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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第三章 赤き老兵と豚の将軍
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Ep50 鍛冶

「師匠、もう朝でしよー。もう、師匠ねぼすけなんでsぐへぇ」


 なんてっこった、朝こいつリーフに起こされるなんて、とんだ失態だ

 とりあえず、顔面に枕ぶつけて黙らせておいた


「何するんでしかっ!」


 がばっと枕を顔から引っペがしてぷんすか怒る

 まぁ、こいつがこの程度で静かになるわけないか


「これも修行だ、油断してるお前が悪い」


「なっ、ならばリーmへぶしっ」


「はい、オレの勝ち、また次頑張れ」


 適当に言い訳を付けて、返り打ちにしておいた


「投げる途中で反撃なんて酷いでしっ、リーは二回戦を所望するでしーーー!」


 後ろでなんか叫んでいるか、無視して部屋の外に出る




 そういえば、カバ太はどこへ行った?


「うーっ!」

「ヒロお兄ちゃん」


 そんなことを考えていると、シエータを乗せたカバ太がやってきた

 いつの間にか随分と仲良くなったもんだ


「おとーさんが、ご飯だって」


 そうかと言って、シエータについていく


 案内されたのは昨日も来た部屋

 どうやら、やはりここは食卓だったんだな

 テーブルの上には、料理が所狭しと並んでいる

 無骨な盛りつけを見ると、ガーラントのオッサンが作ったんだろう


「おおヒロ、やっと来たか、さぁさぁ、座ってくれ、それと本当はまだベットで寝ててもらいたかったんだが」


「ダメよあなた、みんなで食べたほうが美味しいじゃない、ね、ヒロくん」


 メララが親しげに話しかけてくる


「ん? ヒロ、メララと会うの初めてじゃないのか?」


「朝ちょっとな」


「そうか、まぁいい、改めてわしの女房のメララだ」


 そう言ってメララの肩に手を載せる

 その手に彼女メララも手を重ねる

 やっぱりちゃんと夫婦なんだな


「そうか。コイツがカバ太で、そこの羽生えた変な奴がリーフだ」


 一応確認のために紹介してやる


「師匠、変な奴とはなんでしかっ」


「うーっ」


 リーフはなんか不満そうだが、まぁいい

 全員揃ったところで、食事の始まりだ

 昨日はまともに食事してないので、いつも以上に箸が進む

 ガーラントの料理は見た目は大雑把だが、中々に美味かった




「ヒロにはだいぶ助けられたな、何かお礼をしたいんだが、何かあるか?」


 食べ終わったあと、ガーラントが礼の話を始めた

 正直、今欲しいものはあまりない

 炸裂ドングリのおかげで当分は研究に困らない

 素材は欲しいが、量が少ないのでは仕方がないしランク4程度なら自分で狩れる

 金ってのもあるがそれも街に寄るリスクを考えると、不要だ


 オレが答えに詰まってると、シエータがぴょこんと手を挙げた


「はいっ、おとーさん武器とか作ってあげればいいんじゃない」


「うむ、シエータマイエンジェルそれは考えたんだがなあ、ヒロは相当に技術がありそうだし、わしが作っても気にいるかどうか」


「おい、ちょっと待て、あの斧ガーラントが作ったのか?」


「ああ、わしはこの街の鍛冶屋だからな」


 自信満々にガーラントが言う


「そうか、なら話は早い、オレに鍛冶を教えてくれ」


「意外だな、お主なら鍛冶くらい出来そうなものなのに」


「設備がなかったからな、だが是非モノにしたい」


 急に元気になったヒロが身を乗り出して、ガーラントに迫る


「ああ、それで礼になるなら好きなだけやってくれて構わないが」


「じゃあ行くぞ、さぁどこだ」


「おい、待てって、まずは片づけを……」


「カバ太任せたぞ」


「うーっ!」

 任せろとでも言うように、カバ太が鳴く


「よし、行くぞ」


 そう言ってヒロはガーラントを引きずっていってしまった


「あらあら、やっぱり男の子ね」


「また、師匠の病気でし」


「うーっ!」


「あー、カバ太、私もお片付け手伝う」


 器用に背中に食器を載せて運ぶカバ太の後をシエータがトコトコとついていく




 その後カバ太は普通に皿とグラスを器用に洗ったそうだ


 もちろん、リーフが対抗心燃やして

「負けないでし」って手伝いに参加して



「ごめんなさいでし」

 皿を割って、メララに土下座していた


「あらあらいいのよ、それにしても精霊のあなたが人間を師匠って呼ぶのね」


「別にリーは人間に思うことはないでしから、それに師匠は意地悪でしけど、凄いやつでしよ」


 メララの言葉にリーフは憮然として答える


「ふふふ、そうね」


 そんなリーフに微笑むメララであった





「それで、まずどうすればいい」


 ガーラントの工房にやってきたヒロは鼻息荒く詰め寄る

 ここまである意味諦めていた鍛冶が出来るのである

 うまくすれば外でも鍛冶をできるようになるかもしれない


 その為には、最低でも一回は経験しないと、スキルが有効化できない


 スキルポイントはカツカツだが、ここで製作をしまくれば取得に必要な分は貯まるだろう

 鍛冶ができればそれだけ生産の幅が広がる


 それからシエータが昼ごはんを呼びに来るまで、ひたすらガーラントを質問攻めにしていた

 ヒロとしては昼飯などなくともよかったが、シエータをぞんざいに扱うとガーラントが教えてくれなくなるだろうと危ぶんで、おとなしく従った


 昼ごはんはどこかで見たことある焼肉だった

 どうやらカバ太が作ったらしい


 それと朝の残りがテーブルに並べられていた

 シエータとリーフも協力したらしい


 メララはシエータに手伝い禁止令を出されて、部屋でおとなしくしていたらしい

 そのおかげもあってか、朝よりもだいぶ顔色が良くなっていた

 この夫婦を見ていると改めて異世界に来たんだなと思う


 ガーラントはオレより身長は低くいが、間違いなく筋肉で体重は上だろう

 全身毛むくじゃら、ドワーフですっていった見た目だ


 それに対して、メララは線が細くて色白、髪はプラチナブロンドの美女

 エルフの特徴とも言える耳は髪を押しのけ、長く伸びている


 シエータはメララをそのまま小さくした感じだ

 流石は母と娘だ、よく似ている


 さらに人語を理解する白い謎生物に、羽がついた中学生、もとい木の精霊リーフ


 今まで自分がいた世界が嘘みたいだ



 昼飯を食ったら、そのまま再び工房へ

 カバ太はシエータに遊び相手として引きずられていった

 

「どうしたんだ、リーフお前も遊びに行ってきていいぞ」


「リーは、そんな子供じゃないでし」


 ぷくっと頬を膨らませて怒るリーフ

 どうやらオレについてくる気らしい


「なんだ、お前は木工じゃないのか?」


「別に、リーが何を学ぼうとリーの勝手でし、それにリーは師匠の弟子でし、ちょっとでも師匠の技を盗むんでし」


 ほう、なかなか殊勝なことを言うじゃないか

 せいぜい助手としてしごいてやろう

 午前中で大まかな流れはわかったからな





「おとーさん、ヒロお兄ちゃん、夕飯だよー!」


「おお、シエータマイエンジェル、今行くぞ」


「もう、そんな時間か」


「ふえーでし、暑くて死ぬかと思ったでし、腕がちぎれそうでし、それとそろそろリーもちゃんと数に入れてほしいでし」


 未だシエータにまともに呼んでもらえない事に、ちょっとだけリーフを不憫に思った

 まぁ頑張ることだ




 それは夕飯時、ガーラントから突然話を振られた


「ヒロ、明日少し付き合ってもらうぞ」


「ん、ああ別に構わないぞ」


 特に予定もないオレは即答した


「あなた、守神もりがみ様のところに行くんですか?」


「ああ、お前が治った件もあるし、ご挨拶にな」


「守神?」


「まぁ、明日行けばわかるさ」


 よくわからないが、明日誰かに会いにいくらしい

 本当は鍛冶に集中していたいんだが、これも必要なことだろう



 夕飯後にさらに鍛冶の練習をしていて、ガーラントに呆れられたがこれがオレだ

 徹夜してもいいんだが、音とかで迷惑になるので自重した

 シエータに嫌われたらマジで鍛冶禁止になりかねんからな


 

 部屋に戻ると、いつの間にかシーツが交換され、朝貸した布団も綺麗にたたんで戻ってきていた

 カバ太もリーフも既に寝ていたので、オレもそれに釣られるようにして眠ってしまった




余談


 今日、姐さんが急に海戦をすると言いだした

 いつも突飛な姐さんらしい

 既にヒロの兄貴に船は頼んできたそうだ


 現在、俺たちは山の中を走っている

 なんでもここの木が船を作るのに必要らしい

 他の団員も走らされている

 木の伐採は姐さんが剣で叩き折っているので、俺たちは運ぶだけだ


 別に歩いてもいいのではと思ったが、それを言った他の団員が殴られていた

 あいつは新参だったからな

 姐さんはやると言ったらそこに向かって全力以外のギアを持ち合わせていない人だ


 その後、三日三晩かけて兄貴の造船の手伝いをした

 相変わらず兄貴はすごい

 急に戦艦作れって言われても普通のプレーヤーには作れないだろう

 それをわずか三日で組んでしまうんだからなぁ

 きっと、三日で十分とか言ったに違いない

 さすが兄貴

 カッコいい大砲も装備して、これなら絶対負けないだろう


 船が完成して、すぐに出港した

 兄貴は何か言ってたが、きっと応援だったんだろう

 姐さんは、風で進む帆船なのに時間が惜しいって言って、オールで漕いで進んだ


 しかし、残念なことに失敗

 大砲を撃ったら船が転覆してしまった

 船が兄貴の大砲の威力について行けなかったらしい

 流石は兄貴の作った武器だ、規格外の威力に本当に驚きだ


 みゅうみゅう姉さんは、出航前に「来ないんっすか?」って聞いたら

「ごめんねぇ、今日は忙しいのよぉ」

 と言って断っていた

 みゅうみゅう姉さんが来ないのは残念だけど、忙しいなら仕方がない


 それから、船を動かす船員として幽霊船を襲撃して、スケルトンを捕まえに行った

 姐さんの説得のかいもあって、スケルトンの皆さんは一時的に仲間になった

 しかし、本当にスケルトンはカチカチ言ってるんだな

 敵として戦っている時にはわからなかったことだ


 その後、何度か失敗して

 その度に巨大イカと戦ったり、魚人間みたいな魔物捕まえたりいろいろした

 兄貴はその度に何度も戦艦を作った

 兄貴にも仕事があるのに、こんなハイペースで戦艦を作れるなんて、さすが兄貴だ


 結局最後は姐さんが泳いでクリアしてしまった


 毎回忙しくて参加できなかったみゅうみゅう姉さんは残念に思っただろう


 以上

 期間イベントクエスト「海上戦闘ポセイドン侵攻戦」

 記録 ツナ吉   

ツナ吉の「~っす」は本人的敬語なので、普段は普通に喋ってます

余談は記録をつけながらクエストをやってるってイメージで見てもらえると

ちなみに前回の余談の別視点バージョンです

みゅうみゅうはもちろんどうなるかわかっていたので、不参加を貫いていました

読んでいただきありがとうございます

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