Ep27 ギルド旭の騎士団 後編
「まさかこんなとこであんたに会うとわね」
「君との決着は、まだついていないからね」
互いに視線で火花を散らせながら、睨み合う
「はいはい、二人共それくらいにして下さい。それに、角御門団長は何か目的があって私たちに声をかけたんでしょう」
「ん、ああそうだった、風香、君がいるなら既に理解していると思うが、我々は理由はわからないが、この世界に閉じ込められたようだ」
「……やはり、間違いはなかったんですね」
「ああ、これまでいろいろと情報を集めてはいるんだが、ひとつの例外を除いて、この世界から出た話はない」
「例外があるじゃない」
「サナ待って、それはきっと」
「ああ、HPが0になった場合だ」
「なるほど……ね、それで死んだらどうなんの?」
「わからない。ただ、既にうちの団から二人死亡者が出ているがなんの連絡もなく、スタートの街の連絡員からも、戻ってきた者の報告はない」
急にその場の空気が重くなり誰もが口を閉ざす
帰れない
そして死んだらどうなるかわからない
今まで、その可能性が高いことはなんとなくわかっているつもりでいた
しかし、改めて現実を聞くと重い
「そこで、二人には提案がある、もちろん君たちと一緒にいる二人もだ」
そんな中、角御門団長が口を開く
私たちに気を使ってなのか、さっきまで一言も発していなかったツナ吉君、シーチちゃん兄妹の方にも伝わるように話す
「今、私たちは『旭の騎士団』というギルドを作って、皆で帰る方法を模索している。昔の団員だけでなく、多くの人たちが協力してくれている」
「つまり、それにあたしたちも加われと」
「ああ、そうだ、ここはゲームじゃない、皆で協力して元の世界に戻る方法を探すべきだと私は考える。前のゲームでも実力者だった君たちが加わってくれればとても心強い」
「断るわ」
「ちょっとサナ」
一瞬の迷いも見せずに即決したサナを私は慌てて止める
「何よ、風香」
「どうしてよ、サナは帰りたくないの」
「別に帰りたくないわけじゃないわ、でもあたしは団体行動は嫌いなの、それに大きな集団に所属したら自由に戦えないでしょ」
「いやいや、待ってよサナ、これはゲームじゃないの、死んだらおしまいなのよ」
「そう…かもね。でもね風香、あたしはゲームとして遊んでる時から常にその気持ちでやってるわよ」
それに、と言い彼女は続ける
「あたしはあたしのやりたい様にやるわ、だから風香がここに残りたいならあたしは止めない」
サナの目は本気だ
「ツナ吉君やシーチちゃんはそれでいいの?」
「俺は姐さんに付いて行くっすよ」
「団長を放ってはおけない」
既に二人は付いて行く事を決めているらしい
「ああ、もうわかったわよ。あなた達をこのまま行かせたら心配で私が持たないわ。角御門団長、せっかくのお誘い申し訳ないんですけど」
「ぷっ、くっはっはっは、いやすまない、『覇剣』ならそう言うと予想はしていたが、まさか風香にまでそう言われるとわね」
角御門団長は、堪えきれなかったのか楽しそうに笑い出した
「そうかそうか、まぁしかし何か情報を得たら教えてくれ、それと話は変わるが、勧誘とは別件でもう一つ話がある」
その瞬間、もう話は終わりだろうと思っていたサナの顔が一気に不満げになる
しかし、角御門団長の話を聞いてその態度を一気に変えることとなる
「ここ最近、西の森に調査をしに行った団員が一人帰ってきてなくてね」
余談
「なぁ、リーフその羽って毟ったらまた生えてくるか?」
「師匠、突然何物騒なこと言い出すんでしか」
「いや、どんな素材で出来てるか気になってな」
「どうしてそんなに気になるんでしか?」
「いやだって、そんな薄っぺらいのでお前は飛ぶことができるんだろ、相当強靭な素材なんじゃないかと思ってな」
「いや師匠、精霊は魔力で飛んでるでし、この羽は飾りみたいなもんでしよ」
「なるほど、じゃあ毟っても大丈夫だな」
「いやいやいや、それはダメでし」
「飾りならいいじゃないか、それに俺が後でそれっぽいの作ってやるから」
「ダメでし。精霊にとってこれは大切なアイデンティティでし、それに毟られたらめっちゃ痛いでし」
「何と、神経まで通ってるのか、ますます面白い」
「絶対ダメでし」
「寝てる間に麻酔でちょこっとだから」
「嫌でし」
「じゃあ、毛みたいに、抜けたり生え変わったりしないのか」
「そんなことはないでし」
「何、じゃあ生まれた時からそのままなのか?」
「違うでし、そもそも精霊と人間は生まれ方が違うでし」
「ほう」
「精霊は、大気中の自然のパワーの集合体でし、だから生まれた時からある程度の大きさがあるんでしよ」
「なおさら、調べてみたくなったな」
「ダメでしよ」
「オレの世界では、それはやれと言ってるんだって誰かが言ってたぞ」
「そいつは頭が狂ってるでし」
「なぁなぁ、ちょこっと削るだけだから」
「絶対ヤでし」
「ちっ、カバ太、あの羽めっちゃ美味しいらしいぞ」
「うー」
「ちょっ、カバ太やめるでし、美味しくなんかないでし、うぎゃー」
「……今度こっそり削ってみよう(ぼそっ)」
「こっちにくーるーなーでしー!」
「うーっ!」




