↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PKになった俺は孤立するしかなかった  作者: 北神悠
第五章 世界幼樹と天鳥の子
100/113

Ep95 出会う2人

気付けば100話到達です!

「あっ!」


「どうしたリーフ、面白い素材でも見つけたか?」


「あっちの山のてっぺんが一瞬光ったでし」


「何? よし、すぐに向かおう」


「えっ、でも昨日は山の上なんて何もないから行くだけ無駄だって言ってたでし」


「事情が変わった。行くぞ」


「うー!」


「ちょっ、師匠、待って、待って、昨日山登らないからって装備が重くなって、そんなに早く動けないでし――――!」


 リーフの必死の制止は無視して、ヒロとカバ太は駆け出した。




 山の上は普通大した素材はない。

 そもそも、鉱物や植物は頂上の環境が好影響を及ぼすことなど基本ないし、偶然何かあったとしても、高いところが好きな人間バカ魔物アホに持っていかれてる。

 ゲームだと、イベントなどで頂上にしか発生しない奴もあるが、俺らでも近づけるレベルの山で、しかも大して高くない山の頂上を探すくらいなら、周囲を探索した方が良い素材もゲットできるし、魔物に邪魔されることも少ない。


 しかし、ここはゲームの世界みたいなところだ。頂上に何かある可能性を捨てているわけじゃない。

 もし何かレア素材があれば言うことなし。無ければ無いで、周囲の地形の観察と、弟子のトレーニングと高いひらけたところでしかできない実験をやれば一石三鳥だ。それにしても、昨日更に重くしたのに、カバ太は余裕そうだな。あのお気楽精霊は、姿が見えないが集合場所は見えてんだ、あの装備ならランク5にかじられてもそうそう死なない……と思う。


 まぁ、何とかなるだろ。それより素材素材!




「ねえ、サナ本当に頂上まで行くの?」


「当たり前でしょ! あたしのカンが、あそこには何かいると言ってるの」


 はぁ、と風香はため息をつく。

 ストレージがあるとはいえ、装備やすぐに使うものは一分制限があるので、ある程度は身に着けているのだ。

 ドワーフ王国でも思ったが、サナの体力は尋常じゃない。彼女は自分の荷物に加え、私達の分も遅いと言って担いでいるのだ。その上道中の魔物を殴り倒して、なお楽しそうだ。


「風香仕方ない」


「そうっすよ。でも、姐さんのカンってよく当たるんっすよね」


「ダメ兄、それはフラグ。風香も身構えておいた方が良い」


「いやいや、流石に……」


 ツナ吉が否定するような仕草をしたとたん、サナが声を上げた。


「あっ、あれは。ちょっと、ツナ吉荷物は任せたわ」


「えっ、ちょ、姐さん!」


 サナは突然担いだ荷物を置いて走り出してしまった。


「ダメ兄」


「ツナ吉君」


「いやいやいや、えーーーー」


 ジト目で二人がツナ吉を見る


「そ、それより、俺達も姐さんを追うっすよ」


「逃げた、でも一理ある」


「そうね。ちょっと、サナ、待ちなさーい!」




「ふははははは、山頂の素材は俺のものだーーーー!!!」


「うっうー!」


 一人と一匹は山頂目指して山を駆け上がっていた。

 既に森は開け、低い草の間から赤茶色の岩がところどころむき出しになっている。後方にリーフの姿はない。


「どぅおらぁああああああ!」


「ぐっはぁあああああ!!!」


「うっ?! うーーーーー!!!」


 突然、赤い物体によってヒロが吹き飛んでいく。

 音も気配もなく現れた存在に、カバ太は驚くもすぐに戦闘態勢に入り、鎖鎌を投擲する。


「はんっ、甘いわ!」


 しかし、赤い物体は軽々それをはじいて、ヒロの首根っこをつかんで持ち上げる。


「ぐっ、いきなり何しやがるんだサナ」


「今までどこほっつき歩いてたのよ! あんたは武器担当でしょ、おかげで風香には怒られるわ、すぐポキポキ折れるわで散々苦労したのよ!」


 げしっ


「はぁ? この間すっごいの渡しただろ! あれはどうしたんだよ」


「ふんっ、あんな鈍ら、おっさん殴ったらへし折れたわよ」


「なっ! ちっ、あれ折るとかどんだけだよ!」


「腕が足りないんでしょ」


 ばしっ


「んだと。あの時手に入る最高の素材で作った、最高傑作だ!」


「じゃあ、早く次作りなさいよ」


「じゃあ、素材もってこい、生憎現状レア度5が最高だ」


 ヒロはスティグマに貰ったグリュンライトはレア度7だが、相応の鍛冶設備がないと加工不可能な為、口には出さなかった。


「ちっ、じゃあ、5でもいいわよ。すぐにもっとすごいの狩ってくるわよ」


 ばこっ


「ああ、それならいいぜ、とりあえずは拠点建てるか。お前に合わせて武器を作る」


「すぐ一本用意しなさい。出来るでしょ」


「頑丈ならいいんだろ」


「ええ」


「うーーーーー!」


「あー、さっきから何なのよ、うっとうしい」


「ちょっとカバ太これから作業するから静かにしておけ」


「うっ!?」


 サナに吊り下げられたままのヒロを必死に助けようとしていたカバ太は、会話中に何度もサナにあしらわれていた。

 それでも、ヒロを助けようとしていたのにこの言い草だ。

 そっち方面にはメンタルが弱いカバ太は、凹んだ。


「うーん」


「いや、ほら悪かったって、こいつはサナといって剣振ってれば満足のバカだ。暴力も会話の一つだと思ってるやつだから、さっきのも挨拶だ、ほら怪我してないだろ」


「なに、悪い? というか、その生き物あんたのペット? 早く剣作ってほしいんだけど?」


「じゃあ、サナ、お前がカバ太慰めとけよ、こいつ意外と繊細なんだから」


「なんであたしが」


 カバ太はうちの調達、調理担当なんだ、こんなんで拗ねて俺のサポートしてくれなくなったら困る。いずれは身の回りの世話をカバ太に全部やってもらう予定なんだからな。


「じゃあ、作らん」


「くっ」


 しぶしぶサナが、カバ太を慰める。


 サナはあれで面倒見がいいからな。

 とりあえず、武器を作ろう。

 とは言っても、鍛冶ができない以上木剣か石剣位か、いや、この間作りまくった魔法金属があったな。

 あれを張り合わせて……

 ヒロは一人作業モードに突入した。




「踏み込みが、甘い、もっと体を振って、もっと! よしっ、そのまま反転! 筋は良いわね!」


 はるか彼方にあっという間に言ってしまったサナにやっと追いついた風香は、目の前で白いカバみたいな生き物に稽古をつけているサナを発見した。

 何やってるのよと声を掛ける前に、後ろから声が上がる。


「ヒロの兄貴!」

「ヒロにぃ!」


 シーチとツナ吉が、サナの後ろで何かをガンガン叩いてる男に近づいていく。

 

 ヒロって、確か。


「兄貴っ!」

「ヒロ兄!」


「ああ、三人とも追いついたのね……よっと、今のは良いわ、もう一回! 作業モードに入ったあいつに何言っても無駄よっと、そのフェイントは、踏み込みが浅いわ」


「うーーー!」


「そういえば、兄貴はそうでしたっすね」

「うん、作業終わるまでは何言っても無駄」


「まぁ、すぐに終わるわよ、ほっ、今度はフェイントに重心置きすぎ」


「うー!」


「ところで、サナは何やってるの?」


「ああ、武器作るまで暇だったから、トレーニング? 結構筋良いわよ、鍛えたらいい練習相手になりそうね」


「その剣は?」


「ん、練習に使ってたら折れた」


「さーなー!」


「うわぁ、ちょっと、ふっ、二対一ね、面白いわ」


 カバ太との戦いに怒った風香が加わり、なぜかサナは楽しそうだった。


「これ、どうすればいいと思う」


「放っとくしかない」


 やれやれといった顔で、2人は顔を見合わせた





 おまけ


「師匠―、置いてくなんでひどいでし―」


 彼女は一人まだ山登りをしていた……


やっと、邂逅を果たしました。しかし2人は相変わらずです。

会話パートが楽しすぎて、次に進めませんでした。

ヒロとサナはこの物語の中核ですからね、ここから一杯暴れてもらいます。

精霊さんも活躍するよ、うん、きっと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。