:鳥取県 スポーツ暦:水泳
得意技:ムーンサルトプレス、ジャパニーズオーシャン・サイクロン・スープレックス
概要:毎日の砂丘ランニングで足腰を鍛え、業界ナンバーワン団体である大日本女子に入団。シャングリラ旗揚げに当たって、次期エース候補として引き抜かれた。柔軟性のある体から繰り出されるスープレックス、抜群のバランス感覚と強力な足腰のバネから繰り出される飛翔殺法を得意とする。
冗談が好きなのだが、たまに冗談に聞こえないようなことも言う。




