↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第三章 赤き老兵と豚の将軍
61/113

Ep58 戦いは総力戦

何とか投稿できました

「ヒロ、お前の気持ちは嬉しいが、儂等では勝目があるまい」


「師匠、悪いがそういうことだ」


 ガーラントとスティグマが苦渋の顔で話す


「何二人共しけた顔して、弱気なこと言ってんだ。それにお前らが避難したとしても、イグニファスは間違いなくあいつらと戦うぜ」


「ぐっ……それは……」


 そのことはガーラントも考えなかったわけではない

 しかし、それに対する対策は何も思いつかなかったのだ

 残されるのは全員玉砕


 だがそれは可愛い娘のシエータマイエンジェルも含まれることになる

 どうしてもガーラントにはその踏ん切りができなかった


 だからこそガーラントは妻と娘を安全なところまで逃がしたら、自分は玉砕するつもりでいた


 それくらいしか、自分に出来ることはない



「どうせ、責任感の無駄に強いお前らのことだ、全員がある程度避難したところで戻って戦う気だったんだろ」


「なっ、ガーラントさん、どういうことだ」

「おい、俺たちも戦うぞ」

「ああ、やっぱり火竜様を残してはいけない」


「おい師匠やめろ、これ以上犠牲者を増やそうとするんじゃねえ」


「ふざけんな! ここで逃げちまったら何のためにあの特攻火竜を説き伏せたと思ってんだ。それにさっきも言っただろ、手を考えてきたってな」


 そうじゃなきゃ、何のためにオレがこんなに努力しなきゃいけないんだ

 全く勝手なことはしないで欲しいもんだぜ


 そう思いながらヒロはストレージからあるものを取り出し、スティグマに投げ渡す


「師匠、なんだこれ? 随分と大きい実だな……」


「ヒロッ、お前、それって」


 ガーラントには何かわかったみたいだな


「そうだ、バーストツリーの実だよ」


「おお、なんだあの木の実かって、うぉぉぉぉおおおおおっ、なんてもんを渡すんだよ」


 木の実の正体がわかったスティグマは急に慌てたような声を出す

 いい歳こいたオッサンが気持ち悪い声を出してんじゃねえよ


「心配すんな、それは既に発射されたやつだから、もう爆発したりしないって」


「なんだ脅かすなよ」


 って、やべっ、渡す方間違えた

 あれまだ発射されてない方だった

 安心してコンコン叩いたりしてるけど、言わないほうがいいな

 多分爆発しないだろ


「それで、これでどうするって言うんだ」


「まぁ、こいつを見てくれ」


 そう言ってオレは既に炸裂ドングリを装填済みの石砲を出す

 既に的はリーフとカバ太に準備させてある


「結構デカい音が鳴るから、ビックリすんじゃねえぞ」


 大声で注意を促し発射する


 ズガァン


「うおっ」

「ひっ」


 凄まじい衝撃と音にかなりの連中が驚いたみたいだ

 ちなみに狙った的は完全に大破

 ちゃんと実験はしていなかったが、破裂ドングリに比べて何倍も威力が上がっているみたいだな

 石砲もなんとか壊れないでくれているが、もう一発には耐えられそうにない

 こりゃ、改良しないといけないな


 まぁ、それよりも今は

 オレはガーラントの方を向く


「こいつを使えば、10倍のオークにだって勝てるかもしれないだろ」


「うむ、なんという威力だ、しかしそれだけでは心許ないだろ、それにこの間手に入れた分だけだと数も足りないだろうし」 


「ふんっ、そんなわけねえだろ、少し遅れちまったが、さっき収穫してきた、それに大砲はこれから作るんだよ全員でな」


「なっ、あれに挑んだというのか、しかし前回の闘い方ではこんなに早くたくさん集められまい」


「はぁ、オレが敗北したまま諦めると思ってんのか?」


「それじゃあ」


「当たり前だ、あの辺のやつらは殆ど狩りまくってきた」


「そんな馬鹿な、一体どうやって」


 ガーラントと話し合ってると、スティグマが話に割り込んできた


「何、別に難しいことをしたわけじゃないさ」


 そう言って、オレがバーストツリーを倒した経緯を説明した

 やったことは非常に単純だ

 ただでっかい網でバーストツリーをぐるぐる巻きにしただけだ


 まずリーフに空から網の先端を引っ掛けさせて、後はカバ太が木の周囲をぐるぐる回る簡単なお仕事だ

 オレ?

 オレは網がしっかり引っかかって攻撃してこなくなったら、斧で木を切り倒す係だよ

 だって危ないじゃん


 装備強化しまくって、装甲車みたいになったカバ太なら最悪一発くらいもらっても多分大丈夫だろうし

 何より、痛いのは嫌だ


 カバ太には「これはお前を鍛えるための新しい修行だ、恐怖に打ち勝ち、足腰を鍛えるんだ」的なことを言ったらすんなり納得してくれた

 まぁ、絶対安心だからと何度も念を押したしな

 正直うまくいってよかった

 一応、燃やすとか、熱湯かけるとかいろいろアイデアはあったんだが、いまいち成功するか微妙だったからな


 最悪、ミュリーナ草を加工するとき薬師の家から、こっそりパクった薬で作った枯葉剤で何とかする予定だった

 あの薬師結構ヤバい事やってんじゃないだろうか

 他にも厳重にロックされた宝箱の中には毒薬とかしびれ薬もあったし

 大丈夫かこの街は、と少し心配になった




「まさかそんな方法で、あのバーストツリーを倒してしまうとは……」


 オレの話を聞いて、呻くようにガーラントがポツリと呟く

 他の住人たちも言葉にならないようだ



「それで、これでもオッサンは戦わないのか?」


 オレはあえてもう一度ガーラントに確認する

 もう心は決まっているだろう

 それに、これ以外にも作戦はある

 まだ二日あるならやれることはいくらでもあるしな

 オーク達にはせいぜいオレのいい実験台になってもらうとしよう




 まさか、ヒロがこれだけの準備をしてくるとは思わなかった

 勝手に避難したと思っていた儂を許して欲しい

 それに、まだあいつには何かしら作戦があるのだろう

 本当に面白い少年だと思う


 儂は隣に立つスティグマの顔を伺う

 彼は笑って大きく頷いた

 やはりスティグマも本当は戦いたかったのだろう

 本当に儂はいい友を持った


「それじゃあ、皆コロコロ態度を変える代表ですまんが、儂と一緒にオークと戦ってくれんか。そして、儂等の手でこの街と火竜様を守ろう」


「「「「「うおーーーー!!!!!」」」」」


 住民たちが雄叫びを上げる

 そして至る所で

「やってやるぜ」

「私達の手でドノッポイを、火竜様を守るんだ」

 と勇ましい声が聞こえる


 そして、すぐに街の有力者たちと、スティグマ、ヒロとともにこれからの作戦を詰める作業に移った 

読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。