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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第四章 光の王冠と土精王国
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Ep69 誘拐された?

「遅いわね、全くどこで油売ってるのかしら!」


 サナは不機嫌そうな顔つきで、部屋に取り付けられた机に頬杖をついていた


 既に集合の時間から2時間

 何の連絡もなしに、ツナ吉とシーチが宿に帰ってきていない


 ゼオルトの町は来たばかりで、道に迷っている可能性はないとは言えないが、森の中でも一度マッピングした場所であれば、正しいルートを進めるツナ吉がそんなミスをするとは思えない


 風香と話し合い、捜索に出ることにした

 当初サナが探してくると主張したのだが、余計なトラブルを避けたいと思っていた風香に拝み倒されて、宿で待機することになった 

 

 宿で待機といっても、腹が減っていては筋トレをする気にもなれないし、かと言って武器を手入れする必要もない

 ヒロからもらった剣は自己修復がついているので、光の当たるところに放っておけば勝手に修復されるすぐれものであるためだ

 なのでサナは、することもなくイライラだけが蓄積されていくのであった





 バタンッ


「サナっ、大変よ。ツナ吉君とシーチちゃんが攫われたかもしれない」


 ドアに体を持たれかけ、息を荒らげた風香が、とんでもないことを口にした


「風香……攫われた、ってどういうことよ」


「はぁはぁ、それがっ、私にもよくわからないんだけど、二人を探している途中、人間の冒険者が連れて行かれたっていう話を聞いたのよ」


 その情報だけでは判断するのは難しいが


「とりあえず、噂を聞いたところまで案内しなさい」


 サナは風香の手を引いて情報元へと向かうのであった




 風香の案内の元、二人がやってきたのは庶民向けの酒場

 店内には椅子とテーブルが乱雑に置かれ、いたるところで酒に酔ったドワーフたちが騒いでいる


 風香はぐるりと店内を見渡し、ひとつのテーブルに座ったドワーフの元へと歩いていった



「彼女はサナ、さっき言っていた私の冒険仲間です。それで、連れて行かれた冒険者についてもっと教えてもらっていいですか?」


 男の前まで来ると、風香はサナを横に並ばせ、改めてツナ吉とシーチの手がかりを聞く


「おう、嬢ちゃんか、ほうほう、こりゃお仲間も別嬪さんだな」


 サナと風香を値踏みするように見上げた男は、下品な笑いを浮かべながら小さな声で呟く


「ここじゃあ誰に見られてるかわかんないから、話は外だ」


 男は腰に下げた袋から数枚のコインをテーブルに置き、勘定を済ませ外へと出る

 街の中心街から何本か路地を抜け、人通りが少ない通路までやってくる


「それで、いつになったら話をしてくれるのかしら?」


 なかなか情報を聞き出せずイライラしたサナが、しびれを切らしてドワーフの男に声をかける


「へへへ、そうだな、おい、お前ら!」


 男が、突然大きな声を出すと建物の陰や路地からいやらしい顔つきの男たちが10人以上姿を現した





 胡散臭い男だと思っていたが、やっぱり見立ては間違えてなかったみたいだ

 風香は付け込まれたみたいね

 ベタなイベントよねえ、と思いながら周りを観察する

 

 目の前の男を入れて12人かな

 どうやら全員何かしらの武器を持っているようだけど……射手はいないっぽい



「これはどういう事なんですか?」


 突然出てきた男達に風香は不安そうな声を上げる


 といっても、人が来ない裏道で年頃の女二人を下品な笑いを浮かべた男たちが男達が囲んでいるのである

 何ともまぁベタな状況になったわね、とサナはそんなことを考えながら風香に声をかける


「風香、どうやらあたしたちは騙されたみたいよ」


「えっ、それってどういう……」


「くっくっく、その通りだ。いやぁついてる、これ程上玉の人間のメスが二人も手に入るんだからな」


「まさかっ」


 風香もいい加減気づいたようで、悔しそうに声を上げる


「そうだよ、俺はなぁ、奴隷商をやってんだ、おいお前たちやっちまえ。大切な商品だ傷は付けるなよ」


 ドワーフの男が号令をかけると一斉に他の男たちが襲い掛かってきた


 ドガァン


「うぎゃぁ!」


「はっ?」


 衝撃音と共に一人が壁に向かって吹き飛んで行った

 突然のできごとに、男たちの動きが止まる


 彼女がそんな隙を許すはずもなく、二人三人と男たちはのされていく


「弱すぎるっ! 全然ストレス解消にならないじゃない」


 言ってることとは対照的に、嗜虐的な笑みを浮かべたサナが剣を担いで立っていた





 

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