ビクトリアピーク
有名な観光名所へ行ってみた話
シャワーを浴びて体も気分もサッパリ。
冷蔵庫で冷やしておいたドリンクをサイドテーブルに置き、そのままベッドにダイブ。
ゴロンと寝転がり、なんとなくスマホを手に取った。
「明日か〜。どうしようかな……」
街歩きしながらローカルな店にふらっと入る?
本屋巡り?
それとも買い物でもするか?
う〜ん。どれもワクワクするけど、なんか違うことしたいな。
「たまには観光地に行ってみるのもアリか」
とりあえず『香港、観光地』と検索をかける。
香港人気No. 1観光スポット
『ビクトリアピーク(太平山)』
ビクトリアピークか〜。
そういえば、行ったことないな。
よし、明日はここへ行こう。
確か、夜景が有名だったはずだけど、あんまり混んでるのもな。
まぁ、昼間でいいだろ。
おっ、往復のピークトラムと展望台がセットになったチケットがスマホで買えるのか。
便利じゃん。
ポチッ。
あっという間に、当日使えるQRコード付きのチケットが画面に表示された。
明日はこれで大丈夫だな。
相変わらず日差しは強くて、ジメッと蒸し暑い。
山の上に行けば少しは涼しいかも?
今日は久しぶりに観光地に行くからか、なんか少しだけソワソワしてる。
足取り軽く、フェリー乗り場前に着いた。
「確か、ここから……バスが出てたはず」
目の前にはずら〜っと並ぶバス停が。
順番に見ていくと、一番奥に『PEAK』と書いてあるバス停を発見。
『PEAK』の文字の横に、バスと山のイラスト。
なんかかわいいな。
「うん、これだ」
おっ、ちょうどバスも来た。
タイミングバッチリ。
ドアが開き、早速乗り込む。
オクトパスカードをタッチして、そのまま階段を上がり二階へ。
「おっ、一番前の席が空いてる」
これはもう、一番前に座るしかないでしょ。
迷わず前へ行き、とりあえずスマホで一枚。
今日は出だしから順調だな。
思わず口元が緩む。
バスがゆっくりと走り出す。
やっぱり二階席って見晴らしがいいな。
おっ、観覧車。
そういえば乗ったことないな。今度、夜景を見るために乗るのはいいかも。
フェリーターミナルを通り過ぎて、バスは街中を走っていく。
昔ながらのビルって色合いがカラフルだけど、なんでなんだろう?
あの建物、白と水色の壁面に黄色の窓枠がかわいいけど……。
あっ、小学校なのか。
日本とは違う街並みを見てるだけでも楽しい。
バスは緩やかな坂道を進んでいく。
少しずつ、周りの景色も木が多くなってきた。
まぁ、ビクトリアピーク自体、山だしな。
トラムの乗り場も山の中腹ぐらいなんじゃないか?
道も少しずつ、勾配がきつくなってきた。
カーブを何回か過ぎた時だった。
ふと視線を遠くへ向けると……。
「え?ちょっと待って……」
なんでビル群が遠くに見えるんだ?
明らかに標高が高い。
というか、山を登ってるよな、これ。
だって、俺、ビル群を見下ろしてるんだが……。
ちょっと待てよ?
これ、もしかして……。
目に入った看板を見て、全てを理解したよね。
『→ The Peak 山頂』
「……マジか」
そういえば、山頂までのバスもあるって聞いたことあったような……。
え?
ちょっと待って。
俺のピークトラムの往復チケット……。
そうか。
一旦、オクトパスカードでトラムに乗って降りたらいいのか。
で、チケットを使ってまた上がってこればいいと。
さすが俺。
完璧じゃん。
ということで、せっかくだ。
バスならではの景色を楽しまないとな。
こんな山の上にも住宅あるんだ。
え?スーパーまである。
そんなことを思ってるうちに、山頂へ到着。
バスを降りて、商業施設の中を通り抜ける。
飲食店やお土産屋さんがたくさんあるけど、とりあえず後回しだ。
「おっ、やっぱりちょっと涼しいな」
建物から出ると、さすが山の上。
風が通り抜けて気持ちいい。
市街地の暑さと比べると、かなり過ごしやすい気がする。
思わず伸びをした。
さて……。
広場を突っ切り、一目散に歩いていく。
『ピッ!』
ロープで仕切ってある通路をぐるぐると進んでいくと、目の前には緑色の車体が止まっていた。
車内に乗り込み、窓際の席に座った。
午前中の早い時間に下りのトラムに乗る人は少ないのか、車内はガラガラだ。
程なくして、ゆっくりと走り出す。
……
「戻ってきた!山頂!」
よし、展望台に行くか。
これ、どこまで行くんだ?
エスカレーターに乗って、上へ上がっていくのはいいんだけど……。
もう何回、ぐるぐると回ってるんだか。
おっ、改札みたいなのが見えた。
QRコードを読み込ませると、最後のエスカレーターを昇っていく。
「やっと着いた!」
少し強めの風が吹き抜けていく。
広場も十分涼しかったけど、展望台まで上がると、風の強さが全然違う。
体感温度も一気に下がった気がする。
景色も360度見渡せて、うん、ここまで来て良かったな。
トラムから降りた瞬間、もわっとした湿気に包まれる。
やっぱり麓へ降りてくると暑いな。
でも、思った以上に急勾配で楽しかった。
駅を出て、坂道を下っていく。
あっ、トイレだ。
とりあえず行っておくか。
「……え?」
ここ、トイレだよな?
男子トイレと女子トイレの間。
コンクリート打ちっぱなしで、いかにも屋外の施設って感じの殺風景な空間。
そこに、明らかに場違いなものが……。
「……アンティークの……椅子?」
いや、椅子が置いてあることはあるよ。
でも、それってプラスチックの簡易的なものとか、あってもその程度のものだろ。
でも、目の前にあるのは飴色の木製フレームが見事な革張りの椅子。
フレームの彫刻も見事で、ふかふかの座面は座り心地が良さそう。
何より、これ、新品なんじゃないかと思えるぐらい綺麗なんだよ。
木の艶も革の張りも見事で、ほとんど使われた様子もない。
明らかに場違いなんだけど、でも、妙に馴染んでる。
……なんとなく、座るのはダメな気がして。
写真だけ撮って、その場を立ち去った。
今日は、なんだかんだ、色々あったな〜。
そんなことを思いながら歩いてると、ふと気づいた。
……あれ?
俺、ビクトリアピーク……二往復した?
チケットを無駄にしたくないと思ったけど……。
もしかして、損してる?
「マジか〜」
でも、まぁ、楽しかったからいっか。
ばね指治療中のため、ゆるっと更新になります。
続きも気ままに書いていきますので、ブクマやリアクションなどいただけると、やる気が出て更新が早まる…かもしれません♪




