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(7)「意外な発明と発見」

翌日は、ジブタル兄と一緒にログハウスの外壁や、エントランスの一部を持ってきたレンガで補強する作業を始めた。スライム接着剤は木材とレンガをいい感じでくっつけてくれる。


「お、タクロー。面白そうなことやってるな。」


僕は、ログハウスの玄関下にレンガを埋め込んでいた。

ジブタル兄は豪快。階段はいつも一足飛びなので、玄関下には穴が開く。


「石ほど固くないけど、同じ形が揃うから平らに出来るんだよ。」

ジブタル兄は、レンガどうしをぶつけてみたり、重さを確かめたりしていた。

ジブタル兄はレンガをいじりながら、外壁にも使えそうだと言う。

僕も、玄関下に埋めた感じから、悪くないと思っている。


とりあえず手元のレンガを並べてみる。

……が、途中で手が止まった。


明らかに足りない。


これじゃ補強どころか、ただ“貼っただけ”で終わる。


「足りねぇな」


ジブタル兄も同じことを思ったらしい。


僕は積みかけのレンガを見下ろしながら考える。

やるなら、中途半端じゃ意味がない。


「……ブチル兄のとこに、レンガあったはず」


前に見た建設予定地を思い出す。

あれだけあれば、外壁もある程度は固められる。


そう言うと、ジブタル兄はすぐに立ち上がった。


「よし、取りに行くか」


「いや、さすがに一言は言おうよ……」


勝手に持っていってトラブルになる未来が普通に見える。

そんなやり取りをしていると、背後から声が飛んできた。


「何やってる」


振り向くと、トンル兄が立っていた。

事情を説明すると、トンル兄は少しだけレンガを見て、


「……悪くねぇな」


と呟いたあと、


「なら行くか」


とあっさり言った。

判断が早い。


「ジブタルはここやっとけ」


「おう」


短いやり取りで話がまとまる。

こういうところ、本当に頼もしいと思う。

結局、ジブタル兄は作業を続け、

僕とトンル兄でブチル兄のところへ向かうことになった。


小川近くの丘に、ブチル兄のレンガの家…未満の何かはあった。

ブチル兄らしい。間取りを先に区切って寝床らしいものや、食卓らしいものもすっかり出来てるが、外壁や、屋根がまだ無い。


その横でブチル兄が、粘土をこねてレンガづくりをしていた。

…数は足りてるはずだからさっさと外壁と屋根作ればいいのに何してんだろ?


「タクロー、ちょっと見てくれ、凄い事見つけた。」


僕は延々、ブチル兄の話を聞かされた。

面白くはあったから、いいけど。内容はだいたい…

ブチル兄は、独力で焼きレンガにたどり着いた。乾燥レンガとは耐久が違う。しかも、土の配合も試行錯誤したらしい。

みたい感じだ。


トンル兄はブチル兄の話を最初の方だけ聞いたあと、なんか退屈だったのか、ランニングに行ってしまった。

「まどろっこしいな。わざわざ通いでここまできて、やってんのか?タクロー、いい方法考えろや。」


トンル兄、丸投げ?僕に?

トンル兄が笑で仮住まい作れば、いいんじゃない?

レンガの作り方も…そうだな…


一つずつ整形するより、ジブタル兄に木枠作ってそこに粘土を詰めるようにすれば、量産できる。今ある乾燥レンガで、窯を作ってしまえば、焼きレンガももっと作れるな…とか。



「やっぱ、タクは天才だな。思いもよらなかったよ。」


あ、どうやら僕は、考えながら喋ってたみたいだ。そういえば、小学校の時もブツブツうるさいって言われたっけ。

ブチル兄は、僕をおだててる。独力で焼きレンガにたどり着くブチル兄のほうが凄いとおもうけど。


「ステータス・オープン」

僕は、何かスキルでも増えてないか、なにか使えるものはないかと、ついでに確認しようと思った。


名前 タクロー

種族 オーク種タイプ「ブタノオノミ」 レベル1

特殊能力 ステータスウィンドウ

     田久巳 琢郎

     気配察知

     ひいて、ひいて、とんトン豚(糸巻き)

     食材検知(キノコ)

     ???


…なんか増えてる。タイプも ブタノオノミ? 豚の尾のみ か? 兄ちゃんたちのしっぽ扱いかな? 相変わらず意味不明だ。

食材検知は良いとして、糸巻きとか、特殊能力名の命名規則とか意味がわからん。システム設計者誰だよ…とか考えてた。


「ところで、タク、ちょっと聞いていい?」

僕が屋根のない、部屋の隅で考え事をしていると、ブチル兄が声をかけてきた。

ブチル兄は何処かズレてるが、優しい。一応僕に確認をするんだ。

声を掛けるぐらい、べつに許可は要らない。問題は、無いようだ。いや、内容だ。


「タクの前に浮かんでる"板"、何?」


…板?

………………見えてるの?

………………そういうものなの?


コンコンとブチル兄がそれを叩いた。

それは、ステータス・ウィンドウ。

嘘でしょ(笑)


(8)へつづく

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