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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第四章 光の王冠と土精王国
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Ep80 乙女は規制をかけて穴を掘る

一応モザイクはかけてありますが、お食事中の方は読まないことをお勧めします。

 パリンッ


 サナの蹴った石が窓を突き破る


「ちょっと、サナ、何やってわきゃ」


「風香黙って、舌噛むよ」


 蹴った石とは反対方向に、身を縮めて音も無く駆け出す

 人一人背負ってるとは思えないスピードと、しなやかさで机の影をすり抜け、箱を飛び越え、『空踏み2段』を駆使して誰に気付かれずに屋根の上まで登る


「ふぅ、よしっ」


 一息つく間に次の目標を見定め、なるべく視線が切れるポイント飛び込む

 視線誘導や、死角の見切りは日々集団と乱闘しているサナの十八番であり、それは風香を背負ったところで衰えるものではなかった


 それから暫く工房区内を、駆け跳ね潜り抜け、王宮付近の小高い塔の上でサナは腰を下ろした


 その額にはわずかに汗をかいているものの、全身に疲労は無い

 所詮相手は無警戒なドワーフ達、警備の兵士もいるもののここまで露骨な侵入者は想定していない

 日々殺気を放って自らを殺しに来る魔物に比べれば幾分か気楽に進むことが出来た



 もちろんサナだけは



「さ、さな、あ~~~、ちょっと袋、ちょう、うっ(ピーーーーーーーー(乙女結界発動中・大変ご迷惑をおかけしています)ーーーーーーーーー)


「風香、だらしないわね、鍛え方が足りないのよ」


 そう言って風香の背中をさすってあげる






「毎回言ってると思うんだけど、こういうことは必ず先にちゃんと説明してからやりなさいよ」


 少しげっそりとした風香は、頭に手を当てながらサナに不満を漏らす


「いやー、あはは、うん、ほら、とっさの現場判断と言うか、考えついちゃったら体が勝手に動いちゃったって言うか」


「その度に死にそうになるこっちの身にもなりなさいよ」


「いや、風香そんなに怒らないで、なんでちょっとずつにじり寄って、っ」


 突然、サナが顔を引き締め、目を細める

 そんなサナの変化に風香は、どうしたのと声をかける


「兵士の動きが活発化したわね、あたし達の事に気付いた、いや、どうも王宮の方へ動いてるみたいね」


「王宮で、もしかして」


 ツナ吉君とシーチちゃんの身に何か起きた


「その可能性もあるけど、どうかしらね。ただ、これでより侵入しやすくなったわ。風香もうしばらく頑張ってもらうわよ」


「うっ、仕方なしだわ」


 一瞬迷うものの、観念したようだ

 しっかりと紐を使って、サナに固定しギュッと捕まる

 体の状態を確認して、サナは再び暗闇の中を駆ける



 王宮の周りを囲む壁は、今までとは比べ物にならないくらい高い

 その上、何箇所も見張り台や容易に登らせないように返しが付いている


 そんな壁を見張りがいないことをいいことに、サナはスイスイ登っていく

 彼女の力をもってすれば、物理的な障害は大した問題ではな


王宮の方では余程問題が発生したということだろう

 王宮の壁に関しては、サナでさえ発見されるリスクがあると踏んでいた

 壁を登るには両手両足がふさがれ、機動力も落ちる、しかも背中には風香を背負っている為、弓を射かけられればひとたまりもない


 

 壁の上までたどり着き、近くにいた兵士を音も無く昏倒させる

 ここで叫ばれてはたまらないので、しっかりと猿轡さるぐつわを噛ませ、紐で縛り転がしておく


「どうもあそこで、何かあったみたいね」


 そう言ってサナが城の端、一つの建物を指し示す


 そこには何人もの兵士が集まり、中へと入っていく


 建物の大きさから考えるに、地下に降りる入口のようだ


「ちょっと待ってサナ、流石にあそこに行くのは無謀よ。それにあそこにツナ吉君とシーチちゃんがいるとも限らないわ」


 何の躊躇も無く立ち上がろうとするサナを引き留める

 あれだけの兵士がいたり、周囲の建物の配置からあそこが牢屋である可能性は高い

 時間的にも、あの二人が何らかのアクションを起こしている可能性もある

 どうもこの世界にはストレージという概念がなさそうなので、荷物を隠して持ち込んでいるはずだ

 特にツナ吉君であれば脱出道具の一つや二つは持っていると思う


「だから、もう少しここで様子を見ましょう」


「む、そうね、ちょっと準備が足りなかったわね」


 風香の言葉に納得したのか、サナは別の方に視線を向ける


 その先には先ほど捕まえたドワーフの兵士がいた

 おもむろにサナは兵士に近づき、拳を振り上げる


「えっ、ちょっ」




おまけ


「師匠、自動の監視システムとかって作れないでしか」


 珍しくリーフがまともな質問をしてきた

 驚きすぎて、削り間違うところだった


「何に使うんだ」


「えっと、それはあのおんnっ、と、えーと、そう、怨霊の様な化け物を罠にめるためでし」


 怨霊の様な化け物って何だ

 怨霊の時点で化け物だろ

 よほど凄い奴なんだろうな

 きっと、良い素材が取れることだろう


「随分抽象的だな、とりあえず感知して発動するような罠であればいいんだな」


「そうでし」


「じゃあ、落とし穴だな」


 落とし穴は重力感知系の罠としては非常にシンプルなものだが、その割に効果的なのが魅力だな

 場所を選べば発見も難しく、中の仕込みを変えることで、惨殺から悪戯まで幅広く運用が可能だ

 欠点は労力と耐久性だな、後は基本的に無差別に発動しちまうことだろうか

 資材と時間をかければ、ある程度は解消するが、落とし穴の最大の長所は設置場所を基本的に選ばないということだからな

 初心者ならまずはここからだ


 そういえば、あいつは動物的カンと言うか何というかで、俺の10連爆殺超重力機動落とし穴突破しやがったからな

 その後意地で作った、水中28連螺旋惨殺獄炎立体駆動落とし穴にはバッチリ落としてやったからいいか

 まぁ、30秒でぶっ壊されたが

 俺の二徹の傑作を


 その後、悔しいから高レベルモンスターの徘徊エリアに設置しといたら、上級悪魔が30体位ミンチになってて、悪魔ホイホイとかネットの一部で騒がれたこともあった

 懐かしい記憶だ





「もっと、ドカーンとかズガーンみたいな確実に殺れそうなやつがいいでし」


 落とし穴という答えを聞いて、リーフは不満そうにしていた


「何を言ってる、落とし穴も極めれば悪魔でも狩れるんだぞ。高威力の罠は隙が大きいから、地味でもこういった罠を磨かんとその怨霊だか何だかも討伐は不可能だぞ」


「なっ、なるほどでし! さっそく落とし穴を掘ってくるでし! 」


 相変わらず単純で助かった

 罠は開発コストが馬鹿にならないからな、あいつにそんな大量の素材はもったいない

 



 暫くして、全身泥だらけにしてスコップを背負ったリーフあほうが満足げに戻ってきたから、イラッとして


「掘るとこより、ギミックの方制作しろよ。それは生産じゃなくて土木作業だろっ! 」


 川に放り投げておいた


「ぎゃーーー、なんででしかーーー」


読んでいただきありがとうございます

おまけの方がどんどん膨らんでいく不思議

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