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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第四章 光の王冠と土精王国
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Ep78 さぁゆかんドワーフ王都/土は所詮土

 どぎゃ

 ばきっ

「邪魔よっ! 」


 サナの剣が蹴りが乱舞する


「ちょっとサナ、聞いてるの! 少しは休憩っ、休憩しましょう」


 そんなサナの後ろから、水色の髪を振り乱しながら少女が叫ぶ

 既にかれこれ3時間、ぶっ続けで戦っている彼女の剣も盾も返り血やら体液でべとべとだ

 そんな風香と打って変わって、サナは赤い髪をたなびかせ、うっすらと汗を浮かべているものの、紅い瞳は研ぎ澄まされ、四肢は疲れを見せず躍動する


「っふっ、そうね、少し休みましょうか」


 最後の一匹を打ち倒し、大きく剣を振る

 未だに折れる気配のない、レッサーデビルトレントの剣を満足そうに一瞥し、水筒をあおる


 ツナ吉とシーチがさらわれてから3日、ドワーフ王都バルカムに向かいながら、サナ達はなるべく魔物が多そうなルートを突き進んでいた。




 彼らが攫われたことを知ったサナの行動は早かった

 すぐに必要な物資を買い集め、ドワーフ王国王都バルカムへと出発した


 しかし、すぐにサナはいつも通り道を外れる


「ちょっとサナ、街道をまっすぐ行かないの」


「ええ、そうよ」


「こんな時まで……あなたは。ツナ吉君とシーチちゃんはどうでもいいの」


 風香は失望していた

 サナはもっと仲間思いなものだと思っていた


「もういいわ、私だけでも助けに行く」


「ちょっと待ちなさいよ」


 街道に向かおうとする風香の手を掴む


「風香何かを勘違いしてない? あたしは、あたし達はこれから国とケンカしに行くのよ。少しでも力が必要じゃない」


 サナの目が笑っていなかった


 ゾワリ

 風香の背筋に冷たいものが走る


 今まで見たことない程にサナの目から冷たい炎がほとばしっていた

 そもそも、戦いに赴く時笑っていないサナを見るのが初めてだった


「あたしの時間を奪ったこと、後悔させてやるわ」




 それから今日にいたるまで、風香のスキルを利用しつつバルカムへ向かって魔物をひたすら討伐しながら突き進んできた。

 

「で、方向はこのままで大丈夫なの? 」


「ええ、このままこの山を越えて進めば街道近くまで出れるわ」


 武器と防具のメンテナンスをしながら、風香が答える


「その剣、調子はどう? 」


「うん、なかなかね。ただ、だんだん修復のペースが追いついてこなくなってきたから、ちょっと休めないといけないかもね」


 そう言って、剣を風香の前に掲げる

 相変わらず、木刀とは思えない美しい一振りではあるが、よく見るとところどころささくれ立ってきている

 レア度4の風香の武器でさえまだまだ現役だと言うのに、レア度6で自己修復までくっ付いてる剣をどうしたらここまでの状態にできるのだろう

 

 ここまで確かにかなりの数の魔物を倒してきた

 サナは既にランク4は数発で倒し、ランク5でさえ危なげなく勝利を収めている

 自他共に戦闘馬鹿と認める人間が、本気でレベリングするとここまで成長できるのかと思えるほどだ

 今なら、この間のゴーレム達をサナ一人で殲滅できるだろう


 かくいう風香もランク4は難なく相手にできる所まで来ているので、戦力としては申し分ない




 それから20日間ほどかけてサナ達も王都バルカムへと到着した

 入口で止められたが、大量に手に入れた魔物の素材を賄賂に難なく中へと入場できた

 サナは暴力で解決しようとしていたが、風香がうまく取りなした


「はぁ、緊急事態とはいえ、私も汚れていくなぁ」


 と小声で肩を落としていたとか、いないとか



「さて、それでこれからどうするの」


 王都に来たはいいが何の手がかりも無い

 その割に自信満々なサナを見て風香は質問をした


「えっ、王城に突っ込むんじゃないの」


「いやいやいや、さすがにそれはまずいでしょ、どれくらい兵士がいるかわかんないし」


「でもその為に鍛えてきたんだから、いけるでしょ」


「その自信はどこから来るのよ、まったく。むやみに突っ込んでツナ吉君とシーチちゃんが人質に取られたらどうするの、それに剣だって少し休ませなきゃいけないでしょ」


 その言葉を聞いて、サナは口を不満そうに尖らせるが納得はしたようだ


 改めて町を見回すとドワーフばかりである

 ちらほらと人間は見つけられるが、他の種族はほとんど見ることが出来ない

 いても、たまに首輪を付けられた人だけだ

 奴隷なのだろうか





おまけ


「なぁ、思ったんだけど、お前普通に飯食ってるよな」


「はぁ? 何言ってるんでしか師匠、あたりまえでしよ」


「いやでもよ、水の精霊とかって水だけで生きていけたりしないのか? 」


「あー、確かにリー達木の精霊は良質な土だけでも生きていけるでし。それに、水の精霊も綺麗なお水があれば大丈夫って話は聞いたことがあるでし」


「じゃあ、土だけでいいんじゃないか」


「ちっちっちっ、師匠甘いでしね、大甘でし」


 人差指を左右に振りながらリーフが不敵に笑う

 非常にうざい


「土は土の味しかしないでし! 」


「いや、意味解らんけど」


「うー? 」


 カバ太も一緒に首をかしげる


「師匠は栄養あるけど毎日毎日おんなじ味の食べ物を食べ続けたいでしか? 」


「いや、でもよ、場所とか組成で味変わるんじゃねえのか」


「所詮土は土でし。あんなのばっかり食べてたら頭がおかしくなるでし」


 いかに人間の食事が素晴らしいかを熱く語る木の精霊リーフにうんざりしたので、とりあえずカバ太に相槌を託した

 しかし土否定したら、あいつのアイデンティティーは何が支えてるんだ

 もう一発芸の精霊で良いんじゃないか

 着色料とか食わせたら色変わりそうだし

 はっ! 確かそんなレシピあったな、よし材料手に入ったら試してみるか


 今日も生産馬鹿と木?の精霊と白い珍獣は森の中を平和に進むのであった


お読みいただきありがとうございました

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