Ep86.5 叩けメタルボール
しばらくヒロたちのシーンを書いていないので、追加しました
「師匠―、腕がとれそうでしー」
「何を言っているんだ、まだまだだ」
リーフが文句をたれる
全く、修行が足りない
たった12時間ほど、金属を叩いていただけじゃないか
エルフの森に向かう途中、俺たちの目の前に動く金属、もとい金属の様なモンスターが現れた
識別結果は
メタルボール
<ランク3>
球体状金属生命体
生体が謎に包まれた、謎の生き物
倒すと金属の塊になる
大きさは、サッカーボール程度だろうか
ぴょんぴょん跳ねながら、山を登っていた
果たして識別にスキルポイントを割いた意味はあるのか不明だが、とりあえず素材になるらしい
カバ太とリーフと3人で囲んでタコ殴りにしたら、斧が3本ぶっ壊れたあたりで、動かなくなった
謎の金属の塊
品質:1 レア度:1
メタルボールの死骸
叩き方によって、成長する金属
成長度合いは技術者の腕による、腕があれば凄い化けるよ、まぁ腕があればね
よし、とりあえず鑑定は俺に喧嘩を売らなければ気が済まないようだな
やってやろうじゃないか
カバ太とリーフには休憩と言って休みにして、その場に腰を下ろすとガーラントの所で作ったハンマーで叩きまくった
10分後
ボロッ
急に金属の塊が砕けた
慌てて鑑定する
謎の金属の塊の成れの果て(アイテム)
品質:0.9 レア度:0
メタルボールの死骸
叩き方が悪く壊れた
腕のない職人が叩きすぎるとこうなる、腕のない職人がね
イラッ
「あれ? 師匠どうしたんでしか? 顔は笑ってるのに、目が全然笑ってないでしよ」
「……カバ太、リーフ、今日はここに泊まる」
「うー?」
「なに、ちょっと俺の職人魂に火が付いただけだ、カバ太はあいつをたくさん倒して連れてきてくれるか? お前の蹄ならあの金属の塊位余裕だろ?」
「うー!」
だだだだだっとカバ太が森の中に走っていった
これで、素材の確保は大丈夫だろ
「えっと、リーはどうすればいいんでしか?」
ポツンと取り残されたリーフが、自分を指さして俺に聞く
「お前は、ここに拠点を建築するんだ」
そう言って、建築材料をストレージから取り出してリーフの前に積んでいく
「えー、リー1人でやるんでしかっ?」
「当たり前だ、それくらい一人でやれなくてどうする? これは修行だ、いつも俺に手伝ってもらわないとダメなままじゃ、立派な職人になれないぞ」
「はっ! そうでし、リーは立派な職人になるんでし、やってやるでしー!!」
よし、これで俺は集中してあいつの加工に専念できる
カバ太が狩ってくるまで、あの失敗したやつを調べて、上手くいかなかった原因を考えよう
それから、しばらくしてカバ太が3匹ほど捕まえてきた
どうやら結構周りにいっぱいいるらしい
それなら研究のために人手は多いほうがいいな
家を建てて満足そうに胸を張ってクルクル飛んでるリーフの頭をひっぱたいて、加工作業に参加させた
そして、現在に至る
今、一番いい出来の物は
魔法銅(素材)
品質:2 レア度:3
メタルボールの死骸を加工したもの
一応最低限の加工に成功しているとできる素材
まぁ、とりあえずギリギリ何とか素材になったって感じ
最後の一文はむかつくが、ちゃんと素材になることは分かった
まだ全てを解明したわけではないが、いくつか法則があるようだ
叩く数
叩く場所
叩く間隔
等々
リーフより先に素材化できたのは師匠としての面目躍如ではあるが、さっきあいつが作った魔法銅は品質4だった
……納得がいくまでは、やりまくろう
決して悔しいわけじゃない、うん、マジで
ちっ
……足を使った方が力が入るのか、試してみよう
なんでも全力一直線のカバ太が既に100匹以上メタルボールを倒してきてくれているから、素材も時間もいくらでもある
ふはははははは
おまけ(リーフから見た師匠)
今、リー達はエルフの隠れ里に向かってるらしいでし
けど途中で、キラキラする丸いモンスターに出会って、いつも通り囲んで倒したら、突然師匠が死体をハンマーで叩き始めたんでし
毎回師匠の行動はよくわからないでしけど、ああなった師匠は何か凄いものを作るまで止まらないんでし
リー達の事完全無視でしけど、凄い勉強になるんでし
リーが住んでた里ではこんな刺激的な体験は出来なかったんでし
しばらく横で観察してると、モンスターの死体が突然ボロボロになって崩れたんでし
ひぃ、師匠目が笑ってないんでし
いや、リー1人で拠点作るんでしか?
そうでしね、リーの実力を見せてやるんでし
どうでしか師匠、リーの実力に驚くんでし!
えっ、リーもそれ叩くんでしか?
拠点は……まあまあ
どこが悪いんでしか
師匠のと比べても……
えっ
あっ、そこは
うっ……はい、手を抜いたんでし
……
もっと、精進するんでし
ボコボコに指摘されたんでし
ずっと死体叩いてたはずなんでしが、なんでわかるんでしか
厳しすぎるんでし
あの、はいっ、すぐに作業に取り掛かるんでし
ガンガンガンガンガン
おぉ!
なんだか今までとは違う感じになったんでし
ひぃ、なんでしか?
一瞬師匠の方から寒気が
サボってないでしよ
手が疲れたから、足でハンマー持って叩いてただけでし
師匠も足で叩き始めたんでし
リーになんだかんだ言って、師匠も腕が疲れてたんでしね
リーも負けないんでし!
読んでいただきありがとうございます




