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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第二章 苦労少女と守護人形
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Ep37 みゅうみゅう登場

「やっぱりサナちゃんは強いわねぇ」


 覆面をとったみゅうが含みのある笑みをうかべながら、あたしに言う


 相変わらずこの女の考えていることは、よくわからない


「御託はいいわ。で、みゅう、本題を話しなさい」


「あら、私がPKやってたことは追求しないのぉ」


 この女わかってて言ってるな

 昔っからみゅうみゅうと言う女はタチが悪い

 まぁ役には立つし、実力もあるからいい練習相手としてあたしは彼女を重宝していたんだけど


「あなたが本気でやったら、こんなせせこましい事はしないでしょ」


「あらぁ、それはお姉さんを買いかぶりすぎよぉ」


 うふふ、と言って口を抑えながら笑う

 これを可憐だとか妖艶だとか言うバカがいっぱいいるが、あたしには理解できない


 あたしがいい加減イラついてキッと睨むと、「あらあら相変わらずサナちゃんはせっかちねぇ」と言いながらも話し始めた







 あたしがみゅうから話をあらかた聞き終えたころで、風香たちが警戒しながら戻ってきた

 敵のボスとあたしが話し込んでいることに全員最初はギョッとしていたが、みゅうということがわかったツナ吉とシーチは警戒を解いて、近づいていった


「みゅうみゅうねえさん、お久しぶりっす」


「みゅうみゅう、久しぶり」


「あらぁ、二人共いたの、元気してたかしらぁ」


「はいっす」


 そう言いながら、ツナ吉見えない尻尾がブンブン振られている

 昔からこいつはみゅうに鼻の下伸ばしてたからな

 そんな兄の痴態を見かねたシーチが蹴りを入れていた


「でも、みゅうみゅうがなんでここに居る?」


「それわねぇ、あら、見ない方もいらしたのね、初めまして、私はみゅうみゅうよ」


 みゅうが一歩踏み出せずにいた風香に気が付いた










 私は、あらかた周囲の探索を終え、戦う音がしなくなったのでサナの方へと向かった


 サナの元にたどり着くと、ひとりの女性がサナが話していた

 長い黒髪をゴムで一括りにしていて、ひょうひょうとした佇まいでありながらも、人懐っこそうな感じの女性だ

 よく見ると、さっきサナに襲い掛かってきたプレーヤーではないか


 身を固くして、剣に手をかけようとしたらツナ吉君とシーチちゃんが駆け寄った

 どうやら、知り合いみたいだ

 しかしなぜ?


 そんなことを自問自答してると相手から声をかけられた


「それわねぇ、あら、見ない方もいらしたのね、初めまして、私はみゅうみゅうよ」


 みゅうみゅう?

 それって、確か昔のサナのギルドの有名プレーヤーの名前だ


「もしかして、『風穿ふうせん』?」


「あら、やだぁ、昔の名前よ、今はただのみゅうみゅうよ」


 こんなところでこれ程の大物プレーヤーに合うとは思っていなかった

 私自身はサナ以上に『風穿』みゅうみゅうは名前でしか聞いたことないプレーヤーだった

 曰くサナとは違う意味で敵には回したくないらしい


 私はそんなことを考えていると、中途半端に空中に出されているみゅうみゅうさんの手に気がついた


「あっ、ごめんなさい、私は風香、風に香るって書いて風香といいます。今はサナと一緒のパーティとして戦ってます」


 そう言って、ガッチリとみゅうみゅうさんの手を握った


「へぇ、ふーん、じゅるっ、おっと、いけないわぁ」


 みゅうみゅうさんはつないだ手をジッと見つめるかと思ったら、急に口元を拭った


「みゅう、風香はあたしのなんだからちょっかい出したら殺すわよ」


 そんなみゅうみゅうさんにサナが厳しい口調で介入してきた


「あら、サナちゃんやだわぁ、でも本当に面白そうな娘ねぇ、うふふふ」


 そう言いながらも私の手をじっと見つめていた

 いつ放してくれるのだろう

 なんだか妙に緊張する


「というか、みゅう、さっきの話しもう一度風香達にしてあげて」


「もうっ、サナってば本当にせっかちなんだからぁ」


 この人は一回一回妙なシナを作らないと、話せないのかしら

 このところサナ達に振り回されすぎて、変なところでマイペースになった風香がそんなことを思っていた




余談


「んっ、おおっ」


「師匠どうしたんでしか?」


「うー?」


 突然声を上げた俺にカバ太とリーフが驚いたという感じで振り向いた


「いや、カバ太の防具作り直してたら、サイズが合わなくてな、おかしいと思ったら、カバ太どうやらお前また成長してるらしいぞ」


「う、うっうー!」


 成長が嬉しいのか、カバ太が嬉しそうに鳴く


「やっぱりカバ太はまだまだ成長期なんだな、どんどんおっきくなれよ」


「うー!」


「師匠、師匠、リーは、リーはどうでしか?」


「ん? ああ、どれどれ」


 リーフも採寸をせがむのでしてやる

 計測スキル便利だな、少しの間じっとしていてもらう必要があるが、触らずに相手のサイズを測ることができる

 リアルだったら、セクハラし放題だ


 というか、防具のためとは言え、見た目中学生くらいの少女の体を触ってはないにしろ計測してるって、オレ捕まるんじゃないか?

 いや、まぁここはリアルじゃないからいいだろ

 おお、リーフもおっきくなってるな

 さすがは成長期


 つうか、精霊にそういう概念あるんだな


「リーフ、よかったなお前をバッチリ成長してるぞ」


「ほんとでしか。やったでし」


 わーいと喜ぶリーフ


「ああ、二の腕が筋肉ついてバッチリ太くなってるな」


「ガーンでしっ」




 その後、死んだように元気がなくなっていたリーフだったが、飯を食ったらいつもどうりに戻っていた

 相変わらず精霊はよくわからん生き物だ

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