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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第三章 赤き老兵と豚の将軍
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Ep51 大火竜イグニファス

 夕食時に誰かに会いにいくという話をしていたので、食事の後、ガーラントと二人きりになれる時間を見つけて彼を捕まえた

 そして、オレはなるべく人目のない時間に会えるように頼んだ


 どんな人物が出てくるかはわからないが、なるべく不特定多数とは出会いたくなかった

 もしかしたら、オレの表示が黒いことを見破られるかもしれない


 その結果、日が昇って間もない頃会いに行くことしてもらった

 リーフやカバ太も連れて行こうと思ったのだが、オレだけで構わないらしい


 家の外に出ると、既にガーラントが待っていた

 いつも着ているラフな服ではなく、小奇麗なブラウスとズボンを履いていた

 もしかして、結構偉い人なのだろうか


 ひんやりした空気の中、街の中を歩く

 流石に朝早い時間なので、全く人とすれちがわない


 だんだんと家が少なくなり、畑が増えてくる

 どうやら、郊外に向かっているようだ


「なぁ、で、あんたが会わせたい人って誰なんだよ」


「はっはっは、それは会ってからのお楽しみだ、それにヒロは少し勘違いしてるぞ」


「どういうことだよ」


「秘密だ」


「オッサンがそんなこと言っても可愛くねえぞ」


「なんとでも言え」


 くそっ、どういうことだ



 街を外れ、山に近づくにつれ、その建物の存在感は大きくなってきた


 それは、山の斜面に埋め込まれるように立っている神殿だった

 全体が薄茶色の石造りで、華美ではないが豪華な作りになっていた

 そして驚くべきは入口の門の大きさだった

 高さは20m以上、幅は人間20人くらいなら余裕で通り抜けられる程である


「なんだここ、鍛冶の神様でも安置してあるのか」


「ははっ、それよりももっと凄いもんだよ」



 開けっ放しの門から中へとはいる

 床には赤い絨毯がひかれ、各所になんかの象徴だろう置物が飾られている

 それ以外はシンプルに広い廊下が奥へと続いているだけだった

 ただ、よく手入れがされているらしく、全体的に小奇麗だった


 ガーラントはなんの躊躇もなく奥へと歩いていく

 入口もそうだったが、全く人がいない

 重要な人物がいたり、置いてあったりするならもう少し警戒していていいはずだ


 

 神殿が山に埋まる形である為、陽の光が入らないんだが、至るところにあるかがり火のおかげで、非常に明るい

 それにしても、どういう原理で燃えているんだ

 一見しただけでは、そんなに特別なものには見えないが、それにしては強く暖かな光をたたえている


 その上数も問題だ

 たいして換気もできない、窓もない神殿でこんなにメラメラ燃やしたら普通酸欠で死ぬ

 流石は異世界だな、できれば原理を教えてほしい



 神殿の奥まで行くと、再び入口と同じくらいの大きさの扉が姿を見せる

 オレ達はその横の小さな通用門から中に入る



 中に入ると、それは居た

 あまりの驚きにオレは声が出なかった


「ほう、ガーラントか、久しいな」


「ええ、火竜様もお元気そうで何よりです」


 なんと、巨大なドラゴンがいたのである

 どうりで入口が巨大なわけだ



「それと、初めて見る客人もいるみたいだな」


 ドラゴンがギロりとオレの方を見る


「おお、神憑きか、これはこれは、むぅ。少年名をなんという? 儂は大火竜イグニファス、今はこのドワーフ里で老後を満喫しておる年寄りだ」


 一瞬イグニファスが顔をしかめた様な動きをしたあと、気さくな感じで話しかけてきた


「オレはヒロだ、ところで神憑きってなんだ」


「ほう、儂を見ても動じぬか」


「最初は驚いたが、別にオレを取って食おうってわけじゃないだろ」


「がははははは、面白い少年だ、いやヒロか。そうだのう、神憑きについて話しても良いのだが、どうにも反対者がおるようでな、なんと言えば……うむ、御主が普通よりも優れた人物だということじゃ」


「また随分と迂遠な説明だな」


「ヒロ、流石に火竜様にはもう少し丁寧に接したほうが」


 ガーラントがビビりながらオレを諌める


「なに、よい。別に儂はただ少し長く生きただけの老竜じゃ、好きにすればよい」


 がはははと老火竜は楽しそうに笑う


 さすがはドラゴン、すごいプレッシャーだな

 コイツの素材使ったら相当な物が作れるに違いない


 こっそり識別をした結果はこうだった



 大火竜

 <ランク10>

 ???



 ランク10とかどんだけだよ、桁外れもいいとこだ

 しかし喋る竜か

 もしかしたら、オレ達がなんでこの世界に来たか知ってるかもしれない



「そうだな、こんな話をして信じるかはわからんが、オレはこことは違う世界から来た」


「ほう、それはまた突飛な話だのう」


「それで、あんたは何か心当たりはないか」


「ふむ、それに関しては儂では御主の力になれそうにない」


 イグニファスが申し訳なさそうに答える

 まぁ、別の世界のことだからな、知らん方が普通だ


「そうか、じゃあ七柱悪魔グロノン、もしくはアスドールってやつは知らないか?」


「おいおいヒロ、アスドール様は創世3神の1柱じゃないか、子供でも知ってるぞ」


「なんだよ、創世3神って」


「お前マジで言ってんのか?」


「どうやら、本当のようじゃぞ。違う世界か、これはまた面白い、ガーラント、後で説明してやると良い」


「は、はい、火竜様」


「で、七柱悪魔グロノンの方は?」


 ガーラントの方を見ると、今度は知らんと言うように首を横に振った


「御主がどこでその名を知ったかは知らんが、悪いことは言わん、悪魔と呼ばれる種族に関わってはならん。あれは人の手に負える代物ではない」


「随分と思うところがあるみたいだな」


「そうじゃの、宿敵と言えばいいかのう。もし、もしも御主が悪魔と事を構えるというなら、今の儂程度歯牙にかけぬ程の実力をつけることじゃな。儂が言えるのは、このくらいじゃ」


「そうか、別にオレは戦闘狂じゃねえからな、それよりもあんたの鱗の方が興味あるぜ」


「ぐわっはっはっは、面白い少年じゃ、儂の鱗か、なるほどのう」


「なんだ、くれるのか?」


「そう軽々とやれるか。まぁ、そうだのう、儂が認めるほどの男になったら考えなくもない」


「なんだよそれ、まぁいいや。いろいろ知れて助かった、ありがとう」


「ふんっ、ここにいる間は好きな時に顔を出すが良い。それと、これは餞別じゃが、御主が懸念しているような心配はこの村の中に限っては問題ない、外に出てもっと見聞を広めるんじゃな」


「どういうことだよ、もしかしてお前には見えるのか」


「さてな、いい加減長話は年よりの身に響くのじゃ。じゃあの」


 イグニファスは一方的に話を打ち切りやがった

 なんかいろいろはぐらされた感じだが、問い詰めるわけにも行かない

 本気出されたら、今のオレじゃあ一瞬で塵になる


 思う事はあったが、おとなしくガーラントと帰ることにした

 鍛冶の続きもあるしな





「しかし、神憑きとはのう、それに七柱悪魔とは、あの大戦が再び繰り返されるのは勘弁願いたいものじゃが」

 ヒロたちが帰ったと、イグニファスは1人物思いにふけるのであった

読んでいただきありがとうございます

それと5000PV/1日を越しました

皆様の応援感謝です

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