Ep48 レッツ材料調達
ドノッポイの街から無事に外に出れたオレたちは、オッサン改めガーラントの案内の元、ミュリーナ草の採取に出発した
ガーラントはオレがミュリーナ草の採取に行くと言ったら、自分もついていくとの一点張りだった
奥さんに対する負い目もあるのだろう
とりあえず、軽くリーフと戦わせてみたら結構強かった
戦力になるなら断る理由もない
既に、ミュリーナ草採取の間に手に入る素材は全てオレがもらうという形で了解が取れている
そういえばさっきからリーフが
「なんでリーが戦うことになったんでしか、死ぬかと思ったでし」
と文句を言いながら、不満そうな目で睨んでくるが、気にしなければ大した問題じゃない
それと出発する時にシエータが起きてきて、ついてくるとぐずった
ガーラントが必死に説得するが、埒があかないので代わりにカバ太に説得させたら、案外すんなりと納得してくれた
「うー」しか言ってないが、上出来だ
それを見たガーラントが、この世の終わりみたいな顔をしていたがオレは何も見ていない
自分の可愛い娘が、父親よりも「うー」しか言わない謎の生物を信頼してんだからな
親の面目丸つぶれである、ちょっと憐れだ
今回のことで挽回できるといいな
「この先がミュリーナ草の群生地だ」
「そして、バーストツリーの群生地でもあると」
「ああ、しかし本当になんとかできるのか」
「まかせろ、あれの対策はバッチリだ」
不安そうなガーラントの質問にオレは自信満々に答える
そして、目の前には1本の木
バーストツリー
<ランク4>
強烈な実を飛ばしてくる木
迫る生き物は一網打尽にされる
それじゃあ、始めるか
いずれバレットツリーの上位種と戦うことになると思い、いろいろと制作しておいた
まずは、攻城兵器として名高い投せk
ジュガァン
うおぉっ
ここまで飛んでくるのか
どうやら、バレットツリーよりも危険に敏感らしい
射程と思われる半径20mの広場よりも外で組み立てたのだが、途中でぶっ壊された
一応総ビックビギナートレント製だったんだが、再起不能だろう
バーストの名は伊達ではないってことか
ちっ、次だ
糸をバーストツリーの周りを他の木にかからないようにぐるりと設置する
そして、両端を引っ張ると周囲に引っかかるような障害物がないので、バーストツリーに糸をかけることに成功する
後は、重りを付けて全力で引っ張りじわじわとダメージw
ジュガァン
くそっ、これもダメか
なら、巨大石球でべきっと
ジュガァン
巨大バリスタで
ジュガァン
三方から
ジュガァン
ジュガァン
ジュガァン
くそっ
ジュガァン
用意した道具は全て破壊された
流石に一筋縄ではいかないようだな
ちなみに、前回と同じように盾を作って試してみたが、威力が強すぎて接近するまで耐えるのは不可能だということがわかった
ランク4素材の盾ですらダメなのか、攻撃力だけだったらレッサーデビルトレント以上かもしれない
次々と作戦が失敗していく度に、ガーラントの顔が険しくなっていく
「やはり、攻略は……」
「まだだ、くそっ、この手は使いたくなかったが仕方がない」
そう言って、ストレージの中からあるアイテムを取り出す
「よし、リーフ頼んだぞ」
「ふぇっ、えーーーリーがやるんでしかっ!?」
「お前に頼るのは悔しいがこれしか手がない」
「いやいやいや、あんなの食らったら死んじゃうでし」
「お前、何言ってんだ、自分がどんな存在か忘れたのか」
「えっ?」
「精霊は認知されない限り見つからないんだろ、しかもここはお前のホームみたいなもんじゃないか」
「でも、リーが手を加えた瞬間バッチリ見つかるんでしけど」
「大丈夫だ、あいつは構造上自分の枝より内側は攻撃できない」
「いやっ、でしが」
「シエータの母親を見殺しにするのか?」
「うーーー、わかったでし」
渋々ながらも、了承するリーフ
オレだって、お前に頼むのは本当はしたくなかった
生産職としては敗北ってことだからな
次までには手を考えておく
その後、リーフによって実を全て石のハサミでちょんぎられたバーストツリーは、難なく切り倒されたのであった
所詮実がなければただの木だ
それと共に、近くに生えていたミュリーナ草も無事に手に入れることができた
バーストツリーの幹(木材)
品質:6 レア度:2
バーストツリーを支える幹
そこら辺の木よりもちょっと頑丈だが、木材としての価値は低い
炸裂ドングリ(アイテム)
品質:6 レア度:4
バーストツリーになる木の実
かさの部分に衝撃を与えると飛んでいく
その後障害物に当たると強烈に爆発する
ミュリーナ草
品質:5 レア度:4
特殊な気候と環境のみで育つ草、非常に珍しい
本体はたいしたことなかったが、炸裂ドングリには非常に期待が持てる
それと、ミュリーナ草が思いのほか高ランクアイテムだった
確かにこれを採取するのは骨だろう
それは、帰る道中だった
「そういえばよ、別にバーストツリー倒さなくても、精霊の嬢ちゃんに頼めばミュリーナ草普通にゲットできたんじゃないのか?」
ちっ、ガーラント、余計なことに気がつきやがって
それが分かっていたから、わざわざバーストツリー倒さないといけないんじゃないって刷り込みしたんじゃないか
でなきゃせっかく作った新兵器をむざむざぶっ壊させるわけないだろ
リーフが、どういうことでしって顔で詰め寄ってくる
だが甘いな、既にこうなることを予測して言い訳は考えている
「何言ってんだ、もしミュリーナ草抜いた衝撃で攻撃されたらシャレにならんだろ」
「ああ、なるほどでし」
ふっ、バカは扱いやすくて助かるぜ
「それなら、紐でもつけて遠くから引っ張ればいいんじゃないか」
ガーラントぉぉぉぉおおおおお、余計なことを言うんじゃねぇ
くそっ、お前そんなに頭回るんだったらなんで娘に抜け出されてんだよ
もっと監督しとけよ
「しーしょー、どういうことか説明して欲しいでしー」
「いや、ほら、あれだ、そこまで思いつかなかったんだよ、あはははは」
「目がすっごい泳いでるんでしけど」
「いい経験になったからいいじゃないか」
「死ぬ程怖かったでし」
こりゃ、結構根に持ってるなぁ
仕方ない、この手はもったいないから使いたくなかったんだが
「じゃあ特別に後でフォレストバイソンのフィレ肉食わせてやるから」
「わー、やったでし、約束でしからね」
今日も木の精霊はチョロかった
余談
「あっはっはっは」
サナの笑い声が、森の中にこだまする
「ちょっとサナ、待ちなさい」
「うっはっはっはっはっはー」
「ねぇ、サナってば、新しい剣手に入ったの嬉しいのはわかるけど、先行しすぎよ」
「ぎゃふふふふふふふふふふふふふ」
「それと、女の子としてその笑い方は終わってるわよ」
「じゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
「……はぁ」
今日もサナは元気だった
読んでいただきありがとうございます




