↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第二章 苦労少女と守護人形
42/113

Ep41 轟砲は反撃の鐘

 はぁはぁ


 あは、あははははははは


「まだまだぁっ」




 みゅうみゅうを風香たちの方へ送った後、サナは一人でコマンダーゴーレムと戦っていた


「まずっ」


 既に何本目かわからない薬草をかじりながら、再び接近して剣を振るう

 多くの剣を犠牲にしたおかげで、HPは1割ほど減らすことができた


 しかし、サナの方もただでは済まなかった

 心は折れていないとは言え、防具は所々壊れ、予備の剣も残りが心もとなくなっている

 そして何より決定打に欠けていた


 さな自身、現実的に一人で倒しきるとは思っていない


 それでも、向こうが終わらない限りここを離れるわけにはいかない

 何とか互角に戦っているように見えるが、それはサナの経験と実力が支えているに過ぎず、一瞬でも均衡が崩れれば敗北という、まさに綱渡り状態と言ってよかった


 一瞬のミスが、全てのダメにしてしまう

 

 それに対して、相手はじっくりとサナを追い詰めれば済む

 なんたって、HPはまだまだ充分ある

 ゴーレムであるため疲労もない

 サナに大ダメージを与える隠し球がない以上、結果は火を見るより明らかだった


 唯一の可能性は風香たちであったが、向こうも聞こえる音から察するにかなりの激戦になっているのだろう

 みゅうみゅうがいるから、そうそう簡単に全滅はないと思うが、助けを期待するほどゆとりもないようだ


 再びサナは相手との距離を詰めるべく駆ける

 そんなサナを潰さんと振るわれる右腕をギリギリで回りながら回避し腕を担ぐ

 そして流れるように相手の力を利用して投げ飛ばす

 しかし、関節部を変形させバランスを取られてしまったので、僅かな隙しか生まれない

 その隙に、変形した関節部めがけ剣を差し込むように突き入れる

 すぐに反撃が来るのでバックステップで躱し、距離をとる


 相手の装甲が脆いところを確実に攻撃したはずなのだが、コマンダーゴーレムのHPはわずかに減っただけだった

 それに対して、今の衝撃と反動で完全に回避しきったはずのサナのHPが1割くらい減っていた


 薬草を常時使用することで何とかHPを5割より下回らないようにしているが、風圧や衝撃でじわじわとダメージと疲労が蓄積されていく


 今の一連の攻防でまた剣が一本ダメになった





 くそっ、結構ヤバいわね

 死に戻れるのであれば、刺し違えに行くのもいい


 一応まだ手はある

 2Jがバーサーカーだったからなのか、<狂化>というスキルが残っている



 狂化:捨てた理性の分だけ自身を強化する



 スキル強化のために、練習で軽く使ってみてはいるが、完全開放したことはない

 ちょっと戦いが楽しくなって回復がおろそかになる程度までだ

 それでも、実感できるくらいには強化される

 まぁ、その後風香にやたら説教されるのだが


 理性を全部捨てたら一時的にあいつにダメージを与えられるかもしれない

 でもそれは賭けだ

 それもかなり分の悪い


 正直、そろそろ回避もきつくなってきた

 あいつの攻撃を受けられる剣があればまだ違うんだろうが

 受け流すことすらできない


 予備の剣もあと2本

 薬草はもう少しあるが、これ以上ダメージを負えば回復量が足りない

 まさに八方塞がり


 だからといって相手が待ってくれるわけじゃない




 今度はコマンダーゴーレムの方が仕掛けてきた



 サナ目掛けて両腕が一気に迫ってくる

 しかも腹部から発射される矢のおまけ付きだ


「くそっ」

 バキン


 何とか、直撃は避けたものの、右腕を剣で逸したため剣が耐え切れずに折れる


 残った部分を投げつけて、一気に距離を取り残り2本の内の1本に手をかける


 やっぱり、狂化しかないか

 そうサナが思いかけた時



 ズガァン!


 強烈な発射音と共に、コマンダーゴーレムが僅かに浮いた


「おい、そこの赤い髪の女、この剣を受け取るでし」


 声と共にひと振りの剣が弧を描きながら飛んでくる

 明らかに素人投げだが、長年VRMMORPGで剣を振り続けたサナが掴めないわけがない


「なにこれ」


 思わずサナの口をついて言葉が漏れる

 それほどに凄まじい力を感じる


 見た目はちょっと黒い木剣

 しかし、そこから感じる力に一瞬鳥肌が立った


 サナの口が弓なりに持ち上がる

 鑑定などしなくてもわかる、これがあればあいつと戦えると


 反撃の舞台は整った

 残り少ない薬草を口に突っ込み、サナは再びコマンダーゴーレムと対峙したのだった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。