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PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第一章 白い珍獣と悪魔の樹
22/113

Ep21 パンツの精霊に気に入られた模様です

 ピピピピピピピピ


 うおっ


 脳内でアラームが響き渡るのを、慌てて停止させる


 うるさすぎて最悪の寝起きだ


 アラームのレベルが上がったからか、音量が設定できるようになったので強に変更していたんだった

 音が鳴っているというよりは、ダイレクトに脳内に衝撃が来ている感じだ

 実際カバ太に聞いたところ音漏れはなく、俺にしか聞こえてないらしい


 しかし、相変わらずカバ太枕は最強だな

 気持ちよさそうにまだ寝ていて、規則正しく上下する真っ白なお腹をさする


 昨日は剣を作って、そのままんま寝ちまったからな

 とりあえず、川で顔でも洗ってくるか


 そう思い、立ち上がったところで気がついた

 オレが作った剣の上で変な奴が寝てる

 

 茶色く癖のある長い髪の少女が、くーくーと気持ちよさそうな寝息をたてていた

 よく見ると、うっすらと透き通った羽が背中にくっついている



 ???

 ランク???

 羽が付いた謎の少女



 期待はしていなかったが、相変わらず識別が仕事をしてくれない


 にしても気持ちよさそうに寝ているな

 整った顔を口から垂れるよだれが台無しにしているが、相当可愛い部類に入るだろう


 ぷにぷに


「うにゃぁ、ぺんぺん草はあんまりおいしくないでしよ~、むにゃむにゃ」


 ぷにぷに


「にゃ、意外とクラゲって生でも、うっ、しひゃがしびれひゃでひ(舌が痺れたでし)」


 ぷにぷに


「うーもーれつーでしー!」



 コイツ面白いな

 しかし、下手に起こしてめっちゃやばいやつだったら怖いな

 よし、こういう時こそカバ太だな



 ゆさゆさ


「カバ太、一回起きろ」


「……うー、うー?」


「ほらカバ太、あっちに茶色いクッションがあるから、あっちで寝ような」


「うー」


 そう言って、謎の少女のところまで、ほとんど寝ているカバ太を連れて行く


「さぁ、とりあえずこの上で寝ていいぞ」 


 ぼふっ


 ……


 …………


 ………………


「むーむー」


 おお、とりあえず呼吸しているみたいだな


 完全に口と鼻をカバ太の腹で押しつぶされた少女が、めちゃめちゃもがいている


 うーん、どうすっかな


 少女は必死になって余裕がないのか、パンツ丸出しのあられもない姿で暴れている


 この世界でも、ちゃんと下着は作成されてるんだな


 流石に触って確かめるわけにはいかないが、結構高度な服飾技術があるんだろう


 そんなことを考えてると、少女がピクピクし始めたので慌ててカバ太をどかす


 まぁ、オレの作った剣に涎を垂らした罰はこの程度で許してやるか




「げほっ、げほっ、死ぬかと思ったでし」


「で、お前は一体何者なんだ? 」


 いつでも戦える準備を整えて、オレは目の前の少女に質問を投げかける

 もちろん剣はとりあえずカバ太で拭いて、ストレージに収納してある


「っ、ひゃ、リーは悪い精霊じゃないでし、殺さないで欲しいでしっ」


 オレを認識したとたん、目の前の少女は恐怖に顔色を染め、よたよたと後ずさる


「おいおい、別にとって食ったり、脅したりしないって」


「嫌でし、食べられたくないでし」


「いや、人の話聞けって、別にオレはお前をどうこうするつもりはないって」


 そこまで言うと少女は、そっとオレのことをうかがってくる


「ほんと……でしか?」


「ああ、ほんとほんと」


「嘘ついてないでしか?」


「ついてないついてない」


「リーのこと食べないでし?」


「いやー、ちょっと小腹空いたから……」


「ひぃぃでしーーー!!!」


「おい、冗談だって」


 ガクガクブルブル





「騙すなんてひどいでし」


「悪かったって」


 あまりに面白かったんで、つい出来心でからかったら、結局1時間くらい説得してやっとまともに話せるところまで持ち直してくれた


 まぁあれだな、一番の原因はやっと落ち着いた彼女の横で大口開けてあくびしてたカバ太のせいだ

 食われると思ってびっくりしすぎた彼女は、白目剥いて泡吹いて気絶したからな

 オレとしては中々にレアなものが見れて面白かったが



「それで、結局お前は何なんだ?」


「リーは、木の精霊でし」


「精霊? 魔物とは違うのか?」


「精霊は精霊でし、魔物はお前たち人間が自分たちに敵対する生物に付けた俗称でし」


「へぇ、精霊ってなんなんだ」


「精霊は精霊でし」


「つまりお前もよくわかんないと」


「うるさいでし、じゃあ、人間ってなんなんでしか? 」


 生意気にも反論してきやがった

 だが、確かに改めて聞かれてみると答えに詰まるな


「ふむ、なるほどな、言いたいことはわかった。それで、本題なんだが、なんでお前はここにいたんだ」


「えっ……それはでしね、ここからすごい強い植物の力を感じたでし」


「強い力?」


「そうでし、リーはそれに引き寄せられて、ここに迷い込んだでし」


「ああ、それってこれのことか」


 そう言ってオレはストレージからレッサーデビルトレントの剣改を取り出す


「それでし」


 精霊少女がビシッと剣を指差す


「そんなにすごいのか? 別にもっと凄いやつはいっぱいあるだろう」


 とりあえず、レッサーとかついてる魔物だったし、序盤にしては高価な素材だと思うが、もっと上の素材なんていっぱいあるだろう

 つか、無いとモチベーション的に困る


「うーん、なんて説明したらいいんでしかねぇ、リーにとってこの剣はすごく安心できる感じがしたんでし」


「安心かぁ」


 抽象的すぎて全くよくわからなかった




 閑話休題


「ところで、この剣はどうやって手に入れたんでしか?」


「オレが作ったんだよ」


「これをでしか」


「ああ」


「ほんとにでしか」


「だからそうだって言ってるだろ」


「ほんとのほんとにでしか? 」


「めんどくさいやつだな、やっぱりカバ太の餌にするか」


「うー? 」


「いやいやいや、嘘でし、もう疑ってないでし、それだけはやめて欲しいでし」


 精霊少女が、猛烈に首を振って否定している

 さっきのあれが余程トラウマになっているらしい




「師匠、リーを弟子にして欲しいでし」


 改めて精霊少女がこちらに向き直ったかと思うと、土下座された

 精霊の世界にも土下座あるんだなぁ


「突然どうしたんだ」


「リーは、木の精霊でし、これだけ優れたものを作る師匠の技をリーも知りたいでし」


「ああ、なるほどな」


「弟子にしてくれないでしか?」


 でしでしうっさいやつだなぁ、しかし、助手が増えると思えばありだろう

 役に立つがどうかはわからんが、人型である以上そこそこのことはできるはずだ

 

 いやむしろ、うまく育ててオレがもの作りに没頭できるように、素材集めから身の回りのことまでしてもらおう

 弟子とはそういうものだ


「よし、弟子にしてやろう。ただし、厳しい道だぞ」


「頑張るでし」


「辛いこともあるかもしれないぞ」


「負けないでし」


「師匠の言うことはぜったいだ」


「了解でし」


 よし、いいパシリが仲間になった




「ところで、お前名前なんていうんだ」


「えーと、『ういhsdふぁういっふbvどzすhbyv』でし」


「いや、さっぱりわからんが」


「えーとでしね、人間に聞き取れる感じだと、『ブレリデ・リーファナス・トルクヌ・アセトル』でし」


「長いな」


「師匠の好きに呼んでくれていいでし」


 好きにって言われてもなぁ

 つか、もうほとんど覚えてないしな

 えーと、ブレだったかブリだったか

 そういや、こいつ会ったときパンツ丸出しだったからな


「そうか、じゃあブリーフだな」


「なんでかわからないでしけど、なんとなく嫌でし」


 意外と鋭いな

 じゃあ木の精霊だし


「リーフってのはどうだ。人間の世界で葉っぱって意味だ」


「うん、それならいいでし。それじゃあ師匠、手を出して欲しいでし」


「なんでだ?」


「リーの師匠として、リーの加護をあげるでし」


「なんかいいことあるのか?」


「リーがどこにいるかだいたいわかるようになるでし」


「じゃあいらん」


 そんな力必要ない


「あー、待って欲しいでし、他にも植物を扱うことに恩恵を受けられるでし」


「よし、直ちに頼む」


「師匠、分りやすいでしね」


「うるさい」


「それじゃあ、師匠末永くよろしくでし」


「ああ」


 そう言って、オレとリーフはがっちり握手を交わすのであった

 












 途中から完全に除け者にされていたカバ太を宥めることが、最初の共同作業になった

 名前:ヒロ

 種族:人間


 1J:墓荒らしLv3

 2J:生産狂人Lv6

 3J:鬼薬師きやくしLv2


 スキル:採取Lv14、生産初級Lv4、斧術ふじゅつLv20※、石工Lv8、鑑定Lv15、解体Lv14、調合Lv12、製薬Lv12、識別Lv8、木師Lv18、切断改Lv9、研磨改Lv11、接着Lv15、分離LvMAX、細工Lv20※、肉体強化Lv16、計測Lv15、穿孔Lv10、光球Lv8、砲術Lv5、拠点把握LvMAX、ダウジングLv1、超集中LvMAX、アラームLv5


 EXスキル:メディーナ式薬学

      木の精霊の加護


 スキルポイント:5


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