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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第二章 苦労少女と守護人形
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Ep23 訳あって、武器屋で働いてます

「おっちゃん、この店で一番良い剣ちょうだい!」


「おうっ、お嬢ちゃん元気がいいねえ、しっかし結構値が張るぜ」


「大丈夫大丈夫、とりあえず見せてよ」


「ちょ、ちょっと待ちなさいサナ、どこにそんなお金があるのよ」


「何怒ってんのよ、風香。とりあえずどんなもんか見ておきたいじゃない、それに運が良かったら「そなた程の使い手なら、お代などいらん」とか言ってくれるかもしれないじゃん」


 そんなことをさらりと言い放つ彼女の屈託のない笑顔を見て、私は改めて思った


 はぁ、頭が痛い、と






 始まりの街とも言える、スタートの街

 そこから北に街道を歩くこと二日

 二つ目の街、ミネスはある


 そう、一般人の足でも二日で着くはずなのだ


 しかし、私たちがミネス街の入口をくぐったのは5日目になって、日も高くなった頃だった


 まず、出発5分で街道から逸れ


 1時間後にはなぜか森の中にいて


 2日目辺りには迷子になった


 結局用意した旅用の道具は早々に底をつき、それよりも先に武器がなくなったサナはそこら辺の細めの丸太抱えて戦っていた


 食べ物は、そこら辺にいた生き物の肉と魚を焼いて食べた


 そして、私たちのストレージが魔物のドロップ品で溢れかえった頃、やっと街についた


 街に着くなり、サナが突っ走って行ったのがまず武器屋だった







 で現在、私はなぜか武器屋でバイトをしている


 正確に言うと店番をする羽目になった






「へっへ、これがうちに店で一番良い剣だ、嬢ちゃんたち見るからにまだ駆け出しだろうから、この剣を手にするのはまだ早いと思うがな」


「む、ちょっと貸してもらっていい」


「おう、せいぜい眼に刻んどけ」


 そう言って、武器屋の店主はサナに剣を渡す


 サナは、おもむろにそれを受け取ると


 えいっ


 パキン


 膝蹴りでへし折った


「うおぉぉぉおおおい、嬢ちゃん何してくれるんだ」


「うるさいっ! なんなのよこの剣、こんなヘナチョコで魔物と戦えると思うの? はっ、ちゃんちゃらおかしいわね」


「おいおい、いくら若い娘だからって何やっても許されると思うんじゃねぇぞ」


 店主の声のトーンが一段下がる


「何よ、言いたいことがあるならはっきり言いなさいよね」


「駆け出しのひよっこが調子乗りやがって、武器屋ナメんじゃねぇぞ」


「こんなナマクラ扱ってる店が、武器屋ですって、世も末ね」


「表出ろ」


「望むところよ」


 ヒートアップした二人は、そのまま外へ行こうとする

 怒涛の展開に飲まれていた私は、慌てて二人を止めようと必死になる


「ちょっとサナ、おじさんも落ち着いて」


 くいくい


「団長はああなったら何言っても無駄」


 慌てる私を引っ張り、まるでいつものことのように、シーチちゃんが淡々と言う





 それから外で何があったか知らないが、ズタボロになった二人が肩を組んで帰ってきた

 あれだけ険悪だったのに、一体何があったのだろう


 サナが私に一言、「剣作ってもらってくるわ」と言って、裏にある工房に引きこもってしまった


 そして、シーチちゃんもいつの間にかいなくなっており、そんな時に限って客が来る


 結果、なぜか武器屋で働くことになった


 もう、なんでよ







 そのころ


「しかし、風香さん一人置いてきて良かったんかなぁ」


「これは役割分担、私とダメ兄は素材売りにいく、風香は団長担当」


「相変わらず、シーチは強かだなぁ」


「それとダメ兄は、私にもいつもの口調使うべき、ダメ兄のキャラがぶれる」


「いやいや、なんで妹に敬語使わないといけないの、ってかあれはキャラ作りでやってるわけじゃないよ」


「敬語? ダメ兄のあれを敬語と言ったら敬語が泣く」


「いやいやひどくない、これでも丁寧に話してたつもりなんだよ」


「無駄口はそこまで、私たちの順番。ダメ兄も売り物出す」


「くっ、妹が厳しい」








余談


「うー、うっうううー、うーうー」


「いやいや、これはこっちのもも肉の方が美味いだろ」


「うーうー、うっうっうー」


「脂の乗り具合? オレはさっぱり派だからな」


「うーうー」


「雑草と一緒にはカバ太にしかできないって」


「あのー、ちょっといいでしか?」


 俺とカバ太がフォレストディアーのどの部位が美味いかについて熱く激論を交わしていると、リーフが申し訳なさそうに声を挟んでくる


「師匠はカバ太の言葉がわかるんでしか?」


「いや、さっぱりだけど」


「じゃあなんで会話できるんでしか」


「うー?」


「なんとなく雰囲気で?」


「いやいや、おかしいでし」



 

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