↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第四章 光の王冠と土精王国
88/113

Ep84 素直になれない

「申し訳ありませんが、当館にそのような方はいらっしゃいません。お引き取りをお願い致します。それと当館は本日深夜より、東よりの外壁の工事を行いますのでくれぐれもお近づきにならないよう、重ねてお願い申し上げます」


「いないのね、それがわかれば十分よ」


 屋敷の執事と思しき壮年の男性からピシャリと拒絶されたサナは、あっさりと引き返していった。



「確かに、姐さんがあんなにあっさり帰るなんて、普通じゃないっすね」


「だから言った通り」


 遠くからサナの様子をツナ吉とシーチの二人は伺っていた


「それじゃあ、さっそくこちらも準備をしてしまおう」


 そう言うと、ユーノラは使用人達にテキパキと指示を出し始める




 夜、二つの影がユーノラの屋敷に向けて駆けていく

 明かりも増え、監視の目も厳しくなった王宮区を先頭の影は躊躇することなく、大胆に進んでいく


「ちょっと、サナ、こんなにとばして大丈夫なの」


 建物の陰で立ち止まったタイミングを見越して、風香がサナに問いかける


「ふっ、そうそう見つかるつもりはないわよ。それに見つかったらその時は、暴れるだけよ」


「はぁ、いつもなんでそんなに戦いたそうなのよ」


「生きがいだからよ。ほら行くわよ」


「ちょっ、急に走り出さないでよね」




 2人はサナの希望に反して、ユーノラの屋敷の東側まで無事到着した

 屋敷の壁には、今朝まで無かった足場が組まれ、周囲を布で目隠しされている

 

「中に気配があるわね、3、5人ね、2人はなかなかうまく気配を漏らさないようにしているみたいね」


 サナは笑みを浮かべた後、腰の剣に手をかける


「サナ、戦いは起きないわよ。そんな悲しそうな目で見ないでよ、というか昼間説明したでしょ」


 そんな風香の言葉に、サナは不思議そうな顔で見返す


 朝方サナにここまで来させたのはもちろん風香である

 いくらツナ吉がいるとはいえ、単独でここまで警備の目をくぐってたどり着くことはできない

 ならば考えられることは協力者がいた、もしくは無理やり連れてこられたとなる

 わざわざ王国に逆らった挙句、他種族を救うメリットがあるように思えないけれど、風香はかくまってもらえていると考えていた


 なので、サナに一芝居打ってもらい、ツナ吉とシーチの状況を確認してもらったのである

 そして、風香の予想通り、サナは追い返された

 あえて不要な情報を一緒に聞かされて


 相手も脱獄犯である以上、まさか正面切って会う訳にはいかない

 なので、こうやって裏で会おうと言う訳だ




 サナと風香が布の覆いの中へ入ると、そこには見知った顔が2人


「姐さん、風香さん、やっぱり来てくれたんっすね」


「団長、風香…………ありがと」


「2人とも無事で、よかったわ。ほらサナも」


「ええ、でもその前に、あなた達は何者かしら」


 サナの視線の先には3人の人物


「私は、ユーノラ、ユーノラ=ベッケルニ、このドワーフ王国現国王の甥に当たるものだ。ツナ吉君とシーチさんには脱出を手伝って貰って、感謝している。お互いに積もる話もあるだろう、立ち話ではなく、屋敷の方で改めて話すのはどうだろう」


「王族……ね、その割には護衛は他種族なのは興味深いわね」


「我らはっ」


「やめなさい、ヴォント。はい、彼らはとても頼りになる護衛です。今回も心配して着いてきてくれました。警戒させてしまったのなら謝罪する」


 ユーノラの後ろに控えた護衛の一人、緑の鱗が全身を覆った男がサナに食ってかかろうとするが、ユーノラが止めに入る

 サナも、ユーノラの話を聞いて表面上は納得したのか、肩をすくめて剣から手を離す


「ちょっと、何やってんのよ」


「いったいわね、ちょっとした挨拶じゃないの」


「いやいや、姐さんの挨拶は洒落にならないっすって」


「団長、ステイ」


「ほう、あんた達このあたしに意見とはいい度胸ね」


「いやちょっと姐さん待って欲しいっす、ほら、シーチも一緒に謝って」


「団長、怒り過ぎはよくない、肌が荒れる」


 伸びてくるサナの手にツナ吉とシーチは身をすくめる


 ポン


「全く、勝手に出歩くんじゃないわよ」


 軽く二人の頭に手を載せて、サナはそのままユーノラに付いていってしまった



「素直じゃないんだから」


 その様子を見ていた風香は一人ため息をついて呟いた


読んでくれて、ほんとにありがとでしっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。