↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第五章 世界幼樹と天鳥の子
109/113

Ep104 エルフの隠れ里と迷いの森破壊のいたちごっこ

 リーフの交渉(力技)によって、一行は一直線にエルフの里へと進む。


「私達だけだったら、こうもすんなり前に進めなかったでしょうね。リーフちゃん、ありがとね」


「ふふん、リーは凄いんでし」


 腰に手を当て、胸を張ったリーフは、調子に乗ってクルクルと飛び上がる


 ガンッ


「ふぎゃぁ、痛いでし―」


 木に顔面をぶつけて、のたうち回る精霊がそこにいた。


「うわぁ、リーフちゃん、大丈夫!」


「うぅ……すっごい痛いでし」


「うー」


 ぺろぺろ


「うひゃぁ、ちょっとカバ太止めるでし、心配してくれるのはうれしいでしがぁぁ、ぐぇ、重すぎるでしーーーーーー!」


「わ、わっ、ちょっとカバ太」


「わひー、顔がべたべたでし」


 ぶつけた顔をカバ太に舐められ、潰されたリーフが再び立ち上がるまでにしばらく時間がかかった。

 いつも元気に動くアホ毛も、少しへにゃっとなっていた。




「ダメ兄は、この森私達だけで突破できると思う?」


「うーん、今の姐さんなら木をへし折って進んだかなぁ。実際それで迷いの森が更地になったって事もあったし。あれ、シーチはその時いなかったっけ」


「行ってない。きっと新作レシピに夢中で付いて行かなかったんだと思う」


「そうだったっけ? あの時は、マップが地形ごと違う感じになったから、流石にメンテ入って、姐さんには運営からマジ勘弁してって連絡来たんだよ」


「さすが団長」




 森が深くなり、歩きにくくなってからしばらくすると、急に森が開けた。


「うわぁ、綺麗ね」


 風香だけじゃなく、他のメンバーも各々目の前の光景に息をのむ。


 一面緑の絨毯に覆われ、中央部には澄んだ水をたたえる湖が、陽光を反射してキラキラと輝いており、ところどころに生える大樹は太く脈打ったように独特のシルエットを呈している。

その合間に建つ家々は木造の平屋で、一体感のある茶色や緑でカラーリングされている。



「貴様たち、どこから入ってきた!」


 風光明媚な景色に気を取られていると、急に横から怒声が響いた。


 声の方を振り向くと10人ほどのエルフがこちらに弓を構えて立っていた。


「わ、私達はドワーフ王国からこの場所に、腕のいいエルフの職人がいると聞いてやってきたんです。あなた達と争うつもりはありません」


 風香は、慌てて説明をする。

 サナ達を助ける準備のために来たのであって、戦いに来たわけではない。。


「なに、ドワーフだと!」


 ドワーフの名前を出したら、エルフ達の空気が更に悪くなった。


 風香達は知らないが、この里にいる一部のエルフは、ドワーフ王国で迫害されていた過去があり、未だに憎んでる者も多かった。


 エルフ達がざわつく。

 中には、恨みがましい目で風香たちを睨む者までいた。


「すぐに立ち去るなら見逃す。とっとと外へ行け!」


 リーダーらしき男は、手で周囲を制し、風香たちに帰れと告げる。


 状況が最悪な中、カバ太が一歩前に出る。


「うー」


 そして、リーフを見上げて一声鳴く。


「ん? どうしたんでしか、カバ太……っ、ああ! そうだったでし! おいそこのエルフ、手紙があるでし」


「なんだ? ドワーフからの手紙など読む気もない」


「違うでし、リーとカバ太はエルフにここを紹介してもらったでし」


 そう言って、リーフはカバ太の背中の内側に括りつけられた手紙を出して、リーダーの男に投げる。


「ふんっ、エルフと言っても、おおかた……こ、これはっ、馬鹿な、しかし本物なら。おい、お前、この手紙は誰に貰った」


「メララでし」

「うー」


「やはり、メララ様は生きておられたか。全員構えを解け、メララ様の紹介なら話を聞こう。付いてきてくれ。すまないが、武器はこちらで預からさせてもらう」


「まぁ、仕方ないわね」


「そうっすね」


 急に態度の変わったエルフ達に驚きつつも、風香たちは武器をエルフ達に預ける。

 ストレージはノーチェックだったので、最悪の場合は予備の武器で身を守ることもできる。


 町の中を歩きながら、風香はここにサナが居なくて良かったと、一人心の中でため息をついていた。

 サナなら、エルフたちが弓を構える前にぶっ飛ばして、ひと悶着あったに違いない。




「くしっ」


「ピヨ?」


「風邪ひいたかしら? きっと生ぬるい戦いをしてるからね。よし、あっちのもっと強そうなやつの気配が沢山する方に行くわよ」


「ピヨッ! ピヨピヨピヨ」


 いやいやママ、既に僕死にそうだよ、って言うか今戦ったばかりだよね、そろそろ休憩した方が良いと思うんだって感じのピヨ助の必死の懇願などサナにはわかる訳もなく


「そんなに暴れて、気合入ってるわね」


 懸命に拒否する思いもむなしく、奥へと引きずられていくピヨ助であった。


「ピヨ―――――――!」




おまけ


 サナの迷いの森破壊事件には続きがある。


 マップ破壊が行われたため、連日運営会社内部では会議が行われ、破壊不能オブジェクトなどに設定して対応する案もでた。

 しかし運営の開発班には地下と上空、マップの境界などの物理的制約がある部分以外は全てちゃんと風化し、動かしたり、壊れたりするように設定する独特の矜持があった。

 なので、事件後にイベントで出現させた森林迷路の森は耐久力を超高くして、破壊されないようにした。

 

 結果、根っこから引き抜かれて複数プレーヤーに攻略された。


 今度は、根を長くして、地面も頑丈にして抜かれないようにした。


 折れない抜けない木に対してイラついたサナが、某プレーヤーに5徹させて作った武器でへし折った。


 その後、覇剣VS運営開発部のいたちごっこの解説wikiが作られ、破壊力レベルの参考に利用されるなどかなり盛り上がった。


 中でも、やりすぎた4回戦が有名で、運営があまりにも頑丈な素材に設定してしまったため、その後にあった大規模侵攻戦のイベントで、敵の突撃型モンスターが全てその素材で作った柵に受け止められ、柵の外側からひたすら狩られるだけの経験値献上イベントなったのは、何週間もプレーヤーのレベルをモニタリングして、モンスターレベル調整していた運営には散々な日だっただろう。


 他のだと、イベント中のみイベント内のオブジェクトにはどんなダメージでも1万回打撃がないと壊れない(←砂粒を発射する装置の前に軽々狩られる)


 ダメージを10000分の1にする(←小数点以下は1とカウントされる仕様の為、小石(攻撃力1)を超高速で連射する装置で粉砕)


 攻撃を受けると反撃(強くて硬い敵にサナが狂喜乱舞。また、たまたま剣や魔法が当たったり、攻撃を受けて叩きつけられた時もプレーヤーを襲ってくるため、イベントの裏ボスと呼ばれた)


 最終的に、謎をちゃんと解かないと先に進めないと言う斬新なアイデアによって、終結を見せた。

 多くのユーザーからは、早く気づけよと叩かれたのは言うまでもない。


読んでくれてありがとうでし!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。