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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第三章 赤き老兵と豚の将軍
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Ep65 通じ合うって難しい

「とりあえず落ち付け」


 げしっ


「うぎゃ」


 突然飛び出してきたリーフの頭に手刀を落とす


「痛いでしっ、師匠いきなりひどいでし」


 頭を抑えながら、ちょっぴり涙目になっている

 そんなに強くやったつもりはないんだがなぁ


 レベルが上がって、スキルが強化されたヒロは、そこら辺の戦士より強くなっていることに気がついていなかった





「で、何が大変なんだよ」


「それが、まだカバ太とシエータが帰ってきてないんでし」


「そうか、まぁそのうち帰ってくるんじゃないか」


 これがシエータ一人なら心配にもなるだろうが、カバ太が付いているなら問題ないだろう

 そんなことを考えていると、後ろから声が響いた


「おとーさん、おかーさんただいまー」

「うーーー」


 どうやら、今帰ってきたみたいだな









 わたしはエルフという種族なんだっておかーさんが言ってました

 おかーさんもエルフです


 おとーさんはドワーフで、みんなでドワーフさん達がいっぱい住んでいる街にいます


 なので、わたしと年が同じくらいの子達はみんなドワーフです


 わたしはおとーさん以外のドワーフがちょっぴり苦手です

 



 ある日、おかーさんが病気になりました

 とっても大変な病気で、火竜様におかーさんとは会ってはいけないと言われました


 おとーさんはおかーさんを治すために一生懸命でした


 でも、なかなかおかーさんの病気は治りません



 ある夜おとーさんの話声が聞こえてきて、わたしは目が覚めました

 こっそりお話しを聞くと、街の外におかーさんを治せる薬があるそうです


 その時、わたしはおかーさんのために薬を採ってこようと思いました


 次の日わたしはおとーさんが家を出たときを見計らって、こっそり家を抜け出しました


 なるべく見つからないように外とつながるトンネルを目指し、大人の人がいなくなった時にトンネルをくぐって、外へ出ました


 初めて外に出たわたしは、急に怖くなりました

 それでも、おかーさんの為です

 てをギュッと握って森を進みました


 しばらく歩くと、綺麗なお花とか葉っぱがいっぱいありました

 おかーさんにプレゼントしたら喜ぶと思って、一番綺麗なお花を持って帰ろうとしたとき突然大きな声が響きました


 そこにはおっきな魔物がいました

 そして、わたしの方を見てグルルと鳴いています


(おかーさん、おとーさん、誰か、助けて)


 目をつぶって、心のなかで叫びました

 

「うーーーーっ」


 そんな鳴き声が聞こえたかと思うと。魔物が突然何かに突き飛ばされました


 


 それが、わたしとカバ太とヒロお兄ちゃんに初めて出会った瞬間です


 その後、おとーさんに見つかってすごく怒られました




 みんなで街に戻った後、なんとカバ太とヒロお兄ちゃんとおとーさんがおかーさんの薬を採ってきて、作ってくれました

 それを飲んだおかーさんは、元気になってまたいっしょにお話することができるようになりました


 そして、わたしとカバ太は一番の友達になりました



 カバ太とわたしはそれから毎日遊びました

 どこに行くのもいっしょです


 おかげで、今まで苦手だったドワーフの子達とも仲良くなりました

 カバ太はわたしの自慢の友達です




 それなのに、明日街を出て行くそうです

 わたしはその話を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました

 ずっとカバ太やヒロお兄ちゃんと一緒にいられると思っていたのに


 わたしは気付けばおかーさんの手を振りほどいて、カバ太にくっついていました

 絶対離れたくありません

 カバ太もきっとそう思ってるにきまってます


 その後、わたしとカバ太は街のはずれまで来ました

 ここは2人でよく遊んだ場所です


 すると突然、カバ太は木を集め始めました


 それから火を起こして、お肉を焼いてくれました


 どうしてそんなことをするのか、最初わたしにはわかりませんでした



 でも、お肉を食べて、ゆっくり火を見つめているとカバ太が言いたいことがわかりました


 きっと、わたしがカバ太のことを外では生きていけないと心配しているのだろうと勘違いしてたのでしょう

 ちゃんと自分一人でご飯を作れるって証明してくれたんだと思います


 そして、わたしにもお肉を渡して、強くなれって応援してくれたんだと思います


 こんな風に最後に思い出作りをしてくれるカバ太は凄いなと思いました


 いつのまにかわたしの目からは涙がこぼれていました


 きっと、いつかお別れしなくちゃいけないことはわかっていました


 それでも、わたしはずっとその気持ちから逃げていました


 でも、やっと気づくことができました


 そのあと、わたしはカバ太に顔を押し当てたくさん泣きました


 いつのまにか眠っちゃったわたしを、カバ太はおきるまでずっとそばにいてくれました


 目が覚めて、カバ太の優しい声を聞いたわたしはやっとカバ太とお別れする決心がつきました











 シエータの問題が落ち着いたので、オレ達は予定通り次の日の朝ドノッポイの街を出ることになった

 見送りにはガーラント一家やスティグマはもちろん多くの住民たちが集まっていた


 お前ら他にやることないのか、と言いたかったが、悪い気はしないので黙って見送らせてることにした

 素材もたんまり貰ったし、食料も調味料含めたくさんもらったからな

 

 天気もいいし、最高の冒険日和だ

 もっといい素材を手に入れるために先に進もうとしよう







余談1

(カバ太に聞いてみた)


「そういえば、お前どうやってシエータを説得したんだ」


「うーうーっ」


……




「なる程な、つまりまとめると、元気がなさそうだったから飯を食わせたと」


「うー」


「そんなもんでなんとかなるんだな、子供は何考えてるかよくわからん」


「なんでリーのこと見るんでしか」


「いや、別に」


「むー、リーはレディでし、待遇の改善を要求するでしー」





余談2

(ある日のシエータの日記(一部抜粋))



 カバ太とヒロお兄ちゃんにはいつもつきまとう女の子がいます。 


 その女の子はいつもぎゃーぎゃーとヒロお兄ちゃんに文句を言います。


 わたしのこともおかーさんのことも助けてくれたヒロお兄ちゃんにあんなに文句を言うなんてとってもひどい女の子です。


 わたしはあの女の子が嫌いです。


 それなのに、最近やたらとわたしに話しかけてきます。


 それに、お菓子をくれます。


 これは昔おとーさんが言っていた『わいろ』というものだと思います。


 そうやってわたしのことをばいしゅーしようと思っているのでしょう。


 わたしはそんなものにだまされません。


 そんな女の子といっしょにいて、ヒロお兄ちゃんはすごい大変だなと思いました。


 明日もカバ太といっぱい遊びます。

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