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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第四章 光の王冠と土精王国
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Ep92 国宝がぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ

「あっはっはっは、まだまだ、甘いわね」


 サナの周りでは、リザードマンにエルフ、ドワーフと多種多様な種族が倒れていた

 全員、微妙に動いているので死んでいるわけではない




 ユーノラが王冠に認められてから2日

 あっという間の王の交代に、民衆は未だに戸惑っていた


 城は戦闘の為、内部はともかく入り口付近はボロボロ

 兵士たちの大半は怪我で入院

 ゼオの派閥も未だに存続している


 そんな状況で早々に戴冠式を行うのは不可能であった


 代わりに掲示板などでユーノラが王になったことを布告してはいるものの、噂や憶測も働き情報が交錯しているのであった




 その為、異種族であるサナ達も安易に外に出るとトラブルの元となる為、王城に治療も含めて滞在していた




「なんで、そんなに元気なのよ」


 風香がジト目でさっぱりした表情のサナに問いかける

 ある意味一番激しい戦いをしていたのが、サナであり

 怪我も相当していたはずである

 しかし、包帯などは全く見えないし、さっき戦っていた時の動きもよどみがなかった


「えっ? あんな怪我、薬草かじって、ご飯食べて、寝れば治るでしょ」


 サナは「何言ってんの?」と言いたそうな驚きの表情を浮かべる


「いやいや、普通は治らないでしょ」


 風香は未だに折れた包帯で巻きの右腕を見せつけるように話す


「あー、そう言えば、『自然治癒力増加』みたいなスキル取ってたわね」


 あははは、とサナは笑う

 どう見ても、スキルだけとは思えない回復力だが、風香は突っ込まないことにした


「それより、ただでさえ兵士少ないのに……ユーノラさんが嘆くわよ」


「大丈夫よ、3時間もすればまた元気に戦える程度にしか痛めつけていないわ」


 向こうに見える死屍累々の状況はとてもそうには見えないが、きっとそうなんだろう

 説得しても無駄だと既にあきらめているので、心の中でユーノラに「ごめん」と風香は謝罪した


「で、あたしに何か用があったんじゃないの?」


「あーそうだったわ、それなんだけどね……




「よく来てくれた」


 この間までとは違い、女性用の礼服を着込んだユーノラが笑顔で出迎えてくれる


「新しい武器をくれるって言ってたけど、忙しいんじゃないの?」


 サナが人並みに気を使ってる!

 風香はこっちへ来てから一番驚いたが、言葉にするのは寸でのところで我慢した


「なに、忙しいことは確かだが、恩人である君たちに報いる事をおろそかにしていいものではない」


「真面目ねぇ、で、その武器は?」


「ああ、生憎私はそういうことには詳しくなくてな、後ろの宝物庫は開いているから、好きな物を褒美に持っていくと良い」


 ユーノラが座っている玉座の裏を指で示す


「ユーノラさん、それは国宝とか」


 あわてて風香が確認する

 後ろの扉の中ということは、王冠があった王家の宝物庫ということだ

 中にはそれこそ一生遊んで暮らせちゃうレベルのお宝もあることだろう


 それを好きに選んでいいというのだ

 大盤振る舞いも良いところだ


「なに、問題ない。というより、現状君たちの功績に見合う褒章がないんだ」


「でも……」


「風香はあまり実感がないのかもしれないが、君たちはこの国の革命の立役者なんだ、私も君たちのおかげでこうして玉座に座っているわけで、だから遠慮する必要は本当にない、好きに見て行ってくれ」


 これ以上とやかく言うのも失礼だろう

 風香自身も盾を失ってしまった為、この申し出はありがたい


 それに、サナのあの剣を越える代物は、いくら鍛冶の国とは言えそうそう見つからないと思っていた為、また剣を折っては買う生活かと絶望していたところだった

 

「じゃあ、サナ行きましょうって、いない!」


 風香がユーノラと問答しているうちに、サナは先に宝物庫に行っていたようだった

 本当に、戦いの事になると行動が速い


「私も手伝おう、風香のその腕では大変だろう」


「いや、でも」


 流石に王様をこき使う訳にはいかず、慌てて否定するが


「何、私と風香の仲ではないか、それにこの2日間仕事ばかりで、羽を伸ばしたいんだ」


「まぁ、そういうことならお願いするわ」


「ああ、任せてくれ」


 女性というのを隠すこともあり、気軽に話せる友人が殆どいないユーノラにとって、風香は気を張らなくて良い信頼できる存在になっていた




 パキンッ

 ペキンッ

 ボキンッ


 風香とユーノラが宝物庫へ入ると、奥から金属の割れる音がする


「っ! この音って」


 慌てて音がする方に走っていく


「な、なんてことだー!」


 奥の方では、サナが剣を試し振りしていた

 そして、周りにはへし折れた剣が既に20本ほど

 因みに、どの剣もドワーフ王国の宝物庫にあったやつだ


「サナ、何やってるのよ」


 風香が真っ青な顔で、サナに問いかける

 既にユーノラは横で「あははー剣が真っ二つだー」と現実を受け入れられなくなっている


「何って、試してたのよ」


「それでなんで剣が折れるのっ!?」


「いやー、頑丈な剣が欲しくて、そこの壁試し斬りしたら折れたわ」


 宝物庫ということもあり、周囲の壁はめちゃくちゃ固い金属でできていた


「んー、剣さえあればこの壁斬れそうなんだけどね」


 そして、えいっと剣を振り、また折れる


「あー、けんがぽっきぽきだー」


 あはははーと死んだ目でユーノラが見てる


「っサナ、ストップストップ! あぁ、ユーノラさん、戻ってきて」


 ユーノラを風香が片手でガクガク揺らして、正気に戻そうとしていると、頭の王冠が輝く


「ふむ、ここにある剣じゃ、今のおぬしに見合うものなどないじゃろう」


「何でよ? 宝物庫なんでしょ」


「昔はあったが、今は見た目重視の物しかない。まぁ、色々あってのう」


 ドワーフの神ジノがキッパリと言う

 そうじゃなと、ジノが思案気な声を出し


「それなら、エルフの隠れ里に行くと良い。そこにお主の望む人物も向かっているようじゃぞ」






「戴冠式見て行かないんっすか?」


「別に意味ないでしょ、それに私は早く新しい剣が欲しいの」


「ん、いつもの団長」


「サナ、普通の剣はいっぱい貰ったけど大切にね」


 国宝の剣を30本くらいへし折ったが、ユーノラが普通の頑丈な剣を魂の抜けた顔で代わりにくれた


「まぁ、出来る限り……」


「サーナー!」


「っ、わかったわよ」


 一行はエルフの隠れ里目指して出発するのであった


予約投稿なんでし

これにて、4章エピローグ終了なんでし

後はおまけで色々書いていくんでし


読んでくれてありがとうなんでしー


(ユーノラのお父さんと、最初に運び込まれた猛毒は近日中におまけで話に入れます

ぶっちゃけ、冗長だったんでカットしました)

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