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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第四章 光の王冠と土精王国
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Ep72 王都に囚われました

 王都バルカム

 中央に天高くそびえ立つアーグ城を中心に山々の合間に作られた城塞都市である

 しかし、この都市においてそれは1側面でしかない


 ここはドワーフ達が王国を作った聖地であり、産業の中心地でもある

 外からではわかりにくいが、王都の地下には巨大な工房が埋まっている

 工房には国内外問わず各地から材料が集められ、国により認定されたドワーフの職人たちが日夜作品の制作を行っている

 現実問題として、国の大半が山間に位置し耕作面積が狭いドワーフ王国において、工業製品の輸出こそが他国との貿易商品であり、南大陸では最も西部に位置するドワーフ王国の生命線になっている






「お前らはこっちだ」


 ぼうっとアーグ城を見上げていると、いつの間にか現れた兵士に勢いよく引っ張られた

 足の拘束は既に解かれていたので、なんとかバランスをとって体勢を立て直し、兵士の後をついていく


 それにしても乱暴な扱いだ

 今まで一切の抗弁の機会を与えられていない

 完全に俺たちを国家反逆罪を犯した重罪人と決め付けているからなんだろう

 やっぱりシーチが言うように、これは罠なんだろうか


 そうとなれば、何とか逃げ出す算段を立てないとまずい

 幸いなことにストレージに関してはどうやら気づいていないらしく、しまっておいた武器や食料なんかはまだ手元にある

 まぁ、ここまで来る道中は基本的に簀巻きだったので取り出すこともできなかったんだけど




 兵士達は俺たちを取り囲みつつ、城の方へとぐんぐん進んでいく


「あの、俺達はどこに向かってるんっすかね?」


「……」


「やっぱあの城って王様とか住んでるんっすか?」


「……」


「ちょっと位話に付き合ってくれてもいいじゃないっすか」


「……きっと言葉も理解できない馬鹿」


「罪人が無駄口を叩くんじゃない!!!」


 なぜか俺が怒られた

 頼むからあんまり軽率に挑発しないでもらいたい

 シーチに恨みがましい視線を送ると、よそ見をするんじゃないと再び怒られた

 なんで俺ばっかり……


 

 シーチが言うように、俺達にはまだ使い道があるから殺されることはないと思ってはいるが、あんまり調子に乗ってると、勢いで首をはねられかねない

 それは勘弁して欲しいので、ちょっとでも情報を引き出すのは諦めて、おとなしく後に続くことにした


 途中で兵士の詰所のような場所で目隠しをされ、その場で無理やり何回も回された

 これは脱走を防ぐために方向感覚を失わせ、視覚を遮断してなるべく情報を得られないようにしてるのだろう

 何とも用意周到な国だ

 ドワーフってもっと粗雑なイメージがあったんだけどな


 その後、何度も方向を変え、階段を下り、最後に蹴っ飛ばされた

 両手を縛られている状態で受身などとれる訳もなく、口中に土の味が広がる


「うっ」


 横でシーチの声も聞こえたので、どうやら同じ場所に入れられたみたいだ

 ゆっくりと縄が解かれ、最後に目隠しを外される

 周辺には何人もの兵士の気配があるため、特に抵抗もする事無くおとなしくしていた


「処刑の日までここがお前達のねぐらになる、余計なことを考えるなよ。それはお前たちの命を短くするだけだからな」


 そう言って、兵士は重厚そうな扉を閉めて出ていってしまった



 兵士たちの気配が遠ざかるのを待ち、シーチに話しかける


「これからどうする」

「……どうするの」


 話が被った


「こういうのはダメ兄の仕事、私は料理担当」


 そして、思考を放棄された


 こんなんで俺達は生きてここを出られるのだろうか

 牢屋に入れられて早々、ツナ吉は頭を抱えたくなったのである

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